ソフト&ウェットマター工学特論
 Advanced Soft and Wet Mater Engineering
 担当教員:古川英光(FURUKAWA Hidemitsu)

 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系) 機械システム工学専攻 
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:有機材料システム専攻(博士後期課程)  科目区分:専門科目 
【授業の目的】
先端ソフト&ウェット材料(ゲル)についての基本的な概念についての理解を深めるとともに、近年の研究の進展についての知識を得ることを目的とする。

【授業の到達目標】
(1)われわれの身体を構成する生体組織は、60〜80%もの多量の水を含みながら、丈夫で優れた力学機能と高次の生体機能を同時に実現している究極のソフト&ウェット材料(ゲル)という基本的概念を説明できる。【知識・理解】
(2)生体組織にみられる複合構造や階層性、その機構をうまく模倣することで、先端的な機能をもつソフト&ウェット材料の設計指針や研究計画、コンセプトを提案できる。【技能】
(3)3D/4Dプリンティング、ソフトロボティクス、デジタルファブリケーション、第四次産業革命などの最新研究を題材として取り上げることで、未来のソフト&ウェット材料の価値創成につながる研究開発の方向性について工学的考え方に基づいた議論ができる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
ソフトマター(ソフトマテリアル)、ゲル、プラスチック、3D/4Dプリンティング、ソフトロボティクス、デジタルファブリケーション、スマート工場、SDGs

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
最先端の材料科学やそれを応用しようとする3Dプリンティングやソフトロボティクスなどの最先端の応用科学や工学について学ぶ機会を提供する。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任

【授業計画】
・授業の方法
授業では、データ駆動型のデジタル製造を前提とする未来のものづくりのシステム思考について学びつつ、それを地域社会の抱える諸問題に解決に結びつけるデザイン思考の実践教育を通して、デザイン思考とシステム思考を併せ持つ、課題解決方法を提案できる人材の育成を。目指す。さらに、地方大学では育ちにくいグローバルマインドを持った大学院生を育成すべく、講義やディスカッションは英語で行う。授業ではグループ学習により、未来のライフスタイルを提案するコンセプトムービーを英語で制作し、世界に向けて発信することを目指す。コンセプトワークや発信活動を通じて、リーダーシップやチームワークのスキルを実践的に習得することを促すとともに、起業家や社会活動家のマインドの形成を狙う。
・日程
1. デザインシンキング1 (Design Thinking 1)
2. デザインシンキング2 (Design Thinking 2)
3. デザインシンキング3 (Design Thinking 3)
4. 先端やわらかものづくり1(Advanced Soft-matter Manufacturing 1)
5. 先端やわらかものづくり2(Advanced Soft-matter Manufacturing 2)
6. 先端やわらかものづくり3(Advanced Soft-matter Manufacturing 3)
7. フィールドワーク1(Field Work 1)
8. フィールドワーク2(Field Work 2)
9. コンセプトワークとSDGs (Concept Making and SDGs)
10. コンセプトワークとバリューチェーン (Concept Making and Value Chain)
11. ムービーメーキング1 (Movie Making 1)
12. ムービーメーキング2 (Movie Making 2)
13. ムービーメーキング3 (Movie Making 3)
14. プレゼンテーション (Presentation)
15. ディスカッション (Discussion)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義やディスカッションは英語で行う。英語でディスカッションができるように専門用語を英語でやりとりできるように準備する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
先端研究は目まぐるしく進展する。さまざまなメディアから最新の動向について常に情報収集を続けることを期待する。

【成績の評価】
・基準
チームでコンセプトムービーを制作し世界に向けて情報発信するという成果を評価します。
・方法
講義・グループ学習20点+コンセプトムービー80点

【テキスト・参考書】
Irving P. Herman: Physics of the Human Body, Springer (2007)
Richard A. L. Jones: Soft Machines, Oxford Univ. Press (2004)
Richard A. L. Jones: Soft Condensed Matter, Oxford Univ. Press (2002)

【その他】
・学生へのメッセージ
私は、ソフトマター(高分子ゲル・ゴム・プラスチック・食品)やハイブリッド材料の3Dデジタル製造を強化する研究、先端技術を社会実装する研究、3Dプリンターを教育に活かす研究で、高付加価値と持続性の創造をローカルからグローバルに展開します。
・オフィス・アワー
毎週火曜日10:00-12:00 工学部11号館4階401号室 

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