物理学Ⅰ
 Physics I
 担当教員:小池 邦博(KOIKE Kunihiro)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報・エレクトロニクス学科  科目区分:専門教育科目・選択科目1 
【授業の目的】
工学の基礎である物理学への理解を深めるために,力学についての基本的な知識を得ることを目的とします.まず,質点の力学で学んだことを簡単に復習した後,複数の質点から構成される「質点系」や,有限の大きさをもつ「剛体」の力学について学習します.

【授業の到達目標】
(1) 質点系の運動量保存則を理解し、二つの質点が衝突した後の運動を計算できる.【知識・理解】
(2) 質点系の重心運動と相対運動を理解し、力や運動エネルギーが計算できる.【知識・理解】
(3) 質点系の角運動量保存則を理解し、力のモーメントが計算できる.【知識・理解】
(4) 剛体の回転運動を理解し、慣性モーメントの意味が説明できる.【知識・理解】
(5) 種々の形状をした剛体の慣性モーメントが計算できる.【知識・理解】
(6) 剛体の回転運動を運動方程式から求めることができる.【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
質点系、剛体、角運動量、慣性モーメント、力のモーメント、運動量保存則

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
この講義は,本学のDP3(1)および(2)、工学部情報・エレクトロニクス学科のCP1(1)に対応し、工学の基礎としての物理学I(力学)を学びます。また、基盤教育科目「力学の基礎(物理学)」,専門教育科目「物理学基礎」,「物理学II」の計4科目を学ぶことによって,体系化された物理学を理解できるようになっています.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
この授業は基礎(52015),発展(52016)の2クラス開講とします.講義は,原則として対面授業とし,ZOOMによるオンライン形式とWebClassを用いたオンデマンド形式を状況に合わせて実施します.
基礎クラスでは基礎力の充実を目指して比較的少数の例題を取り扱いながら,高校時代に物理学を習っていなかった学生や物理学に苦手意識を持っている学生にも理解できるように丁寧に説明します.
なお授業で取扱う物理現象は原則として2クラスとも共通です.
・日程
(1) [ガイダンス]
到達目標とスケジュール, プレースメントテスト
(2) [運動の表し方①]
位置と座標スカラーとベクトル, 速さ, 速度と加速度
(3) [運動の表し方②, 力と運動①]
等加速度運動, 運動の3法則, 質点の等速直線運動
(4) [力と運動②, いろいろな運動①]
打ち上げ運動, 放物線運動, 拘束運動
(5) [運動の表し方③, いろいろな運動②]
2次元と3次元の極座標と弧度法, 等速円運動,往復運動
(6) [演習と解説①]
(7) [中間テストと解説]
(8) [エネルギーとその保存則]
仕事, 保存力と位置エネルギー
(9) [角運動量とその保存則①]
ベクトルの2つの積 (内積と外積), 力のモーメント
(10) [角運動量とその保存則②, 非慣性系とみかけの力]
角運動量, 運動量方程式の角運動量積分, 並進運動座標系と回転座標系
(11) [質量系の運動]
質量中心 , 質量系の運動方程式, 運動量と保存則, 角運動量保存則, 2体問題
(12) [剛体の運動①]
剛体の性質, 剛体に働く力の性質, 剛体の並進と回転の運動方程式と保存則
(13) [剛体の運動②]
固定軸周りの回転運動, 慣性モーメント(定理と計算例), 簡単な剛体の運動
(14) [演習と解説②]
(15) [期末テストと解説]

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業は,教科書とWebClass資料に沿って進めて行きます.指定されている教科書を購入し,WebClass資料と授業で示されるパワーポイント資料を参考にしながら講義内容をノートに筆記するなどして内容の理解に努めて下さい.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(予習)この授業を理解するためには、教科書とWebClass資料の次回の講義箇所を読んで予習して下さい.
(復習)扱った例題や演習問題の内容を完全に理解できるように復習し、授業の宿題として指定された問題は必ず提出し,テキストやWebClass資料に目を通して,内容の適切な理解に努めてください.

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した6つの項目について、授業を通して得られた知識と経験に基づき、主体的に与えられた問題設定に適応して、ニュートンの運動方程式を正しく定式化し、その微分方程式を解くことによって、物体の運動状態を正しく計算できることが合格の基準です.
・方法
科目の達成目標に記載の項目について試験等を行ない,以下の基準を満足したものを合格とします.評価項目とする、提出物(約20%)、中間テスト(約40%)と期末テスト(約40%)の合計を100点満点として評点し,60点以上が単位認定されます.

【テキスト・参考書】
この授業(基礎クラス)ではテキストとして『永田一清「新・基礎 力学」サイエンス社』を使用します.

参考書として『小池邦博「WebClass資料」』、『永田一清「新・基礎 力学」サイエンス社』および『森田博昭・安達義也・加藤宏朗・金子武次郎「工学基礎・物体の運動」学術図書出版社』があります.

【その他】
・学生へのメッセージ
力学を専門としない情報・エレクトロニクス学科の学生にも理解できるよう分かりやすい授業を心掛けます.できる限り自学自習によって本科目の到達目標をマスターする姿勢が大切です.
また、WebClassへの登録と履修登録が矛盾しないように気をつけて下さい
・オフィス・アワー
オフィスアワーは、金曜日16時-17時(7号館205室)です.
授業に関する質問は,各回の授業終了後又はWebClass(時間割コード:52015)の「メッセージ」や「チャット」でも受け付けます.

50000500-2025-05-52015