本講義では、細胞工学、遺伝子工学、応用微生物学をキーワードに、発生・生殖現象における細胞機能解析技術と医療・産業への応用、細胞・組織工学および遺伝子工学技術の基礎知識から応用技術、そして微生物を利用した食品醸造や微生物の物質生産能向上を目的とした育種技術について学ぶ。

発生・生殖現象における呼吸代謝を中心とする細胞機能制御機構と、その解析及び計測技術と医療・産業への応用を理解できる。細胞・組織工学および遺伝子工学技術の基礎知識から応用技術を理解できる。微生物を利用した食品醸造をはじめ、微生物の物質生産能向上を目的とした育種技術に関して理解できる。

細胞、発生、タンパク質、遺伝子、微生物、発酵、細胞工学、発生工学、応用微生物学

A-1．ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。：1～25％
C-1．自分の意見をまとめて発表する機会がある。：26～50％
A-3．習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。：26～50％
C-3．習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。：26～50％

大学院理工学研究科ディプロマ・ポリシーの「1. 専門領域に関わる深い知識を修得し、基礎から先端的分野において、自在に応用できる能力を身につけている」に主に対応する。

03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

テキスト、パワーポイント、プリント等を使った講義により細胞生物学、分子生物学､微生物学を通して重要な生命現象を理解できるように講義をすすめる。演習課題を課し、講義内容の理解度を確認する。WebClass等のオンライン授業を活用する場合がある。

第1回 イントロダクション・授業計画説明（阿部）
第2回 光干渉断層撮影技術の医療応用（阿部）
第3回 電気化学計測の医療応用（阿部）
第4回 生殖医療：体外受精・胚培養（阿部）
第5回 発生工学と再生医療　（阿部）
第6回 細胞の生理学I：呼吸器系（黒谷）
第7回 細胞の生理学II：複合系（黒谷）
第8回 細胞の生理学III：神経系，内分泌系①（黒谷）
第9回 細胞の生理学IV：神経系，内分泌系②（黒谷）
第10回 微生物の分類（矢野）
第11回 微生物の育種（矢野）
第12回 微生物の産業利用（矢野）
第13回 病原微生物の防除技術（矢野）
第14,15回 総括、まとめ（黒谷・矢野）

教養課程及び専門課程で学んできた細胞生物学及び微生物学に加えて、分子・遺伝子レベルでの生命現象を学び、理解を深める。細胞工学、遺伝子工学及び微生物工学に関する基盤技術を理解する。
受講に当たっては、単に、板書や参考資料の内容を書き写す作業ではなく、原理を理解することに集中する。

細胞や微生物の構造と機能、遺伝子に関する基本を理解していることを前提にしているが､知識や理解が不足している場合には、教科書や関連参考書により前もって自習しておく。講義の中で関心を持った研究テーマに関する参考書の通読を勧める。また、生命科学に関する問題について、新聞やインターネットにより情報を得る習慣をつける。

講義毎に出席を確認し、聴講態度、質疑応答、レポートを評価の基準とする。

出席状況及びレポートの内容を計100点として評価し、60点以上を合格とする。

この授業では個別のテキストはありません。参考書として、「Bruce Albertsら著、中村桂子ら訳「Essential 細胞生物学 原書第5版」（2021）」、中村桂子ら訳「細胞の分子生物学 第6版」ニュートンプレス（2017）があります。その他の参考書として野島 博著、東京化学同人遺伝子工学―基礎から応用まで―第１版;村尾澤夫・荒井基夫共編『応用微生物学 改訂版』培風館があります。

生命科学の基礎を学び、基礎研究の成果の産業や医療応用を解説する授業ですから、是非受講してください。

授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を、次のように設けます。阿部研究室（工学部9号館801号室：水曜17時～18時）、黒谷研究室（質問等がある場合は、授業終了後に直接問い合わせるようにしてください。）、矢野研究室（火曜日17:00～18:00、工学部3号館2102号室）