正標数の代数幾何学
 Algebraic Geometry in Positive Characterisitc
 担当教員:深澤 知(FUKASAWA Satoru)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年、2年、3年  開講学期:通年  単位数:2単位  開講形態:集中講義
 開講対象:地球共生圏科学専攻(博士後期課程)  科目区分: 
【授業の目的】
正標数の代数幾何学を理解すること、特に、標数零の幾何(通常の世界)と正標数の幾何との違いについて具体的な事例とともに理解することが目的である。

【授業の到達目標】
実際に、正標数の代数多様体およびその接空間の挙動を扱えるようになる。

【授業概要(キーワード)】
代数幾何、代数曲線、正標数、射影代数多様体、射影双対

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は地球共生圏科学専攻ディプロマ・ポリシー「高度な専門職従事者としての知識と技能」に関係する。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
最初に授業全般に関する資料へのアクセス方法を周知する。数学の論理を整理したノートを板書し、講義を進める。内容について、参加者で議論をする。
・日程
第1回:環の基礎事項の確認
第2回:体の基礎事項の確認
第3回:アフィン平面曲線:位相
第4回:アフィン平面曲線:関数と写像
第5回:アフィン平面曲線の局所的性質
第6回:射影平面曲線:位相
第7回:射影平面曲線:関数と写像
第8回:射影平面曲線の特異点、点射影
第9回:射影代数多様体:位相
第10回:射影代数多様体:関数と写像
第11回:射影代数多様体の基本性質
第12回:正標数射影幾何
第13回:射影双対性
第14回:ガロア点の定義と例
第15回:ガロア点に関する定理の紹介

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
板書される講義内容を必ず自分のノートにまとめること。講義中に証明を完全に理解できなくとも構わないが、その場で少しでも理解できるように努めること。講義中に質問をすることで、自分が何をわかっていないのか、明らかにしておくこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(1) (予習:目安 60分) 最初に周知する資料をつかって、次回の内容の命題を抑える。
(2) (復習1:目安 45分) 授業で分からなかった内容についてよく考える。参考書等も参考にする。
(3) (復習2:目安 45分) レポート課題に取り組む。

【成績の評価】
・基準
正標数における代数曲線および代数多様体の解析方法の習熟度を評価する。
・方法
平常点20点+レポート80点

【テキスト・参考書】
講義では使用しないが、代数幾何の知識を補いたい場合のため、次を挙げておく。
参考書:I.R. Shafarevich, Basic algebraic geometry, 1, Springer-Verlag, 1977.
参考書:梶原 健、 代数曲線入門、 日本評論社、 2004.
証明は書かれていないが、講義内容を感覚的に理解する上で次が参考になると思われる。
参考書:楫 元、 標数pの世界、 数理科学1994年3月号「代数幾何の広がり」、 pp.22-28.

【その他】
・学生へのメッセージ
正標数の手法を身につけるには、数学の論理を妥協なしに進めることが大切です。講義時間中に質問をするなど議論をする姿勢が求められます。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を、理学部2号館5階508室において、月曜日16:20~17:00の間に設けます。

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