【授業の目的】
この科目では,各地域の問題とその対策について,特に地域の主体(行政,企業,住民)の取組みに着目して理解を深めることを目的とする.
【授業の到達目標】
この科目を履修した学生は, (1)地域政策に関する具体的な事例を取り上げ,要点を整理して説明できる.【知識・理解】 (2)地域政策に関して自ら調査を行い,入手したデータを元に図表を作成し,説明することができる.【技能】 (3)他の受講生との議論を通し,課題の完成度を高めることができる.【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
地域政策,都市,都市問題,GIS
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
この授業は,社会文化システムコースの特別演習として,専門的な研究を遂行することができる深い知識と考え方の習得を目指すものである(社会文化システムコースのディプロマ・ポリシー DP2(1)). 本演習では,地域の問題を地域の主体の視点から捉え,自分なりの対策案を考察できるような「専門応用能力」の育成を目指す.現代の地域社会が抱える様々な課題について,特に地域の主体の視点から研究を進め,自身なりの提言を行うために必要な知識や能力を身に付けるために編成される科目である.
【SDGs(持続可能な開発目標)】
11.住み続けられるまちづくりを
【授業計画】
・授業の方法
この演習は対面形式で実施する予定である. (1)テキスト輪読 ・地域政策に関わる文献の精読や,その内容に関わる議論を通して,地域政策の研究における着眼点や成果のまとめ方を学ぶ. (2)調査報告 ・データのまとめ方について,演習を通して習得する. ・地域政策について,事例を挙げて報告,議論を行う.
・日程
第1回:ガイダンス 第2回:地域政策に関するテキスト輪読 地方制度について 第3回:地域政策に関するテキスト輪読 公共サービスの維持について 第4回:地域政策に関するテキスト輪読 個別の公共サービスについて 第5回:調査手法に関するテキスト輪読 行政への聞取り調査について 第6回:調査手法に関するテキスト輪読 企業への聞取り調査について 第7回:調査手法に関するテキスト輪読 個人への聞取り調査について 第8回:調査手法に関するテキスト輪読 アンケート調査について 第9回:作図演習① グラフや表の整形 第10回:作図演習② 地図の作成 第11回:GIS演習① ArcGISの基本操作 第12回:GIS演習② データの結合と分析 第13回:現地調査(聞取り調査,アンケート調査)の実践 第14回:調査報告における図表の活用方法についての議論および演習 第15回:調査結果の最終報告
定期試験は実施せず,最終評価はレポートで行う.
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
・輪読や作図演習,課題調査の発表は,自分でテーマを設定して行うものであるため,積極性が求められる. ・自分の考えを,他人に分かりやすく伝えるにはどうするか,自分の発表やそれに関する議論に加えて,他の学生の発表からも学ぶ.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・演習内で提示された課題に取り組む. ・演習で習得した技能を用い,自分の興味関心のあるテーマについて調査,整理する. ・演習で操作を習得したソフトウェアを用い,データ分析や作図を行う.
【成績の評価】
・基準
報告および議論への参加によって「主体的な参加の度合い」と「理解の度合い」を評価する.題材とした地域政策について,調査を基に図表を作成した上で的確に説明できることを合格の基準とする. また,レポート課題により「知識の習得の度合い」と「汎用的技能習得の度合い(論理的思考力,文章表現力)」を評価する.自身の発表内容について,他の受講生との議論を踏まえて完成度を上げ,より的確な説明ができていることを合格の基準とする.
・方法
1,授業内での報告および議論への参加 50点 2,レポート課題 50点 1,2の合計点で評価を行う.
【テキスト・参考書】
梶田 真・仁平尊明・加藤政洋編 2007.『地域調査ことはじめ ―あるく・みる・かく―』ナカニシヤ出版. 河端瑞貴 2022.『経済・政策分析のためのGIS入門 1:基礎 二訂版』古今書院.
【参考書】 神谷浩夫・梶田 真・佐藤正志・栗島英明・美谷 薫編著 2012.『地方行財政の地域的文脈』古今書院. 野間晴雄・香川貴志・土平 博・河角龍典・小原丈明編著 2017.『ジオ・パルNEO 地理学・地域調査便利帖 第2版』海青社. 橋本雄一 2022.『六訂版 GISと地理空間情報――ArcGIS Pro3.0の活用』古今書院. 半澤誠司・武者忠彦・近藤章夫・濱田博之編 2017.『地域分析ハンドブック Excelによる図表づくりの道具箱』ナカニシヤ出版.
【その他】
・学生へのメッセージ
・自分が興味関心を持つテーマだけでなく,他の学生が興味関心を持っているテーマについても知り,積極的に議論に参加してください. お互いのテーマの共通点,相違点とその要因を考えることで,更なる理解に繋がります. ・演習内で習得した技能を用い,自分が興味関心を持つテーマについて情報収集,図表作成をしてみてください.
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を本多研究室(人文社会科学部棟2号館3階325)において,火曜日15時から16時に設けます. 会議や出張等で不在にしていることもあるため,確実に面談したい場合は事前にアポイントメントを取ってください.メールアドレスは初回の授業で提示します.連絡はWebClassのメッセージ機能からでも構いません.
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