地域・在宅看護学演習Ⅲ
 Community Health and Home Health Nursing - Seminar Ⅲ
 担当教員:松田 友美(MATSUDA Yumi), 志田 淳子(SHIDA Junko)
 担当教員の所属:医学系研究科看護学専攻在宅看護学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):研究者として研究を継続している教員が、これまでの研究経験を通して研究推進能力の基礎形成のため指導する。
 開講学年:1年,2年  開講学期:通年  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:看護学専攻(博士前期課程)  科目区分:地域・在宅看護学 
【授業の目的】
在宅療養者およびその家族が健康と療養生活を継続できるような看護支援のために、看護アセスメントや実践方法に関する研究の推進能力を養う。関連する国内外の先行研究論文の検索や講読における批判的な読解を通し、研究計画能力の素地、在宅看護実践における問題解決能力を養うことを目的とする。

【授業の到達目標】
1.在宅療養者とその家族を取り巻く社会社会保障制度の現状と課題について説明できる。
2.医療機関と在宅における看護職の役割・課題を挙げ、その課題を解決するための方略を検討するための資料・情報を収集できる。
3.在宅療養支援における家族支援の方法を選択し検討できる。
4.在宅療養を支援するセルフケア支援の潜在的な課題に対する予防的介入のためにフィジカルアセスメントを含む看護アセスメントができる(根拠を持って説明できる)。
5.在宅療養者の自立支援・入退院支援についての情勢および現状が説明できる。
6.在宅療養を支える訪問看護と人材育成について課題を挙げることができる。
7.上記に係る英語論文の抄読とその内容をプレゼンテーションできる。

2.英語論文のabstract(抄録/要旨)を読解するため、図表の結果等の解釈を通して論文を抄読し、論理的整合性を理解する。

1.2.を通して、論文構成の概要を把握し、効果的なプレゼンテーションに必要なポワーポイント作成の実際を学ぶ。
1) 統計解析パッケージを用いて、データの入力・加工・分析の手続きを学ぶ
2) 効果的なプレゼンテーションに必要なパワーポイントの作成の実際を学ぶ。


【授業概要(キーワード)】
在宅療養者 家族支援 フィジカルアセスメント パートナーシップ エンパワーメント セルフケア支援 入退院支援 訪問看護 人材育成

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:51~75%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:51~75%

【科目の位置付け】
大学院で得た様々な知識や技術および思考力を統合し、研究計画および推進に向けての能力を育成する科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
広く文献を講読してゼミ参加準備を行う。参加者との討議により、研究の背景や研究課題、研究意義についての理解を深める。
授業日程の詳細は初回講義に連絡する。
前期
第1回~15回 下記の内容等に関する論文を検索・講読のための基礎知識、プレゼンテーション作成の講義で研究を公表するための批判的読解能力の視点を養う。
1)在宅療養者の看護過程におけるアセスメント
2)在宅療養のための家族のアセスメント
3)在宅療養者への看護実践におけるフィジカルアセスメント
4)在宅療養者のセルフケア能力評価と自立支援・状態悪化の予防的介入方法
5)在宅療養継続に向けてのアセスメント、自立支援・入退院支援
6)在宅療養を支える訪問看護および訪問看護師の役割、教育体制・人材育成について

後期
第1回~15回
英語論文を読解・作成するため、基礎的講義を受ける。
・論文講読および下記の演習を通して、図表の結果等の解釈を通して論文を抄読し、論理的整合性を理解する。前期・後期を通して、論文作成能力や効果的なプレゼンテーションに必要なポワーポイント作成の実際を学ぶ。
1)統計解析パッケージを用いて、データの入力・加工・分析の手続きを学ぶ
2)効果的なプレゼンテーションに必要なパワーポイントの作成の実際を学ぶ。

・日程
授業日程の詳細は初回講義に連絡する。初回の講義に出席できない場合は担当教員まで連絡すること。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義内でのディスカッションに積極的に参加し、自分の意見を述べること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
論文抄読に関して論文の選定は自立して行えるように課題を課す。講義中に論文の批判的抄読内容をプレゼンテーションできるよう準備して臨むこと。講義内でのディスカッションに積極的に参加できるよう、自分の意見を述べることができるよう学習をすすめた上で参加すること。

【成績の評価】
・基準
在宅療養者とその家族を取り巻く社会環境および医療機関と在宅の環境について、講義を通して得られた知識や思考に基づいて主体的に考察し、論述できることが合格の基準である。
・方法
演習に取り組む姿勢・課題(60点)、レポート(20点)、出席(20点)を総合して評価する。

【テキスト・参考書】
下記の教科書・参考書以外は資料または適宜、講義で指定する。
教科書・参考書:
・木下是雄:理科系の作文技術,中公新書,2003
・倉島保美:論理が伝わる「書く技術」パラグラフ・ライティング入門 講談社2012
・吉田寛輝:JMPによる医療統計 使い方から検定結果の解釈まで アトムス 2022
・牛島俊和,中山敬一:論文図表を読む作法 羊土社 2023
・臺有桂:ナーシング・グラフィカ地域・在宅看護論①地域医療を支えるケア,メディカ出版,2022
・河原加代子: 地域・在宅看護の実践 地域・在宅看護論2, 医学書院,2022

その他、適宜講義で提示する


【その他】
・学生へのメッセージ
研究の考察、思考を養うために多くの論文を批判的思考で読むことを望む。積極的主体的にゼミに参すること。
・オフィス・アワー
原則、開校日終了後
その他はアポイントをとり日時を調整すること。

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