【授業の目的】
生殖器の構造と機能、および生殖器疾患の病態生理、原因、診断と治療について理解することを目的とする。 与えられた症例(週1例、計2例)を通じた少人数グループによる問題基盤型学習(problem-based learning、 PBL)により、また講義を基にして自主的な学習を進めることにより生殖器系に関わる臓器の構造と機能を理解し、主な生殖器疾患の病態生理、原因、診断と治療について理解を深めることを目的とする。
【授業の到達目標】
生殖器の正常構造と機能を理解し、説明できる。【知識・理解】 主な生殖器疾患の病態生理、原因、症候、診断と治療を理解し、説明できる。【知識・理解】 性感染症の疫学、病態生理、診断と治療を理解し、診断と治療に必要な病原微生物、感染臓器と治療薬の関係性を理解し、説明できる。【知識・理解】 女性の各年代における精神保健上の問題について理解し、説明できる(行動科学)。【知識・理解】 思春期の生理的成長・発達とその異常の特徴および精神・社会的な問題を理解し、説明できる(行動科学)。【知識・理解】 女性の生殖器疾患の疫学や治療について、予防医学の観点も含めて国際的な動向を理解し、説明できる。(国際社会への貢献(国際化))【知識・理解】 主な女性生殖器疾患の診断と治療について討議することができる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
生殖器、思春期、月経異常、更年期、不妊症、生殖器疾患、腫瘍性疾患、性感染症、学生主体型授業(アクティブラーニング)
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目> 1 プロフェッショナリズム 2 医学的知識と問題対応能力 7 社会における医療の実践 8 科学的探究 9 生涯にわたって共に学ぶ姿勢
<医学教育モデルコアカリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目> A-1-1)医の倫理と生命倫理、A-2-1)課題探求・解決能力、B-1-3)根拠に基づいた医療<EBM>、B-1-4)疫学と予防医学、B-1-5)生活習慣とリスク、D-9 生殖機能、D-12内分泌・栄養・代謝系、E-1 遺伝医療・ゲノム医療、E-2-4)-(4) 感染症 疾患、E-3-5) 腫瘍 各論 ⑨生殖機能:子宮頸癌、子宮体癌、卵巣腫瘍、絨毛性疾患、E-7 成長と発達 4)思春期、E-8-1)老化と高齢者の特徴、F-1 診療の基本 症候病態からのアプローチ 1)発熱、2)全身倦怠感、3)食思不振、4)体重減少・体重増加、11)浮腫、12)発疹、20)腹痛、21)悪心・嘔吐、 25)腹部膨隆(腹水を含む)・腫瘤、26)貧血、27)尿量・排尿の異常、30)月経異常、F-2基本的診療知識
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 05.ジェンダー平等を実現しよう
【授業計画】
・授業の方法
医学教育モデル・コアカリキュラムに準じて講義(スライド映写、資料配布)を行う。さらに学生は与えられた症例に基づいて行動目標を自主的に見出し、グループ学習ならびに自習を行い、発表スライドを作成する。各週の金曜日に発表と討論を行う。
・日程
2025年9月22日~10月3日の間に下記の講義、PBL、総合討論を行う。 1.婦人科診察と性器の構造、2.排卵・月経周期、3.排卵障害・月経異常、4.不妊症、5.思春期・避妊、6.性の発生・分化とその異常、7.更年期・老年期、8.性器の感染症、9.子宮の良性腫瘍・類腫瘍・子宮内膜症、10.子宮頸部の前癌病変、11.子宮頸癌、12.子宮体部悪性腫瘍、13.卵巣の良性腫瘍・類腫瘍病変、14.卵巣癌、15.その他の婦人科腫瘍、16.婦人科画像診断。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業概要(目標)に掲げた内容は、「医学教育モデル・コアカリキュラム:教育内容ガイドライン」に示された全国統一の基準であることを理解し、効果的な学習成果が得られるよう努力されたい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業日程に予定されたテーマについて、あらかじめ配布資料に目を通し、疑問点などを整理してくることにより、授業の理解向上に役立つと思われる。 講義で使用した資料をもとに、知識の整理をすることが大切である。
【成績の評価】
・基準
生殖器の正常構造と機能、成長・発達・加齢に伴う精神・社会的な問題、主な生殖器疾患・性感染症の病態生理、原因、症候、診断と治療を正しく理解できていること、授業に積極的・能動的に参画できていること、を合格の基準とする。
・方法
コース終了後に試験を行い、筆記試験100点満点中、60点以上を合格とする。 再試験は場合により実施する。 規定の出席に満たない者は受験資格がない。
【テキスト・参考書】
池ノ上克 ほか編:Newエッセンシャル産科学・婦人科学(医歯薬出版) 標準泌尿器科(医学書院) New泌尿器科学(南江堂) 病気がみえる / 医療情報科学研究所編 ; vol.9 婦人科・乳腺外科 (Medic Media)
【その他】
・学生へのメッセージ
疑問に思ったことは、講義中でもかまいませんので、そのままにせず随時気軽に質問してください。
・オフィス・アワー
講義で連絡します。
<山形大学で教えていること> 子宮体癌、卵巣がんの発生メカニズムと遺伝子異常について。 子宮頸がん予防ワクチンの最新情報について。 高度生殖医療の現状について。
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