【授業の目的】
教育現場における人間関係の課題を把握し，人間関係論を理解することにより，多様な人間関係について分析・考察できるようにする。
また，実習を通して，人間関係形成のための具体的なスキルを習得し，実践的指導力の向上を図る。
【授業の到達目標】
1 学校における人間関係の課題を把握し，児童生徒理解や人間関係の形成，コミュニケーションの基礎について説明することができる。
2 人間関係形成のためのスキルを習得し，よりよい人間関係形成のための授業計画を作成できる。
3 学級や学校におけるよりよい人間関係形成の授業実践を考察し，討論することができる。
【授業概要（キーワード）】
心理教育（心の教育），学級の集団作り，自己理解，他者理解，保護者との人間関係，Q-Uアンケート，ピアサポート，クラス会議
【学生主体型授業（アクティブラーニング）について】
A-1．ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。：1～25％
B-1．学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。：1～25％
D-1．演習、実習、実験等を行う機会がある。：26～50％
C-3．習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。：1～25％
D-3．習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。：1～25％
【科目の位置付け】
この授業は，自己を認識し，人との出会いを通じて学び合うことによって，人間関係の課題解決をはかっていく力を身につけると共に，心の教育について専門的で実践的な能力を獲得するものである。
【SDGs（持続可能な開発目標）】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
10.人や国の不平等をなくそう
【授業計画】
・授業の方法
講義や演習により人間関係論を学び，併せて演習をとおして人間関係形成のためのスキルを習得する。
・日程
第１回： オリエンテーション，学校における人間関係の現状と課題
第２回： 子どもの環境を整える「学級づくりの基礎」
第３回： 児童理解と集団作り「Q-Uアンケート」
第４回： 人間関係を深め集団を育てるコミュニケーション
第５回： 自他理解のための構成的グループエンカウンター（SGE)
第６回： 学級づくりのためのグループワー①
第７回： 学級づくりのためのグループワーク②
第８回： 解決志向の学級づくり 解決志向ブリーフセラピー
第９回： 勇気づけの心理学と「クラス会議」
第10回： 自己有用感を高めるピアサポートプログラム
第11回： 学級における人関係づくりのプランを作成、実施・考察 １
第12回： 学級における人関係づくりのプランを作成、実施・考察 ２
第13回： 学級における人関係づくりのプランを作成、実施・考察 ３
第14回： 保護者との人間関係や教師間の同僚性について
第15回： 学習の成果と課題について考察とまとめ（レポート発表）
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
演習に積極的に参加し，よりよい人間関係を築くための理念や態度を，自己理解や自己のあり方と重ねながら学んでください。
・授業時間外学習（予習・復習）のアドバイス
授業を振り返り，気づきや感想をまとめるようにしてください。（随時リフレクションカード提出）
資料をファイリングし，自己理解や家族・仲間関係等，日常・学校生活に生かしてみることを心掛けてください。
【成績の評価】
・基準
Ｃ（合格に必要な最低限度）基準
学部卒院生：子どもや教師，保護者における人間関係形成の課題を理解し，コミュニケーションスキルの基礎を説明することができる。また，学級の課題を検討し、人間関係形成の授業計画を作成できる。
現職院生：子どもや教師，保護者における人間関係形成の課題を理解し，コミュニケーションスキルの基礎を説明することができる。また，学級や学校の課題を分析し、課題解決のために人間関係形成の授業計画を作成できる。
・方法
演習への参加状況及び人間関係形成等のスキルの習得の面から，以下の観点に則り，総合的に判断し，評価する。
・ 演習や振り返り等に主体的に参加し，設定された目標の到達に向けて努力しているか。（毎レポート，３０％）
・ 演習における発表の内容等が，設定された目標に到達しているか。（模擬授業，３０％）
・ 自己理解や人間関係について気づきがあったか，学級経営における実践力の向上が図られたか。（課題レポート，４０％）
【テキスト・参考書】
【参考書】
『シンプルな12のワークが子ども同士の関係性を劇的に変える』月刊教育相談編集部/ほんの森2022
赤坂真二『アドラー心理学で変わる学級経営』明治図書2019
曽山和彦『スリンプル・プログラム』ほんの森出版2023
河村茂雄『主体的な学びを促す学級集団づくり』図書文化2018
黒沢幸子・渡辺友香『解決志向のクラスづくり 完全マニュアル』ほんの森2017
赤坂真二（著）『クラス会議』バージョンアップガイドほんの森2016
【その他】
・学生へのメッセージ
自分についての気づき（自己理解）が促進され，教師としてのよりよいコミュニケーションスキルについて理論とスキルを学ぶことができます。
もちろん，学級経営（人間関係形成）のスキルも高まります。
現職の皆さんもお勧めです。理論を学ぶことで，さらに人間関係の形成を促進することができます。
・オフィス・アワー
授業の進め方や自己課題に関する相談は、担当教員まで問い合わせて下さい。学校での人間関係や学級経営等の相談も可能です。
「オフィスアワー」は，授業の前後に設けます。確実に面談した場合は事前に予約をお願いします。研究室の場所や連絡先は，初回の授業でお知らせします。
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