応用解析学
 Applied Analysis
 担当教員:方 青(FANG Qing)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
多くの自然現象は微分方程式で記述された数理モデルによって研究されている。微分方程式は基礎解析学、応用解析学および自然科学において基本的な地位を占める学問である。この授業では微分方程式の理論の基本を理解し、初等的な微分方程式の求積法について習得することを目的とする。

【授業の到達目標】
1) 1階と2階の常微分方程式の基本的な解法を修得することができる。
2) 常微分方程式の存在性・一意性およびその他の基礎定理を理解することができる。
3) 基本的な偏微分方程式の解法も修得することができる。
4) 数学ソフト(Wolfram(Mathematica)やMatlab)によって常微分方程式を解いてグラフ化することができる。

【授業概要(キーワード)】
常微分方程式、一般解、求積法、解の存在性と一意性、偏微分方程式、学生主体型授業

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、理学部ディプロマ・ポリシー「選択したコースカリキュラムの専門的知識を身に付け、その分野の先端的な研究内容を理解し、説明できる能力を身に付けている」に関連する。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
基本的に教室で対面授業を行い、(常)微分方程式の基本解法について詳しく講義を行う。ほぼ毎回20分間ぐらい時間を設けて演習問題を解いてもらう。時々レポートを課すことがある。
・日程
主要なテーマと順序は次の通りである。
第1回 ガイダンスと微分方程式の導入
第2回 変数分離形常微分方程式
第3回 完全微分形の微分方程式
第4回 1階線形常微分方程式
第5回 常微分方程式の解の存在性と一意性
第6回 様々な1階常微分方程式
第7回 MathematicaおよびMatlabによる微分方程式の求解と可視化
第8回 中間試験とその解説
第9回 1階連立系の線形微分方程式(斉次の場合)
第10回 1階連立系の線形微分方程式(非斉次の場合)
第11回 2階線形常微分方程式
第12回 質量-ばね-ダンパーシステムと2階定数係数線形微分方程式
第13回 波動方程式
第14回 固有値問題と波動方程式の初期値境界値問題
第15回 期末試験とその解説

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1) ノートをきちんと取って、講義内容の理解に努める。
2) 演習問題を取り組んで、多くの微分方程式を解くことにより理解を深めていく。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1) 1、2年生のときに学んだ微積分学と線形代数をよく復習しておくこと。
2) レポートと宿題は必ず行っておくこと。レポートの提出を求める。
自主的な学修時間の目安は4時間/週である。(注)大学設置基準で、1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められている。

【成績の評価】
・基準
微分方程式に関する基本概念や定理を正しく理解し、基本的な微分方程式を解けることを合格の基準とする。
・方法
出席などを考慮する平常点20点+レポート点20点+中間試験30点+期末試験30点

【テキスト・参考書】
教科書は指定しないが、下記の参考書を指定する。必要な資料やプリントを授業で配布する。
参考書:「微分方程式概論[新訂版]」、神保秀一著、サイエンス社、2018年
参考書:「常微分方程式入門ー基礎から応用へー」、俣野博著、岩波書店、2003年
参考書:「常微分方程式論」、柳田英二・栄伸一郎著、朝倉書店、2002年

【その他】
・学生へのメッセージ
1) 微分方程式は、理論を学ぶだけでも不十分、計算ができるだけでも不十分で、その両者が必要な学問である。
2) 授業に出席して講義を聴いて、毎回演習問題をしっかり行うことが大切である。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を方研究室(理学部1号館5階526室)において水曜日の16:00~16:30の間に設ける。会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いする。連絡先は、初回の授業でお知らせする。

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