【授業の目的】
物理学実験の基礎的な知識について学ぶ。放射線測定実験で取り扱う装置の原理や手法を中心に,様々な分野の物理学実験の基礎力を身につけることを目的とする。
【授業の到達目標】
(1) 放射線と物質の相互作用などの放射線測定原理,真空技術の基礎,実際の放射線測定器の設計や測定器に伴う計測回路の構造を理解し,収集したデータを正しく解析する能力を身につける。【知識・理解】 (2) 身についた放射線測定実験技術を通して物理実験全般を正しく行うことができる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
放射線と物質の相互作用,真空技術,材料工学,検出器,計測回路,誤差・統計処理
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は,物理学実験で使用される様々な測定技術を学ぶことを通して,「分野にかかわらず共通に求められる基盤的な素養,幅広い知識,多元的な視点・思考法を身に付ける」という理工学研究科博士前期課程理学専攻のカリキュラム・ポリシーを実現する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
放射線測定実験において重要である実験技術を複数のテーマで講義を行う。
・日程
講義内容は以下のとおり。(諸事情により一部オンデマンド/オンラインで実施される場合があります。) ・放射線と物質の相互作用/装置設計/真空技術(担当:田島靖久) 第1回目 放射線の起源及び種類・特徴 第2回目 物質の発光現象 第3回目 材料の性質と取り扱い 第4回目 真空技術 ・放射線検出器(担当:吉田浩司) 第5回目 シンチレーション検出器 第6回目 チェレンコフカウンター 第7回目 気体中の電子とイオンのふるまい 第8回目 ガスチェンバー ・計測回路の基礎と応用 (担当:郡司修一) 第9回目 線形素子と非線形素子 第10回目 デジタルIC 第11回目 検出器からコンピュータまで 第12回目 計測のトラブルシューティング ・確率分布と実験誤差 (担当:田島靖久) 第13回目 確率分布の性質と主な確率分布 第14回目 最尤法 第15回目 誤差の伝播と統計解析
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
配布資料,板書,パワーポイントで示されるスライド講義内容を読み取り,積極的に講義に参加,内容の理解に努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(1) 授業以外の学習時間の目安は4.5時間/週とされています。 (2) 記録した講義内容を読み直して復習し,系統的な理解ができるよう学習してください。 (3) 配付された資料中の例題は実際に解いてみましょう。 (4) 授業では多くの実用的な資料が配付されますので,適宜,参考文献,物理データ,カタログ,論文,大学・企業・実験プロジェクトのWEBサイトなどの原典にあたってください。
【成績の評価】
・基準
テーマごとのレポート課題により,放射線計測技術の基礎的な事項を適切に理解し,自分の知識として利用できることが合格の基準になる。
・方法
テーマごとに25点満点のレポート課題を提出する。4テーマ合計100点で評価する。
【テキスト・参考書】
参考書:Glenn F. Knoll “Radiation Detection and Measurement” (Wiley) 参考書:堀越源一 「真空技術」(東京大学出版会) 参考書:Richard Clinton Fernow “Introduction to Experimental Particle Physics” (Cambridge) 参考書:William R. Leo Techniques for Nuclear and Particle Physics Experiments (Springer)
【その他】
・学生へのメッセージ
物理学専攻以外の学生でも知っていてほしい物理学実験に関する基礎知識の講義です。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を各担当教員の研究室(田島・吉田:情報ネットワークセンター2階,郡司:理学部3号館3階B302)において,原則,授業終了後(木曜日)に1時間程度設けます。会議や出張等で不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は,各担当教員の初回の授業でお知らせします。
|