【授業の目的】
化学反応のメカニズムを解析する際、化学反応の速度に関する知識が必要となる。本授業では化学反応速度の速度式の取扱いや、速度定数を支配する因子などを解説し、化学反応の速度と機構の理解を目的とする。また、反応速度の測定にに対する機器分析法の利用法の理解を目的とする。
【授業の到達目標】
1)化学反応メカニズムと速度式との関係を説明できる【知識・理解】 2)速度式から化学種の濃度と時間との関係を導くことができる【知識・理解】 3)化学反応とエネルギー変化の関係について説明できる。【知識・理解】 4)反応追跡を分光分析などを用いて行う場合の実験手法と速度解析法について説明できる【技能】
【授業概要(キーワード)】
化学反応速度,反応メカニズム,エネルギー論
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:51~75% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
化学コースカリキュラムの専門的知識を身に付け、その分野の先端的な研究内容を理解し、説明できる能力を身に付けるのみならず、化学コースカリキュラム以外の幅広い理学の基礎的知識を身に付けるための講義科目として位置付けられる(理学部ディプロマポリシー 3 (2))
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
授業の方法 ・スライドに書き込みながら講義を進める。 ・スライドはWebclassにアップする。 ・授業中に適宜、問いかけをし、学生自身の解答をノート等に記録させ、講義内容の理解を深めてもらう
・日程
第1回目 ガイダンス:講義の進め方、化学反応とは 第2回目 反応のエネルギー論 第3回目 反応速度について 第4回目 反応速度式の取り扱い:1次反応速度式 第5回目 反応速度式の取り扱い:1次反応速度式を判定する実験的手法 第6回目 反応速度式の取り扱い:2次反応速度式 第7回目 反応速度式の取り扱い:可逆1次速反応速度式 第8回目 反応速度式の取り扱い: 逐次反応速度式、定常状態近似 第9回目 ミカエリス・メンテン型速度式 第10回目 併発反応速度氏 第11回目 反応エネルギー論1 第12回目 反応エネルギー論2 第13回目 反応エネルギー論3 第14回目 反応エネルギー論4 第15回目 まとめと期末試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
反応速度の解析には、基礎的な微分・積分や対数計算が必要です。これらを高校の教科書などで、復習しておくこと。また、様々な数式の導出過程を辛抱強く、フォローすること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業計画を基に、教科書・参考書を用いて予習しておくこと。また、WebClassにアップする資料を参考に、適宜復習すること。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した、少なくとも(1)化学反応と速度式との関係を説明できる。(2)速度式から化学種の濃度と時間との関係を導くことができる。(3)化学反応とエネルギー変化について説明できるところまでを合格の基準とする。
・方法
期末試験の結果(100点)で評価する。
【テキスト・参考書】
「参考書」 数学いらずの化学反応論-反応速度の基本概念を理解するために- 斎藤勝裕著、“反応速度論-化学を新しく理解するためのエッセンス”、(三共出版、1998) ピーター・テビット著 化学を学ぶ人の基礎数学(化学同人、1997)
【その他】
・学生へのメッセージ
化学反応速度論は、化学反応の設計、触媒開発や酵素反応解析に欠かせない理論体系です。化学反応が実際どのような過程で起こるのかを解明するのは、実験と理論とが相補的に必要であることを理解してほしい。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィスアワー」を理学部棟2号館1階104号室において、平日10:00~17:00に設けます。
|