有機化学Ⅳ
 Organic Chemistry IV
 担当教員:村瀬 隆史(Murase Takashi)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理学部理学科  科目区分:理学専門科目(化学コースカリキュラム) 
【授業の目的】
有機化学I〜IIIの学習内容を復習し、その知識を定着させることを目的とした問題演習を行う。有機化学IVでは、合成問題に取り組む際に重要となる「逆向きに考える」手法として知られる逆合成解析について説明する。有機反応を電子レベルで理解・思考できることを目的とする。

【授業の到達目標】
1.逆合成解析の考え方と方法を説明できる。【知識・理解】
2.標的分子の効率的な合成法を考案できる。【知識・理解】
3.電子の移動を表す巻矢印を用いて、反応機構を論理的に説明できる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
逆合成解析,シントン,有機電子論,反応機構

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
この授業は、有機合成化学に関する問題を解答することで、有機合成化学の専門的知識を定着させ、分子を対象とする幅広い分野を理解するための基盤を築くことを目的とする。(理学部ディプロマ・ポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
下記の授業計画に従い、講義形式で授業を進める。「標的分子をどのように合成するか」を題材とし、カルボニル化合物の合成に焦点を当てた問題演習とその解説を行う。さらに、課題レポートや実力テストを通じて、知識の定着度を確認し、学習内容の理解を深める。

・日程
第1回目 1,3-ジオキシ化合物の合成(1)
第2回目 1,3-ジオキシ化合物の合成(2)
第3回目 1,3-ジオキシ化合物の合成(3)
第4回目 1,5-ジカルボニル化合物の合成(1)
第5回目 1,5-ジカルボニル化合物の合成(2)
第6回目 1,5-ジカルボニル化合物の合成(3)
第7回目 1,2-ジオキシ化合物の合成(1)
第8回目 1,2-ジオキシ化合物の合成(2)
第9回目 1,2-ジオキシ化合物の合成(3)
第10回目 1,4-ジオキシ化合物の合成(1)
第11回目 1,4-ジオキシ化合物の合成(2)
第12回目 1,4-ジオキシ化合物の合成(3)
第13回目 1,6-ジカルボニル化合物の合成(1)
第14回目 1,6-ジカルボニル化合物の合成(2)
第15回目 実力テストとまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
実際に自分の手を動かし、分子構造を描きながら考える姿勢を重視する。また、板書の内容をノートに筆記することが求められる。本授業の学習内容は、有機化学I〜IIIで学んだ内容を理解していることを前提としているため、必要に応じて復習しながら受講することを強く推奨する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業内で行う演習だけでは十分ではないため、各自で追加の演習問題に取り組むことが求められる。授業内容をより深く理解するために、YouTube等で公開されている大学レベルの有機化学の講義動画を積極的に活用することを推奨する。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示したように、標的分子の効率的な合成法を考案できることを合格の基準とします。有機反応を丸暗記するのではなく、電子の移動を表す巻矢印を用いて記述された反応機構を正確に理解できる必要があります。
・方法
授業の進行に合わせて課題レポートの提出を求めます。
最終成績評価:課題レポートの結果(60%)+実力テストの結果(40%)

【テキスト・参考書】
テキスト:テキストは特に指定せず、板書を中心に授業を展開します。講義資料や演習問題のプリントは随時配布します。
参考書:「有機化学 改訂3版」(奥山格・石井昭彦・箕浦真生 著、丸善)、「有機化学 改訂3版 問題の解き方」(奥山格 著、丸善)、「有機合成の戦略 逆合成のノウハウ」(C.L.ウィリス、M.ウィルス 著、富岡清 訳、化学同人)、「プログラム学習 有機合成化学」(S.ウォーレン 著、野村祐次郎、友田修司 訳、講談社)、「有機化学演習 基本から大学院入試まで」(山本学・伊与田正彦・豊田真司 著、東京化学同人)

【その他】
・学生へのメッセージ
有機化学は、基本事項を理解し、電子の流れに基づいて考えることで、さまざまな場面で応用可能な学問です。実際に自分の手を動かし、分子構造を描きながら考えることを心がけてください。有機合成化学は、経験や直感に頼るものではなく、論理的に考える学問であることを実感できるはずです。質問・相談は随時受け付けますので、気軽にお声がけください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を担当教員居室(理学部1号館3階323号室)において、原則、火曜日の16:30~17:30としますが、これに限らず在室している時は随時対応します。

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