【授業の目的】
本講義ではランダムヤング図形に対する大数の法則を述べることが目標である。組合せ論・表現論・確率論が交わる分野である。 講義の前半では表現論と表現の指標を中心に、今世紀に入ってから得られた指標の表示式「スタンレーの指標公式」について、初等的な組合せ論を通じて学ぶ。 後半はランダムヤング図形の研究の基本道具として、確率分布の自由キュムラントやケロフ多項式を学習する。組合せ論から確率論まで走る理論展開に触れ、幅広い数学に触れることができる。
【授業の到達目標】
(1) 対称群の表現論に触れ、表現とは何かを理解し、簡単な表現や指標の計算が自分でできる。【技能】 (2) (自由)確率論に登場する基本的な確率分布の期待値等を解析的に計算できる。【技能】 (3) ランダムヤング図形の大数の法則の証明の概要を説明できる。【知識・技能】
【授業概要(キーワード)】
対称群、表現論、組合せ論、確率論、ヤング図形、キュムラント
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、理学部ディプロマ・ポリシー「選択したコースカリキュラムの専門的知識を身に付け、その分野の先端的な研究内容を理解し、説明できる能力を身に付けている。」に関連する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
講義資料を配布する。それに沿って、授業は次の二つの形で進める。 (1)講義: 授業時間内に用語や定理の主張・証明を解説する。 (2) 演習:授業時間内に演習の時間を設ける。 適宜、受講生から質問やコメントを受け付ける時間を設ける。
・日程
第1回 ヤング図形 第2回 対称群の表現 第3回 スタンレーの指標公式 第4回 指標公式の証明 第5回 コーシー変換 第6回 自由キュムラント 第7回 ケロフ推移測度 第8回 プランシェレル測度の極限形状
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義の資料を配布予定である。それを読むことと板書することにより内容の理解に努める。演習の時間は積極的に手を動かし、わからないところがあれば質問をする。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
各回につき2時間程度の復習が望ましい。集中講義なので、短期間に集中して勉強するようにしよう。
【成績の評価】
・基準
授業で提示した内容について、具体例をしっかり理解し、計算できるようになることを合格の基準とする。
・方法
最終的なレポート(100%)により評価する。
【テキスト・参考書】
特に指定はしないが、他の講義で用いている代数学、複素解析学、確率論のテキストは有用である。
【その他】
・学生へのメッセージ
聞き慣れない単語が多い授業かもしれませんが、まずは易しい組合せ論から触れていきます。組合せ論から確率論まで色々な話題が出るので、多くの人に受講してもらいたいです。また、できるだけ予備知識を仮定しないで授業を進めます。
・オフィス・アワー
授業に関する学生からの質問は、各回の授業終了後または開始前に受け付けます。
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