物理化学Ⅱ
 Physical Chemistry II
 担当教員:亀田 恭男(KAMEDA Yasuo)
 担当教員の所属:理学部非常勤講師
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理学部理学科  科目区分:理学専門科目(化学コース) 
【授業の目的】
分子軌道計算および分子動力学計算ソフトウェアを使って、分子の最安定構造、分子軌道、分子集合体の短距離構造および微視的運動状態等について専門的な知識を得る事を目的とする。

【授業の到達目標】
(1)分子および分子集合体の最安定構造を求める事ができる。【知識・理解】【技能】
(2)分子軌道の計算およびNMR、IRスペクトルを求める事ができる。【知識・理解】【技能】
(3)分子動力学シミュレーションにより液体や溶液の短距離構造を求める事ができる。【知識・理解】【技能】

【授業概要(キーワード)】
量子化学計算,分子軌道,分子動力学シミュレーション,学生主体型授業

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%

【科目の位置付け】
この授業では、理学についての深い知識を修得し、自己の中に体系化することにより、幅広い視野と探究心を持つ(理学部ディプロマポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任

【授業計画】
・授業の方法
分子の物理化学的性質について総合的に説明できるようになるため、分子軌道、分子の最安定構造、赤外スペクトルおよびNMRスペクトルの理論計算や、分子集合体を扱う分子動力学計算について、演習を通じて体系的・理論的に学習します。
・日程
第1回:ガイダンス
第2回:量子化学ソフトウェアの説明、原子軌道の計算
第3回:二原子分子の分子軌道計算、結合性分子軌道と反結合性分子軌道
第4回:水分子の分子軌道計算、赤外吸収スペクトル、紫外可視吸収スペクトルの計算
第5回:π軌道を含む分子の量子化学計算
第6回:分子クラスターの量子化学計算
第7回:第1回~7回までの授業のまとめ
第8回:溶媒和イオンの量子化学計算
第9回:分子動力学計算の基礎
第10回:分子動力学計算ソフトウェアの説明
第11回:液体水の分子動力学計算
第12回:平均二乗変位の導出
第13回:二体相関関数の導出と液体構造の考察
第14回:複雑な溶質、溶媒を含む溶液系の分子動力学計算
第15回:第8回~14回までの授業のまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
毎回実習により授業を進めますので、各自が積極的に実習に取り組む事が何より重要です。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
量子化学計算ソフトは、情報ネットワークセンター実習室のパソコンから利用することができます。授業時間外も積極的に量子化学計算に各自取り組んでください。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した「分子および分子集合体の最安定構造を求める事ができる」「分子軌道の計算およびNMR、IRスペクトルを求める事ができる」「分子動力学シミュレーションにより液体や溶液の短距離構造を求める事ができる」これ等を評価基準とします。
・方法
毎回の授業後に授業で行った実習結果をまとめたレポート(15回分で合計100点)で評価します。

【テキスト・参考書】
アトキンス「基礎物理化学」上・下巻(千原秀明、稲葉章 訳:東京化学同人SCIGRESS 計算化学統合プラットホーム Ver.3 ユーザーズガイド(富士通))

【その他】
・学生へのメッセージ
授業では化学的に重要な量子力学計算等を実際にパソコンを用いて実習しますので、必ず出席してください。
・オフィス・アワー
非常勤のためオフィスアワーはありません。質問等はメール(kameda@sci.kj.yamagata-u.ac.jp)で送ってください。

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