【授業の目的】
有機化学Iと有機化学IIの学習内容を基盤として、有機化学IIIでは、主に不飽和脂肪族化合物と芳香族化合物の性質や反応性を説明する。有機化学実験(3年・前期)や今後の有機化学の学習に必要な基本事項を整理し、有機反応を電子レベルで理解・思考できることを目的とする。
【授業の到達目標】
1.芳香族求電子置換反応における置換基の効果を説明できる。【知識・理解】 2.カルボニル化合物が求核種として働く反応を説明できる。【知識・理解】 3.アルケンが求電子種として働く反応を説明できる。【知識・理解】 4.電子の移動を表す巻矢印を用いて、反応機構を論理的に説明できる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
誘起効果,共役効果,立体化学,有機電子論,反応機構
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、不飽和脂肪族化合物、カルボニル化合物、芳香族化合物の性質や反応性に関する知識を修得し、分子を対象とする幅広い分野を理解するための基盤を築くことを目的とする。(理学部ディプロマ・ポリシー)
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
下記の授業計画に従い、講義形式で授業を進める。単元テストは再挑戦可能とし、理解が不十分なまま最終の実力テストに臨むことがないよう配慮しながら進行する。
・日程
第1回目 アルケンとアルキンへの付加反応(1) 第2回目 アルケンとアルキンへの付加反応(2) 第3回目 芳香族求電子置換反応(1) 第4回目 芳香族求電子置換反応(2) 第5回目 芳香族求電子置換反応(3) 第6回目 単元テスト(1)と学習内容の再確認 第7回目 エノラートイオンとその反応(1) 第8回目 エノラートイオンとその反応(2) 第9回目 エノラートイオンとその反応(3) 第10回目 求電子性アルケンと芳香族化合物の求核反応(1) 第11回目 求電子性アルケンと芳香族化合物の求核反応(2) 第12回目 単元テスト(2)と学習内容の再確認 第13回目 ペリ環状反応(1) 第14回目 ペリ環状反応(2) 第15回目 実力テストとまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
実際に自分の手を動かし、分子構造を描きながら考える姿勢を重視する。また、板書の内容をノートに筆記することが求められる。本授業の学習内容は、有機化学実験(3年・前期)と連動しているため、有機化学実験の履修を強く推奨する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業内で行う演習だけでは十分ではないため、各自で追加の演習問題に取り組むことが求められる。授業内容をより深く理解するために、YouTube等で公開されている大学レベルの有機化学の講義動画を積極的に活用することを推奨する。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した有機化合物の性質や反応性について、有機電子論に基づいて適切に説明できることを合格の基準とします。有機反応を丸暗記するのではなく、電子の移動を表す巻矢印を用いて記述された反応機構を正確に理解できる必要があります。
・方法
各単元テストで70点以上の成績を修めていることを前提とします(単元テストは再挑戦可能)。 単元テストの評点は、本試験および再試験の両方を考慮します。 最終成績評価:単元テストの結果(70%)+実力テストの結果(30%)
【テキスト・参考書】
テキスト:「有機化学 改訂3版」(奥山格・石井昭彦・箕浦真生 著、丸善) 参考書:「有機化学 改訂3版 問題の解き方」(奥山格 著、丸善)、「困ったときの有機化学 第2版 上」(D.R.クライン 著、竹内敬人・山口和夫 訳、化学同人)、「困ったときの有機化学 第2版 下」(D.R.クライン 著、竹内敬人・山口和夫・木原伸浩 訳、化学同人)
【その他】
・学生へのメッセージ
有機化学は、基本事項を理解し、電子の流れに基づいて考えることで、さまざまな場面で応用可能な学問です。実際に自分の手を動かし、分子構造を描きながら考えることを心がけてください。授業では、反応の各ステップを丁寧に解説します。また、有機化学の理解を助ける補足プリントを多数準備しています。質問・相談は随時受け付けますので、気軽にお声がけください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を担当教員居室(理学部1号館3階323号室)において、原則、火曜日の16:30~17:30としますが、これに限らず在室している時は随時対応します。
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