大脳生理学特論
 Cerebrophysiology
 担当教員:大村 一史(OMURA Kazufumi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:臨床心理学コース  科目区分:高度専門科目 
【授業の目的】
臨床心理学領域に関わる諸問題を、大脳生理学(認知神経科学を主に、生理心理学、神経心理学等を含む)の観点から講義することによって、基礎的知識の習得から臨床心理学領域で必要となる知識の獲得と、脳科学と臨床心理学をつなぐような研究や脳科学に基づく臨床心理学研究を理解する思考法の獲得を目的とする。

【授業の到達目標】
(1)臨床心理学領域における大脳生理学の位置づけと最新研究を中心に概観することによって、臨床心理学領域で必要な大脳生理学の基礎的な知識を習得することができる。【知識・理解】
(2)学習した大脳生理学の知識や科学研究の知見を実際の研究や臨床に応用できる。【技能】

【授業概要(キーワード)】
心理臨床、認知神経科学、生理心理学、神経心理学、科学的知識、アセスメント、介入

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
臨床心理学領域における基礎知識としての大脳生理学を学び、臨床心理学で対象とする心理病態の背景にある神経メカニズムを理解するものとする。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
1)前半は、パワーポイントによるプレゼンテーションを中心とした講義を行う。
2)後半には自らの研究につながるように、英語論文の講読を行う演習を組み合わせた講義を行う。
3)授業支援システムWebclassから事前に資料をダウンロード配布する。
・日程
第1回 臨床心理学のなかの脳科学:臨床心理学領域で脳科学の知識を学ぶ必要性について学習する。
第2回 脳神経系のしくみと働き:神経細胞のメカニズムを学習する。
第3回 脳神経系が実現する高次脳機能:脳機能のメカニズムを学習する。
第4回 生涯発達する脳:脳の発達過程を学習する。
第5回 情報処理システムとしての脳:脳の情報処理メカニズムを学習する。
第6回 脳と身体の関連:心身相関のメカニズムを学習する。
第7回 認知神経科学から迫る脳機能の異常:生理心理学および神経心理学を含む認知神経科学の基礎と応用を学習する。
第8回 脳波による脳機能計測:基本的な脳波測定を学習する。
第9回 論文講読と解説1:臨床心理学分野の脳研究に関する最新知見を学習する。
第10回 論文講読と解説2:臨床心理学分野の脳研究に関する最新知見を学習する。
第11回 論文講読と解説3:臨床心理学分野の脳研究に関する最新知見を学習する。
第12回 論文講読と解説4:臨床心理学分野の脳研究に関する最新知見を学習する。
第13回 論文講読と解説5:臨床心理学分野の脳研究に関する最新知見を学習する。
第14回 論文講読と解説6:臨床心理学分野の脳研究に関する最新知見を学習する。
第15回 論文講読と解説7:臨床心理学分野の脳研究に関する最新知見を学習する。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)関連科目に目を通しておく。
2)授業のポイントを押さえながら聴講する。
3)授業内容のポイントを中心にノートを整理してまとめる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)予習のあり方:事前配布の資料をよく読んでおくこと。
2)復習のあり方:授業で使用した資料をよく読み返し理解しておくこと。
3)その他:授業内容に関連する事項などを図書館やインターネットで調べてみること。

【成績の評価】
・基準
1)大脳生理学の基礎知識を理解し、正しく説明できること。
2)臨床心理学領域で扱う障害を理解し、その背景にある考え方を正しく説明できること。
3)授業を通して学得した知識を論理的に考察し、論述できること。
4)授業でおこなう活動に積極的・能動的に参画できていること。
・方法
1)議論への取り組み(20点)+ 英語論文の発表(80点)として、総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
1)テキスト:授業支援システムWebclassによりダウンロード配布
2)参考書:
・ピネル 2005 バイオサイコロジー 脳-心と行動の神経科学 西村書店
・服部環・海保博之 1996 Q&A 心理データ解析 福村出版
・松井豊 2006 心理学論文の書き方 河出書房新社
・宮谷真人・坂田省吾(代表編集) 2009 心理学基礎実習マニュアル 北大路書房
・南風原朝和 2002 心理統計学の基礎-統合的理解のために- 有斐閣アルマ
 その他、授業中に適宜紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
1)心の問題に関連することについて、常に問題意識を持って、多様な視点から考えることが大切です。
2)学習した知識を実際の臨床場面でどのように生かすことができるのかを考えながら受講しましょう。
・オフィス・アワー
1)金曜日12:10〜13:00に大村研究室(地域教育文化学部3号館5階)にて応じます。
2)その他講義で日時調整に柔軟に対応します。

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