数理統計学
 Mathematical Statistics
 担当教員:原 一夫(HARA Kazuo)
 担当教員の所属:理学部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
現代社会において,データの統計的および確率的な考察の需要は分野を問わず増加しています.データに基づき,数理的な妥当性を保証しながら,未来予測や過去分析・推測のための知識やルールを構築する能力は,現代科学を理解・推進する基礎の一つであると考えられます.本授業の目的は,そのために必要となる数理統計学の概念を身につけることです.

【授業の到達目標】
この授業を履修した学生は,
・データの算術平均,中央値,幾何平均の違いを説明できる.
・データを標準化できる.
・相関と回帰の違いを説明でき,データから相関係数や回帰式を計算できる.
・条件付き確率,同時確率,周辺化を用いて,逆確率を計算できる.
・複数の確率変数の和の分布を計算できる.
・複数の確率変数の独立性について説明できる.
・最尤法を用いて,確率モデルのパラメタをデータから推定できる.

【授業概要(キーワード)】
データの標準化,相関,回帰,逆向き推論,確率変数の独立性,確率変数の和の分布,点推定,区間推定,最尤推定

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本授業は,主に「データからの知識獲得」にまつわる課題について,数理統計学の観点から論理的に分析し,解決策を提案する力を身につけるためのものです.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
数理統計学に登場する専門用語や考え方を説明した上で,具体例の観察および計算を演習形式で行う予定です.
・日程
第1回 データセットを要約して比較する.
第2回 平均値は2乗誤差の和を最小にする値である.
第3回 データセットを標準化すると個々のデータを比較できる.
第4回 2つのデータセットに相関があるかどうかを調べる.
第5回 相関係数は−1以上+1以下の値を取る.
第6回 入力データから出力データを予測する.
第7回 まとめと中間テスト
第8回 検査陽性だったとき,実際に病気である確率を求める.
第9回 投げたコインが表だったとき,そのコインの表の出しやすさの確率分布を求める.
第10〜11回 離散型確率分布の平均と分散,連続型確率分布の平均と分散
第12回 コインの表の出やすさを点推定する(最尤推定).
第13〜14回 コインの表の出やすさを区間推定する(信頼区間の構成).
第15回 まとめと期末テスト

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
ウェブクラスで配布する予定のテキスト(pdf資料),および,エクセルファイルを活用してください.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業で取り扱う内容の予習・復習を行ってください.
ウェブや図書館で自分で調べる,または,他の受講者と議論することも推奨します.
なお,自主的な学修時間の目安は4時間/週です.
(注)大学設置基準では、1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが定められています.

【成績の評価】
・基準
日程欄に記載した内容に関わる計算および説明ができるようになること.具体的には,授業の到達目標欄に記載した内容ができるようになること.
・方法
2回のテスト(中間テスト30点,期末テスト50点を予定)と,テストの回以外にほぼ毎回提出していただく予定の「確認メモ」(各回2点を予定)の合計点で評価する予定です.得点が100点を超えた場合は最終的な成績を100点とします.

【テキスト・参考書】
テキスト(pdf資料)は,ウェブクラスで配布する予定です.参考書は授業のなかで提示する予定ですが,必ずしも購入する必要はありません.

【その他】
・学生へのメッセージ
各回の授業に参加した結果,「どこまで分かったか」「どこから分からなくなったか(どんなクエスチョンが新たに生まれたか)」を,ことばに直してメモ書きすることをおすすめします.
・オフィス・アワー
基本的には授業終了後から11:00までとしますが,随時,地教2号館4階434までどうぞ(事前にウェブクラスからメールでアポイントメントをとると確実です).

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