成人・老年看護学演習Ⅶ
 Adult and Gerontological Nursing‐Seminar Ⅶ
 担当教員:武田 洋子(TAKEDA Yoko)
 担当教員の所属:医学系研究科看護学専攻臨床看護学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):看護師として実務経験のある教員が、その経験を活かし、がん看護・緩和ケア・循環器看護における具体的な健康課題について講義・実習を行う。
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:看護学専攻(博士前期課程)  科目区分:成人・老年看護学(慢性期) 
【授業の目的】
がん看護・慢性心不全看護を中心に,体験者のQOL・セルフケア・意思決定に関する理論・概念を理解し,看護介入の根拠や効果を評価するための基礎的な知識を得ることを目的とします.

【授業の到達目標】
1)がん体験者・慢性心不全療養者・家族に適用される理論・概念について説明できるようになる.
2)理論・概念を用いて,がん体験者の・慢性心不全療養者・家族のQOL・セルフケア・意思決定の看護介入について考察できるようになる.

【授業概要(キーワード)】
がん看護,慢性心不全,QOL,セルフケア,意思決定

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:51~75%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本科目は看護学専攻 博士前期課程DP1:豊かな人間力、DP2:深化した専門的知識・技能と文理兼修による幅広い視野、DP3:多様な文化の理解とその共生に向けて行動できる能力に位置付けられる科目です。主領域の必修科目です。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
1)配布される資料による講義を受け,自らも概説できるように疑問点や解釈の内容を質問して確認する。
2)講義テーマに沿って,提示された論文あるいは自ら検索して関心をもった論文を読み,レジュメを作成する。
3)各自が作成したレジュメに沿って発表し,論点を提示して全員で討議する。
・日程
この授業は原則として木曜日 3・4校時に以下のテーマと順序で行います.
第1回   HRQOL(Health related Quality of life)を考察し,がん体験者に適した評価を検討する.(講義)
第2回   HRQOLを考察し,慢性心不全療養者・家族に適した評価を検討する.(講義)
第3回   がん体験者・慢性心不全療養者 のHRQOLに関する論文をクリティークする.(記述)
第4・5回 がん体験者・慢性心不全療養者のHRQOLに効果的な看護介入について考察する(発表・討議)
第6回   自己効力感の概念を考察し,がん体験者・慢性心不全療養者に適した評価を検討する.(講義)
第7回   症状マネジメントモデルを考察し,がん体験者・慢性心不全療養者に適した評価を検討する.(講義)
第8回   セルフケアの概念を考察し,がん体験者/慢性心不全療養者に適した評価を検討する.(講義)
第9回   がん体験者・慢性心不全療養者のセルフケアに関する論文をクリティークする.(記述)
第10・11回 がん体験者・慢性心不全療養者のセルフケアに効果的な看護介入を考察する.(発表・討議)
第12回   意思決定の理論を考察し,がん体験者・慢性心不全療養者に適した評価を検討する.(講義)
第13回   がん体験者・慢性心不全療養者の意思決定に関する論文をクリティークする.(記述)
第14・15回 がん体験者・慢性心不全療養者の意思決定に効果的な看護介入を考察する.(発表・討議)
第16回   まとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)配布資料で示された講義内容・発表について,わからない箇所や異なる見解があれば質問をして知見を深める.
2)論文のクリティークでは,提示されたフォーマットを参考にレジュメを作成し,発表・討論に向けて準備する.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本授業科目では,以下の課題を課します.単位制度の実質化のため,授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください.
1)準備学修に必要な学修時間の目安は次の通りです.
4時間/週 (注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学習を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています.
2)各回の授業において,予習・復習レポートを課します.課題に沿って,レポート用紙1枚にまとめて提出できるよう,準備をしてください.
3)各自の関心領域・テーマの論文を図書館の医学中央雑誌やPubMedを利用して検索して入手し、クリティークをしてレジュメを作成しておきましょう.(第3回〜第5回,第9回〜第11回,第13回〜第15回)
4)講義や論文クリティークでわからないこと(研究方法・結果など)は,調べて記述しておきましょう.
5)討論後は,論点に関する意見のまとめ・疑問に対する答えなどを加筆し,次のゼミで配布しましょう.

【成績の評価】
・基準
1)論文のクリティークをレジュメとして記述できる.
2)講義のテーマについて発表ができ,討議に参加できる.
・方法
・レジュメの記述・発表内容:90点,討議への参加:10点

【テキスト・参考書】
この授業の参考書として,以下の著書を活用してください.図書館にない場合には,研究室で貸し出します.
・ピーター・M・フェイヤーズ,デビット・マッキン著,福原秀一,数間恵子監訳:QOL評価学―測定,解析,解釈の全てー,中山書店
・池上直己,福原俊一,下妻晃二郎,池田俊也:臨床のためのQOL評価ハンドブック,医学書院
・板野雄二,前田基成:セルフ・エフィカシーの臨床心理学,北大路書房
・本庄恵子,野月千春,本舘教子:セルフケア看護,ライフサポート社
・本庄けいこ,古川祐子,セルフケア研究会:セルフケア支援ガイド,ライフサポート社
・川崎優子:看護者が行う意思決定支援の技法30―患者の真のニーズ・価値観を引き出すかかわりー医学書院

【その他】
・学生へのメッセージ
・先行研究論文を通し,討議することで知見を深めていく楽しさを一緒に体験していきましょう.
・オフィス・アワー
1)月・金曜日の13:00〜14:30,水・木曜日はゼミの後(武田研究室)
2)会議や出張等で不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします.連絡先は初回の講義でお知らせします.

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