成人慢性期看護学実習
 Chronic Nursing Practice in Adult Patients
 担当教員:武田 洋子(TAKEDA Yoko), 西村 結花(NISHIMURA Yuka)
 担当教員の所属:医学部看護学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):看護師として実務経験のある教員が、その経験を活かし、慢性疾患の患者を対象とした健康課題と看護実践について講義・実習を行う.
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:3単位  開講形態:実習
 開講対象:看護学科  科目区分:専門科目臨地実習 
【授業の目的】
この実習では,慢性疾患で入院治療中の患者を受け持ち,健康に関する問題解決・課題到達のための能力を身につけることを目的とします.

【授業の到達目標】
1) 受け持ち患者に適した看護過程を考案し,看護援助を実施することができるようになる。
2) 患者-看護師関係を形成し,発展させるための基礎を身につけることができるようになる。
3) 看護技術の実践を通して,患者の自立,安全・安楽な方法とその根拠について説明できるようになる。
4) 患者に行った看護実践から「看護とは何か」について深く考え,論述できるようになる。
5) 看護専門職を目指す者としてふさわしい行動ができるようになる。

【授業概要(キーワード)】
成人期,慢性期看護,慢性疾患,自立,自己管理,生活の再構築,教育的支援,看護過程,看護技術,看護実践力

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75%

【科目の位置付け】
本科目は,看護学科DP1:豊かな人間性と社会性,DP2:幅広い教養と汎用的技能,DP3:専門分野の知識と技能に位置づけられる実習科目です.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
面接授業と遠隔授業(Web Class)の併用
1) 病棟実習では慢性疾患の患者を1名受け持ち,情報の収集・分析から看護計画を立案し,実施,評価する「看護過程」を用いて看護を実践する.
2) 看護技術を身につけるために「Student Nurse実施要項」を活用して,看護師と共に看護技術を実際に経験する.
3) 受け持ち患者に応じて,各検査,内視鏡,放射線治療,リハビリテーション,外来を見学する.
4) 病棟実習を効果的に進めるために事前学習や事後学習、カンファレンスを行う.
・日程
実習期間:9月~12月
1) 事前学習(2日間)
オリエンテーションと課題学習(火曜日)
受け持ち患者の決定,受け持ち患者の病気・治療・検査・標準的な看護計画等の自己学習(金曜日)
2) 病棟実習(2週間)
受け持ち患者を中心に看護援助を実施する.
病棟での実習時間は8:30~16:00とし,16時以降は学内で実習記録を完成させて教員に報告し指導を受ける.
1週目の木曜日あるいは金曜日の中間カンファレンスでは,関連図・看護計画を発表する.
2週目の木曜日の最終カンファレンスでは,看護サマリーおよび各自の学びをレポートにまとめ,発表する.
2週目の金曜日(最終日)は,学内で学生と教員で面談をして,学習目標の到達状況と今後の課題を明らかにする.
3) 事後学習(2日間)
・実習全体での学びや受け持ち患者の看護のポイントについて発表し,クラスで共有する.
・Web Classの演習問題を解き,復習および看護師国家試験勉強をする.

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1) 臨地実習では,看護学生も医療チームの一員として医療に参画する.
2) 各自の行動計画を立てて,看護師に許可を得てから患者への援助を実施する.
3) 患者・家族,医療スタッフとの関係を形成するには,「挨拶をする、自分の考えをはっきり述べる,相手の話をしっかり聴く,不明な点を確認する」などを意識して行動する.
4) 中間カンファレンス,最終カンファレンスでは,所定の資料を作成して説明できるようにしておく.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本科目では,以下の課題を課します.単位制度の実質化のため,授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください.
1) 準備学修に必要な学修時間の目安は次の通りです.
9時間/週 (注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学習を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています.
2) 医学的な知識は,テキストや参考書,信頼性の高い医療情報で確認・理解し,説明できるようにしておきましょう.
3) 看護援助は根拠を理解して行うことが求められるので,教科書の該当箇所を自分で探し,関連づけておきましょう.
4) Web Classの演習問題を解答し,予習復習・看護師国家試験対策として活用しましょう.

【成績の評価】
・基準
1)「成人慢性期看護学実習評価表」を用いて,100点満点で成績を評価する.
2)「成人慢性期看護学実習評価表」は,次に示す評価内容(到達目標)と評価基準から成る.1評価内容(到達目標)全20項目:①看護過程を考え援助を実施することができるために必要とされる10項目,②患者~看護師関係を形成するための2項目,③看護技術を実践し根拠を理解するための2項目,④看護とは何かを考えるための3項目,⑤専門職としての行動するための3項目.2評価基準:「指導を受けて模倣できる」「手順に従い自ら行うことができる」「科学的根拠を説明することができる」「科学的根拠に基づいて行うことができる」「患者の個別性を考慮しながら行うことができる」の各基準に沿って「できたもの」全てをチェックして評価する.
3) 実習記録,課題レポートを実習最終日(2週目の金曜日)に提出していることを条件とする.
・方法
1)「成人慢性期看護学実習評価表」は,学生が自己評価と自己PR欄を記載して,指導教員に提出する.
2) 指導教員は「成人慢性期看護学実習評価表」に則って,到達目標の達成状況,課題レポート(事前事後学習のレポートも含む)の内容,学生の自己評価や出席状況,受け持ち患者や臨地実習指導者からの情報も加味しながら評価する.
3) 正当な理由で実習を欠席し,出席日数を満たさなかった学生には追実習を行う.但し,追実習は1回のみとする.
4) 実習内容・記録,課題レポートの内容が基準を満たしていない場合には,レポートの再提出もしくは再実習となる.但し,レポートの再提出,再実習は1回のみとする.

【テキスト・参考書】
宮脇郁子,旗持知恵子 編「看護実践のための根拠がわかる成人看護技術 慢性看護」(メヂカルフレンド社)
宮下光令 編著「ナーシング・グラフィカ 成人看護学⑥ 緩和ケア」(メディカ出版)
山形大学医学部付属病院看護部,山形医学医学部看護学科編「Student Nurse実習要項」「看護術チェックリスト」

【その他】
・学生へのメッセージ
健康管理をして体調を整えながら実習をしましょう.
但し,発熱や下痢などの症状が出現した場合には担当教員に連絡し,教員の指示に従って医療機関等を受診してください.
・オフィス・アワー
病棟実習のほかに学生の質問に答える「オフィス・アワー」を成人看護学実習室,成人看護学研究室(西村),武田研究室(看護学科棟3階)において,月曜日〜金曜日8:00~8:15,16:00~18:00に設けます.

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