数学特論III
 Advanced Mathematics III
 担当教員:早田 孝博(HAYATA Takahiro)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:各専攻共通  科目区分:選択講義科目 
【授業の目的】
線形代数続論として、特に整数を要素にもつ行列の変形や計算方法を学ぶ。応用として格子上球充填問題と関連するボロノイ理論を解説する。最適化問題の1つである格子上球充填問題への線形代数によるアプローチを通して、基礎数学の応用分野への適用方法を体感する。

【授業の到達目標】
○対称群の計算ができる。
○行列の基礎的な基本変形ができる。
○スミス標準型の計算ができる。
○格子の生成行列およびグラム行列が計算できる。
○凸錐の計算方法がわかる。

【授業概要(キーワード)】
球充填問題、格子、行列、行列の基本変形、正定値対称行列、ボロノイ理論、線形代数、群論、等質空間、凸錐

【科目の位置付け】
学部における線形代数の継続学習である。
工学系の大学院生としての数学的教養として身につける科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
○この授業は対面授業の予定です。またWebClass を利用します。講義資料の閲覧や課題の提出はすべてWebClass上で行います。
○この講義の中心は例題演習ですので、細かな証明についてはあまり触れません。
講義の初めに必要事項を解説し、関連した例題を解いてみます。
その場で完全には解けなくとも、解説を参考にして、何も見ないでできるまで復習することが重要です。
また、その日の例題に関連した問題をWebClassを利用して課題として課します。
・日程
配布資料にしたがって、
第 1-- 2週 行列の積, 行列式, いろいろな行列
第 3--4週 整数,整数行列とスミス標準形
第 5--7週 格子,正定値対称行列と二次形式,コレスキー分解
第 8--10週 最小ベクトル,ミンコウスキー標準形,筆記試験
第11--13週 凸閉包問題,多面凸錐体のアルゴリズム
第14--15週 ボロノイアルゴリズム
の順に授業をおこなう。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
○まず、講義資料をよく読んで内容を理解してください。講義資料の例題を自分でノートの上で解いてみて理解を深めてください。
○練習問題や課題を実際に解いてみて、自分の力だけで解けるようになったか確認してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
○本授業では、毎週の課題を課しています。講義資料の学習を行い、理解をした上で課題に臨んでください。
○毎週の課題は、その週の講義の達成度を図るものです。正解するまで何度もトライしてください。また、疑問などはテキストで調べたり、WebClassで質問したりして、できるだけその
週のうちに解決しましょう。
○準備学修に必要な学修時間の目安は以下のとおりです。【1--2】時間/週。

【成績の評価】
・基準
講義の内容に対し、WebClass を利用して定期的に課題を課し、授業の達成度を評価する。また試験または試験課題を行い、総合的な授業目的の達成度を評価する。
・方法
課題の評価の合計を60点とし、試験/試験課題による総合評価40点を加え、合計100点とする。60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
テキストおよび参考書は特に指定しませんが、講義内容をまとめたものを毎回資料配布します。

【その他】
・学生へのメッセージ
講義される題材を理解するにはある程度時間をかける必要があります。資料を利用して、自学自習を心がけてください。またオフィスアワーの利用も考えてください。
・オフィス・アワー
毎週月曜日、講義終了後午後4時から5時まで 7号館2階7-208号室にて授業内容などについての質問を受け付ける。

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