【授業の目的】
家族療法を中心に、ブリーフセラピー、家族アセスメント等について学んでいく。一般に、家族療法はケースを記述する際に用いる言葉や概念が、カウンセリング技法として一般的なクライエント中心療法や精神分析的心理療法等の個人療法とは若干異なる。そのため本講義では、まず家族臨床の実践を理解する前に、他の個人療法とは異なる独特なものの見方や概念、用語(システム論、社会構築主義)について概説する。また5回目以降、家族療法に関する事例を中心とした書籍を講読し、アセスメントの演習を行う。最後に、家族療法から派生したブリーフセラピー(家族療法、ナラティブセラピー含む)のワークショップを行い、演習を通して、ブリーフセラピーの理解を深める。
【授業の到達目標】
・家族療法やブリーフセラピーで用いられる特有の用語や概念、技法について説明できる。 ・ソリューション・フォーカスト・アプローチの理論や技法を理解したうえで、実践することが出来る。
【授業概要(キーワード)】
システム論、社会構成主義、家族療法、ロールプレイ
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本科目は公認心理師試験を受験するために必要な科目です。また臨床心理士試験を受験する際に必要なC群選択科目です。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
講義、文献購読、VTR視聴、ロールプレイ演習等により、家族支援の実際について学びを深めます。
・日程
第1回 イントロダクション 家族療法とは? 第2回 家族療法の成立と展開1―1980年以前の家族療法、家族療法の開拓者たち― 第3回 家族療法の成立と展開2―1980年以降の家族療法の展開、ブリーフセラピー、ナラティブセラピー― 第4回 家族療法の成立と展開2 第5回 家族療法の認識論1 システム論、サイバネティクス 第6回 家族療法の認識論2 社会構成主義とは? 第7回 家族療法の実際1―事例論文精読― 第8回 家族療法の実際2―事例論文精読― 第9回 家族アセスメント 第10回 学校システムへの介入 第11回 家族療法を体験する―ロールプレイ1― 第12回 家族療法を体験する―ロールプレイ2― 第13回 家族療法を体験する―ロールプレイ3― 第14回 ロールプレイの振り返り―個人療法との共通性と差異― 第15回 全体のまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
少人数の講義、演習になります。講義において不明な点は随時質問する等、積極的な学びを期待します。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
地域の心理支援に関するボランティア等にできるだけ積極的に参加してください。講義資料はあらかじめ目を通し、不明な点についてはあらかじめ調べる等、予習うをしてきてください。また、講義修了後は、復習し、理解を深める努力を心がけてください。
【成績の評価】
・基準
・討論への参加、発言内容、レポート課題が、心理臨床の基礎レベルに到達しているかどうか? ・家族療法やその展開としてのブリーフセラピー、ナラティブセラピーの概念や認識論を理解しているか? ・システム論的な認識論を臨床実践に活かせるレベルへと昇華させることができているか?
・方法
受講に取り組む姿勢及びレポート課題から、総合的に判断し、判定する。 出席:30% 受講態度(質疑応答等において、主体的、積極的に講義に臨んでいるか):70%
【テキスト・参考書】
参考書: 若島孔文・長谷川啓三編 『事例で学ぶ家族療法・短期療法・物語療法』 金子書房 日本家族心理学会編 『家族心理学ハンドブック』 金子書房 必要な資料は,随時配布する。
【その他】
・学生へのメッセージ
家族の支援に関する論文や文献に意欲的に目を通すようにしてください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に応じるオフィスアワーを佐藤研究室(地教1号館5階)において月曜日12:00-12:30の間に設けます。ただし、会議や出張等で不在にすることもあるために、確実に面談したい場合には、授業終了後、佐藤に予約を申し出てください。連絡先は初回の授業でお知らせします。
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