食品毒と栄養生理(生物科学)
 Food Toxin and Nutritional Physiology (Biological Sciences)
 担当教員:小酒井 貴晴(KOZAKAI Takaharu)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コース
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):政府系研究機関(産業技術総合研究所、農業食品産業技術総合研究機構)およびルードヴィッヒ癌研究所(スウェーデン)において,消化管生理機能に関する基礎研究に従事しており,その経験を活かして食品毒と栄養生理に関する知見を学ぶ。
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
食品に付着している有害微生物や食品の調理工程で発生する有毒物質を理解した上で、それらの毒性作用の発症機序を理解して、健康な生活を過ごすための基礎知識を身につけることを目的とする。

【授業の到達目標】
食品に関連する毒素の種類やそれらに対する生理メカニズムを理解することで、健康的で安全な食生活を過ごしたり、食品衛生対策を考えられるようになることを目標とする。
そのために、
1)食品中の有毒物質を分類できる【知識・理解】。
2)食中毒の原因となる微生物および毒素を指摘できる【知識・理解】。
3)それらの毒性作用機序を生理学・薬理学的に理解できる【知識・理解】。
4)有毒物質からの被害を回避するための食品衛生対策および法規則について述べることができる【態度・習慣】。

【授業概要(キーワード)】
生理学,薬理学,食中毒,食品加工,衛生

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、食品毒と生理学に関する知識を習得する実学的な学問分野であり、健全な批判精神と科学的理論に裏付けられた幅広い知識を習得するものである。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントによる講義で授業中に板書しながら、知識の習得を目指す。解説と板書を交互に行い、理解度を深める。一定間隔の小テストと確認レポートを課しながら、筆記試験で総まとめを確認する。予定は未定ではあるが、単元に関係する外部講師(研究・開発者)による最新事情を紹介してもらう場合もある。
・日程
第1回 対面  ガイダンスと消化管機能序論  第2回 対面 微生物:食品中に繁殖する微生物  第3回 対面 食品の変性:食品の変性やその防止法  第4回 対面 食品の変性2:食品の変性やその防止法  第5回 対面 微生物による食中毒1;細菌の特徴と発症のメカニズム  第6回 対面 微生物による食中毒2:細菌の特徴と発症のメカニズム  第7回 対面 微生物による食中毒3:下痢  第8回 対面 自然毒による食中毒1:細胞膜受容体と細胞内機序  第9回 対面 自然毒による食中毒2:自然毒の種類、毒性の作用機序とその防止法  第10回 対面 自然毒による食中毒3:自然毒の種類、毒性の作用機序とその防止法  第11回 対面 期末試験(筆記試験) 実施回数がわずかに前後するかもしれませんが、ちゃんと準備できるように1週間前には伝えます。 第12回 対面 復習・反省会  第13回 webclass 学習 真菌・人畜共通感染症  第14回 webclass 学習 寄生虫  第15回 webclass 学習 原虫・衛生動物  *学外研究者の講演 関連する内容で学外研究者の講演が入る場合があります。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
準備学修に必要な学修時間の目安は4時間/週です。知識を頭に入れるのではなく、答えがないかもしれない課題に対して、知的好奇心と向上心を持って、前向きに思考する姿勢を持ってほしい。スマホやタブレットなどのカメラによる板書の撮影は禁止します。見にくいから撮影する学生がいますが、前の席に座るようにしてください。授業の動画撮影や録音も禁止します。ノートまたは電子ノートに自分の手書きで記入してください。また、自分のノートは小テスト時に持ち込んでも構いません。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
資料を入手して、必要な知識やスキルに関する学習を自主的に進めること。確認レポートや筆記試験に備えて、よりよい自分のノートを作成するように心がけましょう。

【成績の評価】
・基準
食品中の有毒物質、微生物および毒素を理解しているか、また、それらの毒性作用機序を説明でき、被害を回避するための食品衛生対策(自分たちの食生活)を考えられるかどうかを、合格の基準とします。
・方法
筆記試験を40点満点とし、数回の小テストやレポートを60点とする。小テストはノートのみ持ち込み可能で、確認レポートは自分で調査した上で記述してください。ただし、期末試験はノート持ち込みを不可とする。著しく欠席や授業態度が悪いものは減点する。なお,社会衛生環境や授業進行によっては筆記試験の日程が変動するかもしれませんが,授業内で変更を伝えますので授業出席をよろしくお願いします。

【テキスト・参考書】
テキストは特に指定しておりません。授業ノートを中心に、各自で予習・復習してください。参考書は授業内で適時お伝えします。

【その他】
・学生へのメッセージ
様々な生物現象がより身近に感じられ、さらなる向学心を生み出せるように心がけます。1年生にとっては、一人暮らしの食生活での注意点なども理解できるように心がけたいと思います。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は小酒井研究室(地教1号館3階,305号室)において、火曜日と金曜日のお昼休み(12時15分〜50分)に設けます。

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