あなたの知らない大学(人間・共生を考える)
 The Secret of "Daigaku"(Diversity and Inclusion)
 担当教員:橋爪 孝夫(HASHIZUME Takao)
 担当教員の所属:学士課程基盤教育院
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
このシラバスを読んでいる皆さんは「大学生」だと思われますが、では「大学」とは。「大学生」とはそもそも何なのでしょうか。現在自分が所属している大学について、あなたはどのくらいのことを知っていますか? 何故その場所にあるのか、いつ頃設立されたのかという起源の話から、なぜ大学の授業は90分なのか、取得すべき「単位」とは何なのか、といったカリキュラムの仕組みの話など、はっきりと知らないことだらけなのではないのでしょうか。知っているようで知らないことを根本から考え始めると疑問は尽きません。そもそも、いま私たちの目の前にある現代日本の「大学」という仕組みは何のために、どのようにして始まったのでしょうか。
大学はそれぞれの国、地域ごとの歴史に応じて誕生も在り方も果たしている役割も様々です。この授業は、大学を歴史資料に基づいて概観し、日本の大学についての理解を深める中で人と「知」の関わりについて考え、一人一人が自分なりの大学観を確立して行くことを目的としています。

【授業の到達目標】
(1)日本の大学について歴史学的興味を持ち、それぞれの歴史や構造についての基礎的知識を理解することができる。【知識・理解】
(2)史資料を根拠として自分なりの「大学観」を確立し、これからの大学のあり方について自分の考えを持ち発表したり文章に記述して他者に伝えることができる。【技能】
(3)あるテーマに対しグループ協働により課題を発見し、調査と議論を通じて課題を探求し理解を深め、結論を見出し共有していこうとすることができる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
学生主体型授業(アクティブラーニング),教育史,大学史,日本の大学の歴史,山形大学の歴史,教養,歴史観

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は基盤共通教育基幹科目「人間・共生を考える」の一つとして、歴史学的手法に拠り健全な批判精神に裏打ちされた知的教養的態度と公共精神の養成を目指すものです。その課程で人類の知的営為について来し方行く末を見つめ直し、自らの将来像を描くための参考となるべく実施するものです。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
1)この授業は対面形式で行いますが、新型コロナウィルス感染症の影響などによりオンデマンド授業に変更される場合があります。その際は授業内容の変更を伴うので大学からのアナウンスに注意してください。
2)課題等の教材は期限を設定してWebClassに提示します。
3)毎回の授業では『【日本における『大学』の歴史的展開をテーマに、グループ協働による課題発見・探究型学習】』を行います。授業外学習時間にグループ協働学習を進めるため、役割分担を決めて取り組んだり連絡を取り合ったりする時間を確保してください。
4)毎回の講義の内容に関連して課題が出されます。期限を守って提出する必要があります。
5)授業で学んだことが身についているかどうかの確認・評価のため課題発見・探求活動の成果報告(プレゼンテーション・レポート等の手段による)を行います。
・日程
第1回 ガイダンス 授業前アンケート
第2-7回 講義前半・課題発見探求計画の作成
第8回 中間報告・相互評価 中間アンケート
第9-13回 講義後半・最終報告発表資料作成
第14回 最終報告・相互評価
第15回 リフレクション・レポート課題 授業後アンケート

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
※原則として毎回予習が必須になります。授業時間外学習の時間を確保してください。
1)基幹科目は導入科目で身につけた学びの型を活用する場所です。スタートアップセミナーで学んだ内容を前提とした授業となっていますので留意してください。
2)グループ単位での協働学習を重視します。平等である必要はありませんが公平な役割分担を心がけてください。
3)授業の進行等も各班に振り分けることがあります。単なる参加者ではなく学習主体としての意識を持って授業に参加してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
※予習について、指定された資料を読解し要点メモを作成して授業に出席することが必要になります。メモの内容は成績評価にも関わりますので予習と授業時間内学修は一体のものと考えてください。
グループメンバー内でこまめな情報共有を行い、授業外での打ち合わせ等を工夫しながら協働学習を進めてください。
各人の活動内容を必ず記録し、後に参照できる形で共有し、活用するように工夫してください。このような活動記録を参照しての授業外での振り返りと方向修正は特に重要です。常に自分と自分の班がどのような経緯を踏んで現在の活動に取り組んでいるのかを認識し、次なる活動に備えましょう。
「大学」について自分なりのテーマを持って常に考え、課題を発見出来るよう心がけることが大切です。授業で触れた新しい知識や自分とは異なる考え方についてメモを取り、自分の学びに生かすようにしましょう。
資料を読む中で、或いは講義やグループ発表を聞く中で疑問に思ったことがあればそのままにしておくのではなく、図書館の史資料を活用し自分なりの答を見つけ、レポート作成や自らの大学論形成に生かすようにしましょう。
日頃から新聞等の現在の大学に関連する記事に目を通し、自分なりの観点・問題意識を養っておくと意見をまとめる際に役に立ちます。
様々な機会に家族や友人、その他の他者と「大学」について語り、他者の論を知ることで自らの論を深めることにつながります。

【成績の評価】
・基準
1)知的探求に対しグループのメンバーとして役割を果たし、主体的に取り組んだ。
2)「大学」について客観的資料に基づく考察により理解を深めた。
3)学びの成果を外部へ伝える発表を実施出来た。
・方法
毎回の授業内容に関する課題への取り組み(50%)
課題発見・探究への取り組み(40%)
相互評価・ピアレビューへの取り組み(10%)

【テキスト・参考書】
大学の歴史は扱っている範囲が広く長いため、特定のテキスト一冊で済ませることは出来ません。百科事典などで良いので、信頼度の高い出版されている資料を複数参照できるよう環境を整えて下さい。
授業内でも入手しやすい資料を紹介しますが、基礎資料として以下の文書の読解が必要だと考えておいてください。

文部科学省「学制百年史」
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1317552.htm

【その他】
・学生へのメッセージ
※重要※
・新型コロナウィルス感染症の影響により、授業に関してはシラバスに記載されている情報から変更が行われる場合があります。
・初回授業(ガイダンス)に出席し、最新の授業情報を確認して必要な取り組みを進めてください。

世の中の様々な物事を「当たり前」として思考停止せず「根本的批判」を行う訓練をしてみましょう。本講義では「歴史」という視覚からこの「当たり前」を問う機会を提供します。「当たり前」のことに自分なりの引っ掛かりを持ち、問い続ける精神を鍛えましょう。それは皆さんの今後の人生を豊かにするかもしれません。
・オフィス・アワー
原則としてWebClassのメッセージで質問を受付けます。会議や出張などで不在にすることもあるため、リアルタイムでの返信ができないこともありますがご了承ください。

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