【授業の目的】
科学技術が社会に与える影響は大きい。そのため科学技術の研究や開発とともに常に意識しなければならないのが技術者倫理である。技術が高度になればなるほど倫理の重要性は増してくる場合が多い。技術の研究開発に携わる皆様にぜひ倫理観を自然に持って活動できるようになることが目的である。
【授業の到達目標】
〇科学技術が社会に与える影響を意識することが習慣となること 〇科学技術が人に与える影響を意識することが習慣となること 〇人や自分への安全の確保、環境への影響などへ目を向けられること 以上の科学技術を俯瞰的にとらえ、倫理的な判断を含めた総合的決定ができる素養を身に付けることが目標であり、それが技術者としてのいきがいにつながることを感じていただくことを最終目標とする。
【授業概要(キーワード)】
倫理観、工学倫理、安全、安心、製造物責任、プロヘッショナルエンジニア、リスク管理、技術と倫理のトレードオフ、知的財産権
【科目の位置付け】
この科目は、情報・エレクトロニクス学科学習・教育目標の“技術者倫理と複眼的思考能力”に該当する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 04.質の高い教育をみんなに 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 08.働きがいも経済成長も 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
講義は毎回テーマを決めて具体的な事例を中心に進めていく。講義全体を通して1つの大きな内容となるように進める。講義の最後にその日のまとめの課題を出すので、簡単に答えていただきたい。これはテストではないので採点はしないが、可能な限りコメントをつけて返却する。これを出席点とする。新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、講義の形式は対面授業かオンラインとするか大学と相談して決める。
・日程
講義は以下の内容で進める。 第1回 技術者倫理の必要性と学ぶ意義‐なぜ今技術者倫理が求められるのか 第2回 意思決定と技術者倫理 第3回 組織の中の技術者と倫理 第4回 技術者としての行動設計 第5回 技術者の財産的権利‐工業所有権との関係 第6回 法的責任とモラル責任、説明責任 第7回 『幸せ』をもたらす技術者倫理‐まとめにかえて
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
技術者倫理は各人が意識を持つことである。そのためには講義内容をきっかけに類似課題がないかなどアンテナを張って新聞等に常に目を向けていただきたい。このような日々の学習が望まれる。講義ではその視点を可能な限り示す(意識付けをおこなう)が、それにより皆さんなりに進展できるように講義を進めていく。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
事前準備より講義での視点をもとに様々な情報にあたることを推奨する。これは講義期間に限らず、技術者として活動している間のすべてに及ぶ。そのため生涯学習となる。
【成績の評価】
・基準
単位認定基準:採点は300点満点でおこない、その65%以上を合格とする。
・方法
点数の内訳(分野点) 〇出席点(毎回の課題の提出):100点満点(100・課題提出数/7) 〇試験点:200点満点 各分野点のいずれかが40%未満の場合は単位未認定、2分野あわせて65%以上で単位を認定
【テキスト・参考書】
特に、テキストは用いない。各回の講義資料を事前に配布する。
【その他】
・学生へのメッセージ
技術者倫理は工学的な知識・技術を学ぶ以前に身につけておくべき意識的な存在であるが、これには正解がない。そのため、技術者として行動するのに先立ち、まず、課題に能動的に向き合い『考える』ことが重要である。それにより実践的でかつ即戦力となりうるものであると思います。技術者として巣立っていく頃には自然と倫理観が醸成され、意識をもって自然に行動できるように育つことを願っています。そのために、日々の努力、幅広い視点を積み重ねていってください。
・オフィス・アワー
毎回、講義の終わりに課題に解答していただきますが、その中に意見や質問があれば記載ください。答えをつけて返却いたします。
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