障害児のコミュニケーション支援
 Communication for Handicapped Children
 担当教員:川村 修弘(KAWAMURA Nobuhiro),髙橋 幹則(TAKAHASHI Mikinori),早川 隆(HAYAKAWA Takashi),大村 一史(OMURA Kazufumi),池田 彩乃(IKEDA Ayano)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科、地域教育文化学部
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室、通常の学級での担任経験のある教員が、障害種別(視覚、聴覚、知的、肢体不自由、病弱、発達、言語)による障害の特徴とコミュニケーションについて、実践的に講義する。
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 障害児はコミュニケーション面に課題を抱えていることが多く、その支援や適切なコミュニケーション手段の活用は障害児に対する指導を行う上での基礎となる。本講義では障害児が抱えるコミュニケーションの課題について整理し、臨床像に応じたコミュニケーション支援における理論や方法を学ぶことを目的とする。

【授業の到達目標】
到達目標は、以下の2点とする。
 1.障害児が抱えるコミュニケーション面の課題について児童生徒の障害特性をふまえた支援方法を理解することができる。
 2.コミュニケーションに課題のある児童生徒の臨床像と適切な支援方法をふまえた「個別の指導計画」を作成するための基礎を修得することができる。

【授業概要(キーワード)】
 コミュニケーション、聴覚障害、代替機能、サイン言語、点字、手話

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
 特別支援教育分野別(障害児の指導実践)の選択科目、特別支援学校教諭専修免許状の選択科目により、特別支援教育の中で障害児のコミュニケーションの理解と支援に関する専門性を高めることを目指す。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
 講義をするとともに、模擬体験やグループ発表を行いながらコミュニケーション障害児の理解を深める。具体的には、障害児が抱えるコミュニケーション面における課題と、その解決のための課題設定のあり方を概説する。その上で、指導や支援で用いられている各種方法の体験や視聴覚教材を用いて、知的障害を中心としながら、各障害別のコミュニケーション支援のあり方について説明する。
 講義形式ではあるが、講義内容や機器の操作体験、ビデオ視聴をもとに各自の学習成果を2グループにわかれてプレゼンテーションの形で発表し、受講者間で討議する。
・日程
 第1回:コミュニケーション支援の基本;対象児の実態把握と課題設定のあり方【全員】
 第2回:障害特性とコミュニケーション能力との関係;知的障害を中心とした発達の遅れに対応するためのコミュニケーション支援の基本【早川・川村】
 第3回:コミュニケーションの種類とその意義①;点字・手話を中心に【早川・川村】
 第4回:コミュニケーションの種類とその意義②;サイン言語(PECSや絵カード)を中心に【早川・川村】
 第5回:コミュニケーションの種類とその意義③;AACの活用(1)音声出力を中心に【早川・川村】
 第6回:コミュニケーションの種類とその意義④;AACの活用(2)意思伝達システムを中心に【早川・川村】
 第7回:障害特性に応じたコミュニケーション支援①;視覚障害児に対する支援のあり方【高橋】
 第8回:障害特性に応じたコミュニケーション支援②;聴覚障害児に対する支援のあり方【早川】
 第9回:障害特性に応じたコミュニケーション支援③;知的障害児に対する支援のあり方【大村】
 第10回:障害特性に応じたコミュニケーション支援④;肢体不自由児に対する支援のあり方【池田】
 第11回:障害特性に応じたコミュニケーション支援⑤;発達障害児に対する支援のあり方【三浦】
 第12回:障害特性に応じたコミュニケーション支援⑥;言語障害児に対する支援のあり方【川村】
 第13回:障害特性に応じたコミュニケーション支援⑦;病気の子どもに対する支援のあり方【池田】
 第14回:プレゼンテーション①;グループ①が発表
  受講者による、前13回の講義をふまえたコミュニケーション指導に関するプレゼンテーション①【全員】
 第15回:プレゼンテーション②;グループ②が発表
  受講者による、前13回の講義をふまえたコミュニケーション指導に関するプレゼンテーション②【全員】

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 障害種別における代替機能の種類を調査してきて、それを授業の中で発表するようにしてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 教育現場だけでなく実生活の中でも、障害者と積極的にコミュニケーションを図ってください。

【成績の評価】
・基準
C(合格に必要な最低限度)基準
 学部卒院生:各障害の特性とコミュニケーションの基礎的事項を理解し、障害特性に応じたコミュニケーション支援について考えることができる
 現職院生:各障害の特性とコミュニケーション能力を評価し、補助代替機能の活用をふまえた障害児のコミュニケーション支援のあり方を考えることができる。
・方法
 以下の観点に基づき、プレゼンテーション等をふまえて総合的な評価を行います。
 ①コミュニケーション面における課題について、障害像や児童生徒の特性をふまえた理解がなされているか。(40点)
 ②障害児に対するコミュニケーション支援の方法について障害特性をふまえた理解がなされているか。(30点)
 ③紹介したコミュニケーション手段の意義や活用方法が理解できているか。(30点)

【テキスト・参考書】
参考書:河合康・小宮三彌編著『特別支援教育と障害児の心理・行動特性』(北樹出版,2018)

【その他】
・学生へのメッセージ
手話やサイン言語などを積極的に覚えて、教育現場や実生活の中で活用してください。
・オフィス・アワー
相談がある場合には、事前には川村、早川、髙橋、大村、池田までメールをしてください。

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