成人・老年看護学演習Ⅷ
 Advanced Adult and Gerontological Nursing-Practice Ⅷ
 担当教員:佐藤 和佳子(SATO Wakako),

 担当教員の所属:医学系研究科看護学専攻臨床看護学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):本演習担当領域に関する高度実践看護について、熟達した教育・研究および実践に関する高度の実績を有する。
 開講学年:1年,2年  開講学期:通年  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:看護学専攻(博士前期課程)  科目区分:成人・老年看護学(慢性期) 
【授業の目的】
1.複雑な問題を有する認知症高齢者が、急性期病棟、長期ケア施設、在宅でのあらゆる場において、適切な治療とケアが提供されるために必要な認
知症看護の知識基盤と高度実践看護(リスクアセスメント、高度実践、評価)の実際、生活機能を向上させるケアプロトコールを習得する。
2.認知症高齢者多職種連携チームの調整、連携を促進できる、老人看護専門看護師の高度な調整、コンサルテーション、教育活動の実際を習得する。

【授業の到達目標】
1.認知症看護の病態と治療、基本理論について説明できる。
2.認知症看護に必要な倫理について説明できる。
3.急性期治療を必要とし、認知症を有する高齢者の高度実践看護(リスクアセスメント、高度実践、評価)の実際について、説明できる。
4.認知症高齢者の家族への看護について、説明できる。
5.認知症高齢者多職種連携チームの調整、連携の必要性、調整の実際について、説明できる。


【授業概要(キーワード)】
認知症高齢者、病態と治療、基本理論、急性期・長期ケア・在宅における認知症看護の基本、リスクアセスメント、倫理調整、多職種連携

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
老年看護専攻教育課程看護高度専門職業人として豊かな学識と高い見識を獲得するために、多面的で実践的な教育を展開する。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
各講義のテーマごとに、担当講師が資料、PPTによる講義を行う。講義後半において、専門看護実習における具体的活用について考察を行い、学習成果をその都度確認できるように進めていく予定です。
・日程
第 1- 2回 認知症の概念と定義
第 3- 4回 高齢者生活機能包括アセスメントの実際と高度実践看護への応用
第 5- 6回 急性期病棟における、複雑な病態を有する認知症高齢者のリスクアセスメント(せん妄)と高度実践看護・評価
第 7- 8回 急性期病棟における、複雑な病態を有する認知症高齢者のリスクアセスメント(転倒)と高度実践看護・評価
第 9- 10回 急性期病棟の複雑な看護問題を有する認知症高齢者チームケアにおける、老人看護専門看護師連携・調整の役割、退院支援の実際
第11- 12回 認知症高齢者の人権擁護・成年後見制度の運用の実際、
複雑な背景を有する認知症高齢者と家族への相談・調整の実際
第13- 14回 複雑な背景を有する認知症高齢者の家族介護者への高度実践看護と
     ケアコーディネーション
第15- 16回 認知症高齢者生活機能向上を図るケアプロトコールの実際
第17- 18回 認知症高齢者生活機能向上を図るケアプロトコールの実際
     (排泄ケアマネジメント:病院・施設)
第19- 20回 認知症高齢者生活機能向上を図るケアプロトコールの実際
     (排泄ケアマネジメント:在宅)
第21- 22回 認知症高齢者の終末期看護における倫理調整の原則と高度実践看護
第23- 24回 認知症高齢者の高度実践看護事例検討
第25- 26回 認知症高齢者の高度実践看護事例検討
第27- 28回 急性期病棟に入院する、複雑な問題を有する認知症高齢者多職種連携
     チームケアにおける老人看護専門看護師の調整機能
第29- 30回 複雑な看護問題を有する認知症高齢者に関する老人看護専門看護師
     コンサルテーション・教育活動の実際

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義内容と実際の患者の状況とが連動でき、知識を活用できるように心がけ、各講師が提示する学習課題ついて、高度看護実践力として反映できるように、丁寧に考察をまとめましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
オムニバスの講義になりますので、講義開講前に、自身の講義参加計画について、
イメージできるようにしましょう。

【成績の評価】
・基準
認知症看護に画一的な正解はありません。自身が考えるケアの原理・哲学、具体的方法、ケアの質を保障する制度を具体的に説明できることを重視します。
・方法
各学習目標に対するレポート・討論による演習の参加姿勢、授業到達度に基づき評価します。

【テキスト・参考書】
中島紀恵子、太田喜久子、奥野茂代、他:認知症の人々の看護、第3版、医歯薬出版株式会社、2017. を基本テキストとして使用します。
そのほか、必要な資料やプリント、学生自身による作成資料を授業ごとに用い、授業進度、学生の理解に合わせて、適宜、提示します。

【その他】
・学生へのメッセージ
認知症看護の老年専門看護実習に向けて、幅広く、深く、認知症高齢者ご本人とご家族に寄り添える、知識基盤、倫理調整、高度看護実践力を整えていきましょう。
・オフィス・アワー
水曜日・木曜日、および必要時17時以降に事前調整

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