物質と生命(化学)
 Introduction to Materials and Life Sciences(Chemistry)
 担当教員:笠松 秀輔(KASAMATSU Shusuke),河合 寿子(KAWAI Hisako)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
物質・生命科学の基礎を、身のまわりのモノや、環境・エネルギー問題、ナノテクノロジー、医療などの現実世界の課題と結びつけて理解し、説明できるようになることを目的とする。

【授業の到達目標】
(1) 生体物質や身のまわりのモノが、原子スケールから目に見える巨視的スケールまでどのように構成されているのかイメージできるようになる。【知識・理解】
(2) 最先端のテクノロジーに生命・物質科学がどのように貢献しているか説明できるようになり、関連する新聞記事などを批評的に読むことができるようになる。 【知識・理解】【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
物質,生命,タンパク質,構造解析,光合成,学生主体型授業

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、生体物質を含む身の回りのモノの成り立ちや性質について学び、私たちの日常にどのように関係しているかを理解することで、良識ある市民にふさわしい幅広い教養を習得するものである。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
02.飢餓をゼロに
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
13.気候変動に具体的な対策を

【授業計画】
・授業の方法
理学部の2名の教員により授業を行う。事前に配布した資料に基づいて、講義形式で授業を行う。毎回、問題を出題するので、その小テストを提出する。
・日程
(1) ガイダンス、近代化学史:元素・原子の概念の確立 (笠松)
(2) 身の回りの物質の構造と性質 (笠松)
(3) 生物の基本概念と基本構造 (河合)
・生命とは何か:自然発生説からはじまる人類の生命観の歴史
・細胞小器官の種類と働き
(4) 生体物質の種類と働き (河合)
・有機化合物とは:生物は有機物を合成するためになぜ炭素の骨格を使うのか?SFに登場するケイ素生物を検証する
・糖質、脂質、タンパク質の構造と機能
(5) 構造材料の物質科学ー日本刀からクルマ、スカイツリーまで (笠松)
(6) スマホを実現するナノエレクトロニクスの物質科学 (笠松)
(7) 有機物を作る光合成反応 (河合)
・光合成研究の歴史:古代ギリシアでは植物は根に口があり土を食べると思われていた
・光エネルギー変換反応、同化反応
(8) タンパク質の合成 (河合)
・生物はどのようにタンパク質を合成するのか
・人工的にタンパク質を合成する:遺伝子工学とゲノム編集
(9) エネルギー変換の物質科学 (笠松)
(10) タンパク質の形を調べる (河合)
・ノーベル賞だらけのタンパク質の構造解析研究
・医薬品がタンパク質に結合して機能を発揮するメカニズム
(11) 計算物質科学 (笠松)
(12) AIと材料開発 (笠松)
(13) 素材としてのタンパク質 (河合)
・ウールや革製品、シルクなどの人類が古くから利用してきたタンパク質素材
(14) 医療や産業に使われるタンパク質 (河合)
・洗濯洗剤や食品加工に使われる産業用タンパク質
・薬やバイオセンサーに使われるタンパク質
・タンパク質由来のバイオプラスチック
(15) 試験とまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
(1) Webクラスにアップされた資料に基づいて講義を行う
(2) 授業後に、講義内容に沿った設問を解いて提出する
(3) 講義中に生じた疑問や理解不十分な点については、その都度質問する
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業で習った内容に関連することを図書館やウェブで自分なりに調べてみる。また、関連するニュース記事などに着目してみる。

【成績の評価】
・基準
授業で紹介した生命・物質科学に関する知識が身につき、用語や概念を正しく理解し論述できることを合格の基準とします。
・方法
小テスト14回(50点分)+期末レポート(50点分)の計100点で評価します。

【その他】
・学生へのメッセージ
今まさに自分の体内で働いている生体物質や、普段何気なく使っている日用品(例えば電子機器など)に意識を向け、興味をもって授業を聞いて欲しいと思います。
・オフィス・アワー
笠松、河合とも、授業時間外に学生の質問に答えるオフィスアワーは、各々の居室(笠松:理学部棟3号館B301室、河合:理学部棟 4号館4階C404号室)にて、原則月曜日の10-12時の間に設けますが、これに限らず在室しているときは随時対応します。出張等で不在にする場合もあるので事前にメールで問い合わせてもらえるとより確実です。

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