【授業の目的】
本授業の目的は,与えられたデータから意味のある情報を抽出する際に,行列計算・確率・微分がどのように活用されるかを理解することです.具体的には,データサイエンス・情報科学の主要なサブカテゴリである機械学習を,体験しながら学びます.本授業での機械学習の目的は,入力データ(説明変数)から出力データ(ターゲット変数)を予測するモデルを構築することです.本授業では,まず,線形モデルを紹介し,その後,より複雑なデータに適応できる非線形モデル(カーネル回帰,ニューラルネットワーク)へと発展させます.
【授業の到達目標】
この授業を履修した学生は, ・機械学習(回帰・分類)の目的を述べることができる. ・基本的な機械学習のアルゴリズムを理解できる. ・基本的な機械学習のコードを読むことができる.
【授業概要(キーワード)】
回帰・分類,過学習,カーネル法,勾配法,目的関数,最小値探索,対数尤度,線形・非線形,ニューラルネットワーク
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本授業は,主に「データからの知識獲得」にまつわる課題について,機械学習の観点から実践的に学ぶとともに,実践した結果を論理的に分析することで,解決策を提案する力を身につけるためのものです.
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
授業では Google Colaboratory を用いて教材にアクセスします.毎回,まず問題設定(入力データ,出力データ,予測モデル,目的関数など)を説明し,その後,解を導くアルゴリズムと Python による実装を解説します.最後に,コードの実行や数式の導出を含む演習を行います.
・日程
第1回 線形回帰 第2回 多項式回帰 第3回 多項式回帰+L2正則化 第4回 カーネル回帰 第5回 カーネルリッジ回帰 第6回 iterative solution による最小値の探索 第7,8回 iterative solution による線形回帰 第9回 線形回帰による電力需要の予測 第10,11回 ニューラルネットワークによる回帰 第12回 ロジスティック回帰による2値分類 第13回 多クラスロジスティック回帰による3値分類 第14回 ニューラルネットワークによる2値分類 第15回 まとめとテスト
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
本授業の教材は,Google Colaboratory からアクセスできます.授業前に,Google Colaboratory に書かれた内容をよく読み,コードを動かしてみることを推奨します.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
行列計算がメインとなるため,紙の上での行列計算,numpy を用いた行列計算の両方を,予習・復習することが,実践的な機械学習を深く理解するために必要となります. なお,自主的な学修時間の目安は4時間/週です. (注)大学設置基準では、1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが定められています.
【成績の評価】
・基準
機械学習の目的を理解し,実装されたコードを内容を理解しながら動かせること,アルゴリズムの背景にある数式を導出できることを,合格の基準とします.
・方法
1回のテスト(期末テスト80点を予定)と,テストの回以外にほぼ毎回提出していただく予定の「確認メモ」(各回2点を予定)の合計点で評価する予定です.得点が100点を超えた場合は最終的な成績を100点とします.
【テキスト・参考書】
本授業の教材は,Google Colaboratory からアクセスします.参考書は,授業のなかで提示する予定ですが,必ずしも購入する必要はありません.
【その他】
・学生へのメッセージ
各回の授業に参加した結果,「どこまで分かったか」「どこから分からなくなったか(どんなクエスチョンが新たに生まれたか)」を,ことばに直してメモ書きすることをおすすめします.
・オフィス・アワー
基本的には授業終了後から11:00までとしますが,随時,地教2号館4階434までどうぞ(事前にウェブクラスからメールでアポイントメントをとると確実です).
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