【授業の目的】
あらゆる生物を研究するときに必須となるゲノム・クロマチン・染色体・細胞核の構造に関する基礎知識を身につけるとともに、最先端の合成生物学を駆使した人工共生細胞の研究を学び、生物学の広い視野の知見を学習することを目的とする。また、ヒトや植物の遺伝現象に関する事項も取り上げて解説するので、将来、結婚・出産・子供の養育をするとき、もしくは倫理的な社会問題に直面したときに、遺伝学的立場から冷静に物事が考えて科学的な判断ができるようになることを目的とする。対話式及び参加型講義も取り入れるので、能動的学習姿勢を修得することを目的とする。さらに、現代の生物学を理解するために必須となった、エピジェネティクス制御、植物の分化全能性、再分化・脱分化メカニズム、イメージング技術、合成生物学の最先端の生物学的研究を理解することを目的とする。
【授業の到達目標】
1)クロマチン、染色体、細胞核の構造が説明できるようになる。 2)エピジェネティックスの概念を説明できるようになる。 3)合成生物学の研究概念を理解できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
細胞核、ゲノム、クロマチン、染色体、エピジェネティックス、イメージング、合成生物学、人工共生細胞、光合成
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
生物学の諸分野で共通に求められる基盤的な素養,幅広い知識,多元的な視点・思考法を身に付けるための科目である(理学部カリキュラムポリシー1, 2に準拠)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントと配布資料を使った講義形式により実施する。
・日程
第1回: 細胞内のミクロコスモス・細胞核の構造 第2回: クロマチンと染色体構造の特徴 第3回: ヒトの遺伝病と染色体異常 第4回: 染色体再編成 美味しい果物やサーモンが食べられる訳 第5回: エピジェネティックスI 親が受けたストレスは子供に影響するか? 第6回: エピジェネティックスII 脳がない植物は記憶するか? 第7回: 光で生命現象に迫るイメージング 第8回: 地球上にない人工細胞を創り出す合成生物学
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
本講義は、遺伝学I、,遺伝学II,細胞生物学I、細胞生物学IIで扱った事項が十分に理解されていることを前提に進める。受講にあたっては、上記講義で学んだことを必ず復習しておくこと。パワーポイントスライドで示される講義内容を配布プリントやノートに筆記して内容の理解に努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
随時質問を受け付けるので、不明な点は必ず解決する。各授業で小テストを用意するので、その問いの意図を含めて理解できるように整理する。その際に、学んだ内容を関連付けながら再構築する。
【成績の評価】
・基準
1)クロマチン、染色体、細胞核の構造が説明できることを合格の基準とする。 2)エピジェネティックス研究と合成生物学研究の例を説明できることを合格の基準とする。
・方法
講義中の小テスト60%、授業への取り組み40%
【テキスト・参考書】
特になし
【その他】
・学生へのメッセージ
生物学の基本的知識から身の回りの遺伝的現象やエピジェネティクスの例を楽しく勉強しましょう。最後に光合成人間は可能かどうかお話します。
・オフィス・アワー
集中講義時間中は随時、それ以外の時間帯は基本的に宮沢が対応します。
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