成人・老年看護学演習Ⅷ
 Adult and Gerontological Nursing(Chronic Care)‐Seminar Ⅷ‐
 担当教員:武田 洋子(TAKEDA Yoko)
 担当教員の所属:医学系研究科看護学専攻臨床看護学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):看護師として実務経験のある教員が、その経験を活かし、がん看護・緩和ケア・循環器看護における具体的な健康課題について講義・実習を行う。
 開講学年:1年,2年  開講学期:通年  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:看護学専攻(博士前期課程)  科目区分:成人・老年看護学(慢性期) 
【授業の目的】
この授業では、次の2つを目的とします。
1)慢性期看護(慢性疾患、がん、緩和ケア)に関する各自の関心領域のテーマに基づいた国内外の研究論文を論評する。
2)関心領域の研究の動向を概観し、研究方法および結果の信頼性・妥当性を検討することで、課題・問題を発見する能力と看護のエビデンスを検証する能力を養う。

【授業の到達目標】
1)看護研究論文を読み込み要約し,テキストや講義資料に基づいてクリティークをすることができるようになる.
2)関心領域の先行研究を読み込み,どこまでが明らかにされているか?課題は何か?などの結論づけができるようになる.
3)クリティークした先行研究を体系的に整理して,総括を記述することができるようになる.

【授業概要(キーワード)】
慢性期看護,慢性疾患,がん看護,緩和ケア,文献検索,クリティーク,システマティックレビュー,PRISMA声明

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:51~75%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本科目は看護学専攻 博士前期課程DP1:豊かな人間力、DP2:深化した専門的知識・技能と文理兼修による幅広い視野、DP3:多様な文化の理解とその共生に向けて行動できる能力に位置づけられる科目です。主領域の必修科目です。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
1)講義では,各自の関心領域を絞れるように,慢性期看護・がん看護・緩和ケアに関する研究およびトピックスを取り上げていきます.
2)文献検索,文献の選定方法は,PRISMA声明に沿って行うので,関連資料・論文を配布し説明していきます.
3)各自の関心領域から選んだ先行研究をクリティークし,テキストや講義資料を参考にしてレジュメを作成していきます.
4)クリティークの結果から,関心領域の現状と課題,疑問に対する答えなどを総括し,発表・討議を行います.
5)先行研究の総括をまとめていきます.
・日程
この授業は学生の学習状況に合わせて,水曜日5・6校時に以下のテーマと順序で行います.
前期(8回)
第1回  慢性期看護に関する研究の動向と課題(講義)
第2回  研究論文レビューの方法(講義)
第3回  研究論文のクリティークの方法(講義)
第4回  研究論文のクリティーク(記述)
第5・6回 論文輪読会(発表・討議)
第7回  PRISMA声明およびチェックリスト(講義)
第8回  レビュー論文の書き方(講義)
後期(8回)
第10・11回 海外論文のクリティーク(記述)
第12・13回 海外論文の輪読会(発表・討議)
第14回   関心領域の先行研究の総括(記述)
第15・16回 関心領域の先行研究の総括(発表・討議)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)テキストを購入し,テキストに沿って論文をクリティークしていく.
2)発表の際にはレジュメを作成し,文献とともに配布する.
3)討議で得た結論をレジュメに加筆し,次回の授業で配布する.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本授業科目では,以下の課題を課します.単位制度の実質化のため,授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください.
1)準備学修に必要な学修時間の目安は次の通りです.
2時間/週 (注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学習を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています.
2)各回の授業において,予習・復習レポートを課します.課題に沿って,レポート用紙1枚にまとめて提出できるよう,準備をしてください.
3)医学中央雑誌やPubMedを活用して文献検索し,PRISMA声明のチェックリスト(27項目)および4段階のフローチャートに則して,文献を選定しましょう.
4)研究論文は要約およびクリティークをして,レジュメを作成しておきましょう.
5)先行研究の総括が作成できるように,各自で文献検索・要約・クリティークを進めていきましょう.クリティークの内容は添削指導を受けることができます.

【成績の評価】
・基準
1)研究論文の内容を正確に要約している.
2)テキストの論文クリティークの方法に則って,研究論文をクリティークしている.
3)先行研究では,どこまでが明らかにされているか? 今後の課題は何か?を結論づけて記述している.
4)クリティークした先行研究を体系的に整理して,総括を記述している.
・方法
1)課題:関心領域先行研究の総括レポートの提出:100点
2)内容:
①関心領域(Research question)の研究論文を対象とし,文献選定のためのフローチャートを記述されている.
②概要および研究方法・結果をマトリックス方式で整理されている.
③看護支援への示唆,今回のレビューの限界について考察されている.
④レビューを通して明らかになったことを結論づけられている.
3)様式:1ページを1,800字とし,枚数制限はしない.
4)基準を満たしていないレポートは再提出を求めることがある.再提出は1度限りとする.

【テキスト・参考書】
・テキスト
・山川みやえ,牧本清子:研究手法別のチェックシートで学ぶ よくわかる看護研究論文のクリティーク
・参考書
・ジュディス・ガラード著,安部陽子 訳:看護研究のための文献レビュー マトリックス方式,医学書院
・イアン・K・クロンピー著,津富 宏 訳:医療専門職のための研究論文の読み方 批判的吟味がわかるポケットガイド,金剛出版
・康永秀生:必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則,金原出版
・前平謙二:アクセプト率をグッとアップさせるネイティブ発送の医学英論文,メディカ出版
・卓興鋼,吉田佳督,大森豊緑:エビデンスに基づく医療 (EBM)の実践ガイドライン―システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目(PRISMA声明).情報管理.54(5),254‒266(2011)

【その他】
・学生へのメッセージ
総括レポートは学会発表ができるように,指導を受けることができます.
・オフィス・アワー
1)前期は,月・金曜日の13:00〜14:30,水・木曜日はゼミの後(武田研究室)
2)後期は,水・木・金曜日の10:30〜12:00,13:00〜14:30(武田研究室)
3)会議や出張等で不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします.連絡先は初回の講義でお知らせします.

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