成人・老年看護学特論Ⅲ
 Advanced Adult and Gerontological Nursing-Lecture Ⅲ
 担当教員:佐藤 和佳子(SATO Wakako)
 担当教員の所属:医学系研究科看護学専攻臨床看護学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):本演習担当領域に関する高度実践看護について、熟達した教育・研究および実践に関する高度の実績を有する。
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:看護学専攻(博士前期課程)  科目区分:成人・老年看護学(慢性期) 
【授業の目的】
1.高齢者とその家族への倫理的判断を含む高度な看護実践に基づいて看護援助を実施できるための、倫理調整の基礎知識、具体的倫理的課題の専
門看護師の調整の実際を習得する。
2.老年症候群を有し複雑な状態にある高齢者へのケア介入理論モデルについて習 得する。
3.日本の高齢者保健福祉制度を前提とした高齢者サポートシステムの組織化と、具体的ケア管理システムを構築できるために、グローバルな観点
から学習し、高度実践看護師の役割と活動について習得する。

【授業の到達目標】
1.高齢者とその家族への倫理調整の基礎知識、具体的倫理的課題の専門看護師の調整の実際について、具体的に説明できる。
2.複雑な状態にある高齢者へのケア介入理論モデルについて習得し、代表的ケアモデルの特徴と意義について説明できる。
3.日本の高齢者保健福祉制度をグローバルな観点から学習し、高度実践看護師の役割と活動について考察し説明できる。

【授業概要(キーワード)】
倫理調整の基礎知識、高齢者とその家族への倫理的判断を含む高度な看護実践、老年症候群と看護ケア理論、高齢者の保健福祉制度とサポートシステム、交際比較

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:76~100%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:76~100%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:76~100%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
看護高度専門職業人として、豊かな学識と高い見識を獲得するための知識基盤の習得を促進する。また、修士論文作成に向けた、高齢者看護学の基礎的学術基盤の形成を図る。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
各講義のテーマについて、概念の理解、高齢者看護学における理論の変遷と高度看護実践における意義・活用の実際について、講義と、学生が、文献等より導き出した基礎理論のレポートを、概要を捉えられるようにする。
・日程
第1回 高度実践看護に必要な高齢者自己決定支援の論理と倫理、意思決定モデルの基礎理論
第2回 複雑な病態と生活背景を有する高齢者と家族に生ずる倫理的課題の具体例と多職種チームの役割と連携
第3-4回 複雑な病態と生活背景を有する高齢者と家族への専門看護師による倫理調整活動の実際と高度実践看護の具体的取組み
第5-6回 長期ケア施設における転倒ケア介入理論による高度実践看護への活用
第7-8回 認知症高齢者排泄ケアマネジメント相談手法による高度実践看護への活用
第9回 高齢者高度実践看護の展開における、サポートシステム組織化と構築の実際認知症高齢者のサポートシステム、排泄ケアマネジメント
相談システム例
第10回 高齢者尿失禁ケア管理についての、日本・米国・カナダ・イギリスのケアシステム比較検討による、日本の高齢者失禁管理の検証と
高度実践看護師の役割
第11-12回 急性期治療を終え在宅復帰に向けた認知症高齢者の退院支援に向けたサポートシステムの形成と退院支援における、高度実践看護師の
役割
第13回 地域包括システムにおける、軽度要介護高齢者の自立に向けたサポートシステムについて
第14-15回 高齢者のサポートシステムの組織化と高度実践看護師の役割について(統括)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義前半では、高齢者と家族への看護実践に関する内容、後半では、高齢者保健医療政策とサポートシステムに関する内容を主題とし、老年看護実践の知識基盤を獲得できるよう、主体的に探索して行きましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
それぞれの学習課題の基礎理論について、可能な限り自己学習をして頂くこと、また、講義に考察を整理して頂くと良いと思います。

【成績の評価】
・基準
1.高齢者とその家族への倫理調整の基礎知識、具体的倫理的課題の専門看護師の調整の実際に関する討論・レポート内容より評価
2.複雑な状態にある高齢者へのケア介入理論モデルについてと考察について討論・レポートより評価
3.日本の高齢者保健福祉制度と高度実践看護師の役割と活動についての講義における討論・レポートにより評価
・方法
各講義到達目標について事前に確認し、学習テーマと具体的準備について確認し、講義終了後に教員と相互確認を行います。

【テキスト・参考書】
必要な資料やプリント、学生自身による作成資料を授業ごとに用い、授業進度、学生の理解に合わせて、適宜、提示します。

【その他】
・学生へのメッセージ
各講義において学習の主題を明確にし、講義終了後に習得内容について整理をしながら、確実に知識基盤を形成して頂きたいと考えます。
・オフィス・アワー
月曜日・木曜日 、および社会人学生の皆様には、17時以降について事前に調整し設けます。

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