成人・老年看護学特論Ⅳ
 Adult and Gerontological Nursing-Lecture Ⅳ
 担当教員:武田 洋子(TAKEDA Yoko)
 担当教員の所属:医学系研究科看護学専攻臨床看護学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):看護師として実務経験のある教員が、その経験を活かし、がん看護・緩和ケア・循環器看護における具体的な健康課題について講義・実習を行う。
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:看護学専攻(博士前期課程)  科目区分:成人・老年看護学(慢性期) 
【授業の目的】
この授業では、次の3つを目的とします。
1)慢性期看護に関連する主要概念・理論を探究する。
2)成人期・高齢期にある慢性病・がん患者とその家族の体験に関心を深め,身体的・心理社会的特徴,行動について諸理論に基づいて理解する.
3)QOLを高める看護介入や効果的なセルフマネジメント支援のあり方を検証する.

【授業の到達目標】
1)超高齢社会おける慢性期医療の動向や健康について理論を根拠に説明できるようになる.
2)学習理論や健康行動理論,拡大する健康の定義から患者のセルフマネジメントへの支援を推論できるようになる.

【授業概要(キーワード)】
慢性期看護,がん看護,緩和ケア,学習理論,健康行動理論,Margaret A. Newman,健康

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本科目は看護学専攻 博士前期課程DP1:豊かな人間力、DP2:深化した専門的知識・技能と文理兼修による幅広い視野、DP3:多様な文化の理解とその共生に向けて行動できる能力に位置付けられる科目です。主領域の必修科目、他領域の選択必修科目の一つです。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
1)講義のほかに,学生の発表・質疑応答によって授業を進めていきます.
2)テキストや講義資料,学術論文を読み,その内容をまとめてレジュメを作成し発表します(第6回・9回・14回)
・日程
この授業は,原則として木曜日5・6校時,履修規程第6条による開講日の火曜日13・14校時に以下のテーマと順序で行います.
第1回  慢性病と医療の動向(講義)
第2回  慢性病・がん・緩和ケアに関する政策と課題(講義)
第3回  慢性期看護領域の研究の変遷と動向(講義)
第4回  超高齢社会における生涯学習の在り方(講義)
第5回  成人学習理論および高齢者の学習ニーズに基づく研究論文の査読(記述)
第6回  成人学習理論および高齢者の学習ニーズに基づく看護研究・教育・実践への課題(発表・討議)
第7回  健康行動の理論とその動向(講義)
第8回  健康行動理論に基づく研究論文の輪読(記述・グループワーク)
第9回  健康行動理論に基づく看護研究・教育・実践への課題(発表・討議)
第10回  Margaret A. Newman「健康の理論」テキストの輪読法(講義)
第11回  Margaret A. Newman「健康の理論」テキストの輪読(記述)
第12回  Margaret A. Newman「健康の理論」に基づく研究論文の輪読(記述)
第13回  Margaret A. Newman「健康の理論」に基づく研究論文による看護の課題(発表・討議)
第14回  Margaret A. Newman「健康の理論」を用いた自身の看護実践の振り返り(記述)
第15回  Margaret A. Newman「健康の理論」を用いた看護実践例の発表会(発表・討議)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)テキストを購入し,各章のレジュメをまとめるなどして活用する。
2)講義資料は,知識を深めるために関連事項や検索項目をメモするなどして活用する。
3)各課題をレポート用紙1枚にまとめて発表し,討議を行う.発表者以外の人は質問や意見を述べて参加する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)準備学修に必要な学修時間の目安は以下の通りです.
4時間/週 (注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学習を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。
2)テーマに関して,医学中央雑誌やPubMedを活用して論文を探し,内容がつかめるまで読み込んでおきましょう。
3)課題を発表する際には,概要をまとめた資料(レジュメ)を作成して,配布しましょう.。
4)討議によって得た知見をレジュメに加筆して,次回の授業で配布しましょう.

【成績の評価】
・基準
1)超高齢社会における慢性期医療の動向を背景に成人・高齢者の学習ニーズに関する課題が適切に説明できている.
2)健康行動理論に関する基本的な概念や用語を正しく理解している.
3)Margaret A. Newman「健康の理論」に関する基本的な概念や用語を正しく理解している.
4)看護実践(看護学実習も含む)や看護教育での事例をMargaret A. Newman「健康の理論」を用いて説明し,検討会で討議できている.
・方法
1)課題レポート 80点,発表の内容および討議への参加 20点
2)基準を満たしていないレポートは再提出を求めることがります.再提出は1度限りとします.

【テキスト・参考書】
・マーガレット・ニューマン,遠藤惠美子監訳:変容を生み出すナースの寄り添い,医学書院
・遠藤惠美子:希望としてのがん看護、医学書院
・遠藤惠美子,三次真理,宮原知子:マーガレット・ニューマンの理論に導かれたがん看護実践,看護の科学社
・メリアム、シャラン・B, 立田 慶裕他訳:成人学習理論の新しい動向,福村出版
・鈴木伸一:医療心理学の新展開,北大路書房

【その他】
・学生へのメッセージ
Newman理論を用いた看護研究を検索し、論文を精読すると理解が深められます。
・オフィス・アワー
1)火曜日18:00〜19:30(授業前) 木曜日10:30〜12:00,14:40〜17:00(武田研究室)
2)会議や出張等で不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします.連絡先は初回の講義でお知らせします。

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