無機化学Ⅲ
 Inorganic Chemistry III
 担当教員:崎山 博史(SAKIYAMA Hiroshi),石崎 学(ISHIZAKI Manabu)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
無機化学分野における基本的な概念や理論への理解を深め、また、その応用的な内容に触れることを目的とする。具体的には、無機化学I、無機実験IIで学習した基礎的知識を発展させ、「有機金属錯体に関する理解」と「無機化学と生体化学の理解」について幅広く学習します。

【授業の到達目標】
1) 遷移金属イオンと配位子の軌道の重なりから有機金属錯体の構造を整理・理解し、有機金属錯体の反応性について適切に説明できる。【知識・理解】
2) 生体内での金属元素の働きを理解し、金属酵素や金属タンパク質の構造と働きについて説明できる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
有機金属錯体、π酸性配位子、18電子則、金属酵素、金属タンパク質

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
化学の専門的知識を身に付け、その分野の先端的な研究内容を理解・説明できる能力を身に付け(理学部ディプロマ・ポリシー DP7)、また、その専門的知識を自己の中に体系化し、幅広い視野と探究心を身に付けるため、無機化学I、無機化学II、無機化学実験と相互に連携した総合的な授業の位置付けです。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
02.飢餓をゼロに
03.すべての人に健康と福祉を
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
テキスト等を利用して作成した資料をプロジェクターに投影し、講義形式で進めます。教員からの一方通行の授業でなく、適宜、学生に向けての質疑応答を求めることがあります。
・日程
第1回 有機金属化合物と18電子則
第2回 有機金属化合物の電子構造とウェルナー型錯体との違い
第3回 配位子の供与電子数と配位構造
第4回 エチレン錯体、シクロペンタジエン錯体
第5回 水素分子の結合と酸化的付加・還元的脱離反応
第6回 水素脱離反応と光反応
第7回 触媒反応
第8回 第1~7回の授業に関する到達度試験とまとめ
第9回 生体における金属元素の役割
第10回 生体におけるヘムの活用
第11回 金属酵素による活性酸素の消去
第12回 金属タンパク質による酸素運搬
第13回 植物の酸素発生
第14回 金属酵素による窒素固定と加水分解
第15回 第9~14回の授業に関する到達度試験とまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
プロジェクターによる説明を整理し、その理解に努め、質疑応答にも積極的に参加すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
次回の講義までに、適宜、webclassにアップロードした資料、テキスト・配布物・講義ノートを活用して必ず復習をすること。また、テキストや、参考書による検索も含め、予習することを勧めます。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示したように、前半では、遷移金属イオンと配位子の軌道の重なりから有機金属錯体の構造を整理・理解し、有機金属錯体の反応性について適切に説明できることを合格の基準とします。
後半では、生体内の金属元素の働きについて理解するとともに、金属酵素や金属タンパク質の活性中心の構造と機能を理解し、適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
前半、後半、計2回の到達度試験を実施し、それぞれ50点の合計100点で評価します。

【テキスト・参考書】
テキストとして、「基本無機化学」第3版(荻野・飛田・岡崎 著:東京化学同人)を用います。適宜、他の参考書を挙げながら授業を進めていきます。
後半は、テキストとして「生体における金属錯体」(崎山博史:生協電子書籍)を用い、「基本無機化学」11章 生物無機化学を参考にします。

【その他】
・学生へのメッセージ
他の無機化学系の授業(無機化学I、無機化学II)や無機化学実験を含め、体系的・発展的な理解ができるようになることが重要です。
・オフィス・アワー
石崎:授業時間外に質問に答える「オフィス・アワー」は、石崎研究室(理学部2号館2階207室)において、原則、昼休み12時00分~12時50分としますが、これに限らず在室しているときは随時対応します。会議・出張等で不在にすることもあるため、面談したい場合は事前に予約をお願いします。
崎山:授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は、崎山研究室(理学部2号館2階206室)において、授業がある日の昼休み(12時~13時)としますが、これに限らず9時から17時の間で在室している時は随時対応します。

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