山形の火山、世界の火山(山形から考える)
 Volcanoes of Yamagata, and the World(Yamagata Studies)
 担当教員:伴 雅雄(BAN Masao)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 日本は活火山を多数抱える世界有数の火山国で、山形や東北地方にも蔵王山、鳥海山を代表として活火山がたくさんあります。火山噴火は最もスペクタクルな地球科学的現象ですが、一方で災害をもたらします。この授業では、蔵王山を題材にして、噴火によってもたらされた物質から噴火の様子や噴火の歴史を読み解く実習を行います。また、世界の火山の分布、型、噴火様式、噴出物などの知識を基にして、山形の身近な火山の噴火の歴史を学び、さらに火山との共生について考えます。

【授業の到達目標】
1)火山についての基本知識を説明できる。【知識・理解】
2)代表的な噴出物について、その特徴を基に噴火の様子などを推定できる。【技能】
3)火山との共生について討議できる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
 山形、火山、蔵王山、噴火、マグマ、火山との共生、学生主体型授業(アクティブラーニング)

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
 世界の火山を視野に入れて、山形の身近な火山を題材に噴火の特徴や災害について学びます。特に蔵王山には実際に出向いて現地で実習を行います。知識の習得や実習によって自然との共生について理解を深め、また、各種社会情報に対する批判的思考も養い人間力の向上に寄与します。カリキュラムポリシー1,ディプロマポリシー1,2,4,6に対応した科目です。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
11.住み続けられるまちづくりを
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
 10/5(土)と10/12(土)に蔵王山で実習を予定しています。その他の回は時間割に記載されている時間・教室で行います。火山に関する知識の説明の際にはパワーポイントや視聴覚教材を用います。パワーポイントのシートは印刷して配付します。また、蔵王山で採取した試料の実習も行い、その結果を現地での観察結果と合わせてグループごとに発表してもらいます。
・日程
以下のように計画しています。カッコ内は予定日です。
第1回 講義の進め方とガイダンス(9/30)
第2回 世界の火山の分布、型、噴火タイプ、噴出物の種類(9/30)
第3~6回 蔵王山の現地実習1-刈田岳周辺を予定(10/5)
第7~10回 蔵王山の現地実習2-熊野岳周辺を予定(10/12)  
第11回 蔵王山の室内実習1(10/21)
第12回 蔵王山の室内実習2(10/28)
第13回 現地、室内実習の発表会の準備(11/11)
第14回 現地、室内実習の発表会(11/18) 
第15回 全体のまとめと到達度評価(11/25)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)パワーポイントで示される講義内容は印刷物として配付しますので、授業中に補足し、またファイルにまとめて内容の理解に努めてください。
2)10/5(土)と10/12(土)に蔵王山で実習を行う予定です。9時ころに出発し、帰着は16時ころを予定しています。両日に参加できる見込みの人のみ登録してください。その他の回は、授業時間割に記されている時間、教室で行います。
3)実習で得られた結果をグループごとに発表してもらいます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・参考書を読み、火山に興味を持っておくと良いでしょう。
・配られたプリントを整理し、また、専用のファイルなどまとめておくと良いでしょう。

【成績の評価】
・基準
1)火山についての基礎的な知識を身につけ、2)蔵王山実習で行うことを通して噴火の様子や噴火の歴史について理解できるようになること、さらに 3)身につけた知識を基に、火山と人間との共生について科学的に考えられるようになることが合格の基準です。
・方法
 到達目標 1)-3)への到達度を、現地・室内観察のレポート30%、現地・室内観察の発表30%、演習課題10%、期末試験30%で評価します。

【テキスト・参考書】
テキスト:適宜プリントを配付します。
参考書:伴・及川・山崎「蔵王火山地質図」産総研 2015、中村一明「火山の話」岩波新書 1978、横山・荒牧・中村(編)「火山」岩波書店 1992、中村・松田・守屋「火山と地震の国」岩波書店 1995、下鶴・荒牧・井田(編)「火山の事典」教文堂 1995、宇井忠英(編)「火山噴火と災害」東大出版会 1997、高橋正樹「破局噴火」祥伝社 2008、小山真人「富士山噴火とハザードマップ」古今書院 2009、ハンス‐ウルリッヒ シュミンケ「火山学」古今書院 2010、山と渓谷社「ドキュメント御嶽山大噴火」2014

【その他】
・学生へのメッセージ
1)山形には多数の火山があります。日頃から気に留めておくと良いでしょう。
2)配布物はその日のうちに専用のファイルなどにまとめておくこと。
・オフィス・アワー
 月曜日16:15~17:00(理学部4号館5階C504伴研究室)。その他の時間も可能性がありますので相談してください。

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