【授業の目的】
我々の世界を構成する最も小さい物質とは何でしょうか?例えば、水は水素と酸素という原子という小さい物質で構成されていますが、原子はさらに小さい物質である電子と原子核から構成されます。また、原子核は陽子と中性子から構成され、陽子と中性子はクォークという物質から構成されることが分かっています。ここで電子やクォークはこれ以上分割できない物質で世界を構成する最小構成要素と考えられており、このような物質を素粒子と呼びます。この講義では、素粒子がどのように発見されていったのか、素粒子の運動を支配する物理法則がどのように発展していったのかを理解することを目的とします。
【授業の到達目標】
(1)素粒子についての基礎知識を理解し、それを説明することができる。【知識・理解】 (2)素粒子の運動を記述する標準模型がどういうものであるか説明することができる。【知識・理解】 (3)素粒子物理学の応用例を説明することができる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
素粒子,原子,物質,物理
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
素粒子物理学の始まりから最新の話題を学習することによって、健全な良識ある市民として生きるための豊かな教養を養成する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
素粒子という学問が始まった初期から最新の研究内容に関連したことまで、順次スライド、ならびに板書を用いて紹介していきます。授業では、内容に関連した課題を行ってもらいます。
・日程
第1回 ガイダンスと講義の進め方 第2回 導入、ギリシャ哲学と原子 第3回 化学の発展と原子説 第4回 電子の発見 第5回 原子の構造 第6回 ボーアの原子模型 第7回 陽子と中性子 第8回 中間子理論 第9回 ハドロンとクォーク1 第10回 ハドロンとクォーク2 第11回 標準模型1 第12回 標準模型2 第13回 ニュートリノの理論と観測 第14回 標準模型を超えた物理理論 第15回 素粒子物理学の応用
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
スライドと板書で授業をすすめるので、説明した内容をノートに取りながら理解をするようにして下さい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
準備学修に必要な学修時間の目安は4時間/回です。授業で説明されたスライドの内容を復習して関連することを図書館やネットで自分で調べてみて下さい。関連図書は多くあるので、それらを読んで授業の内容をより深く理解することを薦めます。
【成績の評価】
・基準
素粒子についての基礎知識、標準模型の内容、素粒子物理学の応用例について適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
授業中に行う課題60点、期末レポート40点の合計で評価します。
【テキスト・参考書】
テキスト:担当教員が作成するスライド、プリントなどを授業で配布します。 参考書:南部 陽一郎著「クォーク 第2版」 (講談社)、鈴木厚人著「カミオカンデとニュートリノ」(丸善出版)
【その他】
・学生へのメッセージ
素粒子物理学は基礎科学の一分野です。授業でその一端触れることで基礎科学の面白さを実感してもらえればと思います。
・オフィス・アワー
原則、月曜日の13:00~14:30(理学部3号館403号室)。これに限らず在室している時は随時対応します。事前にWEB CLASSを使ってアポイントを取ってから質問に来て下さい。
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