知覚情報システム概論
 Peceptual Information Processing
 担当教員:山内 泰樹(YAMAUCHI Yasuki)

 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系) 電子情報専攻 情報科学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):企業における研究・技術開発(カラーコピー高画質化技術,カラーマネージメント)

 開講学年:1年,2年,3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:有機材料システム専攻(博士後期課程)  科目区分:専門科目 
【授業の目的】
有機材料とは異なる観点,切り口からの視点を学生に対して養い,身につけさせる事を目的として,人間の感覚・知覚に関する知識を心理物理学的アプローチから解説する.それにより,人間の情報処理機構を学び,特に人間の情報処理のシステムに関して,与える情報を入力,その応答を出力とするシステムとしてとらえ,そのメカニズムを解明するための手法を基本的な概念とともに理解する事を目的とする.

【授業の到達目標】
1)心理物理学的なアプローチで問題解決をおこなうための手順を説明する事ができること.【知識・理解】
2)知覚情報処理メカニズムに関して,討議する事ができること【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
知覚システム,心理物理,生理学 視覚情報処理

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この講義は,知覚システムがどのように情報処理を行なっているかを心理物理的なアプローチから学ぶことで,有機材料及びその周辺との融合分野に対して幅広い知識を教授するために配置された体系的な授業科目であり(有機システム専攻のカリキュラムポリシー),受講後には世界に通用する高度に専門的な領域に自在に応用できる能力につながる幅広い知識を身につけるものである(有機システム専攻のディプロマポリシー).

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
講義は主としてプロジェクタにより資料や内容が提示され,その説明を主に進められる.途中,知覚に関する実体験ができるような演習を行う場合もある.各講義の最後に小テストを行い,理解度を確認しながら進める.そのために,授業計画と実際の講義とが異なることも起こりうる
・日程
第1回:視覚系の初期過程と大脳視覚領
第2回:錐体・桿体と暗順応
第3回:視覚の分光感度と明るさ知覚
第4回:等色と色覚メカニズム
第5回:色空間
第6回:色の見えと認識(1)
第7回:色の見えと認識(2)
第8回:視覚系の時空間処理機構の基礎-受容野メカニズム
第9回:視覚の時空間特性(1)
第10回:視覚の時空間特性(2)
第11回:眼球運動とパターン認識
第12回:立体知覚と三次元空間認識
第13回:運動知覚
第14回:視覚誘導自己運動感覚(ベクション)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
視覚情報処理について,なぜそのようになるのか,単に知識の詰め込みを行うだけでなく,その必然性など,生物の進化の変遷まで思いを巡らせてほしい.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義の前に参考書などを読んでおくことが望ましい.講義中に配布した資料や参考書などを用いて行う.インターネットなども用いて理解を深めるのもよいと思います.

【成績の評価】
・基準
授業出席,レポートなどの結果から成績をつけ,60点以上を合格とする.
・方法
各回の講義の最後に出されたミニ課題や,提出されたレポートから,理解度を総合的に確認する

【テキスト・参考書】
講義中に適宜紹介する.
内川惠二:色覚のメカニズム(朝倉書店)
池田光男:視覚の心理物理学(朝倉書店)など

【その他】
・学生へのメッセージ
単なる知識の伝達だけではなく,「なぜそうなるか」,「どのようにしたらそれを調べられるか」などまでを網羅したいと思っています.学生の積極的な取り組みと,活発な発言を期待してます.
・オフィス・アワー
毎週月曜日16:00~17:00(予定)工学部10号館406室.不在の場合もあるので,事前にアポイントメントを取ってもらうことを推奨します.Emailでの質問も歓迎します.

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