【授業の目的】
高分子・有機材料の基礎実験技術の習得。 高分子・有機材料の研究・開発・応用に必須の基礎的な実験技術を、材料合成・評価・成形までを含んだ実験で修得する。これは工学部カリキュラムポリシー(6)
【授業の到達目標】
機能性高分子材料の「研究・開発・応用」に携わる技術者・研究者は、「化学と物理」双方の技術と知識が必要とされる。本実験はいくつかの必須の内容を概観しつつ、3年次の実験や卒業研究への導入編としての位置付けをもつ。 ①実験テキストに記載された内容から実験の行程を考えることができるようになる。 ②実験結果をまとめて考察し、実験レポートを作成する能力を身につける。
【授業概要(キーワード)】
ラジカル重合、重縮合 、高分子ゲル、分子量測定 、塗布成膜、蛍光、ゴム弾性 、成形加工、溶融体粘度
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:76~100% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
高分子・有機材料に関する専門的知識を身につけ、実験/分析/解析する能力を身に付ける科目です。(高分子・有機材料工学科のディプロマポリシー2(1),2(2),3)。そのため、高分子工学、物理化学、有機化学の基礎知識を実践する位置づけです。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
実験を少人数単位で実施する。目の前で起きていることを良く観察する。各自、実験結果をまとめ、関連する課題を調べて、レポートを提出する。
・日程
高分子材料の合成、光電子、物性の各ステージで、それぞれ数回シリーズの実験を行う。受講者は数名単位のグループに分かれて順不同で実験を行う。
第1回目 全体ガイダンスと実験の注意事項の説明 第2回目~第15回目 合成・光電子・物性の3ステージ(9テーマ)の実験を順不同で行う。
合成ステージ 1. ラジカル重合 ポリメタクリル酸メチルの合成 2. 重縮合 ポリアミドの合成(6,10ナイロンと6ナイロン) 3. 高分子ゲルの合成 ポリアクリルアミドゲルの合成 光電子ステージ 4. 分子量測定 オストワルド粘度計による分子量測定 5. 塗布成膜 塗布成膜と吸収スペクトル測定 6. 蛍光(電子スペクトル) 蛍光材料の蛍光スペクトル測定 物性ステージ 7. ゴム弾性 エントロピー弾性(ゴムの伸びとおもりの重さ,温度の関係) 8. 成形加工(射出,成形加工(フィルム成形)) 各種成形法の概略とPP,PEを用いた各種成形 9. 溶融体粘度 熱可塑性高分子の融液粘度の測定
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
実験テキストの実験背景や方法を熟読し、予め実験計画をノートにまとめておく。実験テキストに従って実験を行ない、実験中の観察事項や結果を正確にノートに記入する。また実験は小グループで行うので、グループ間で実験結果について議論しながら実験すること。一部の実験では白衣/保護メガネ、又は服装に指示があるので実験に相応しい服装で行う。実験終了後は、関連する課題を調べて実験レポートを作成する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
あらかじめ実験テキストを綿密に調べておくことが最も重要である。また予習時にはウェブクラスにて関連資料を掲示するため参考にすることが望ましい。 本実験は、合成、光電子、物性の3コースの実験を行なう。合成では実験する反応式や使用する試薬について予め調査すること。光電子・物性では実験する物理現象や化学現象について予め調査すること。各テーマの準備に必要なおおよその学修時間は2時間程度である。実験後のレポート作成には2.5時間程度で取り組むことが望ましい(ここにはレポート作成や作成に必要な資料の収集を含む)。実験後に自主学習で不明な点は担当教員に連絡を取り更なる指導を受けること。
【成績の評価】
・基準
合格基準 ①全てのテーマにおいて実験に取り組み、実験結果を適切にまとめる ②実験終了後、全てのテーマにおいて実験レポートを作成し、 各テーマの合格基準を満たす。 レポートは緒言・目的・実験方法・結果・考察(課題)・まとめから構成されており、図や表の作成、考察がテキストの通り適切に行われていること
・方法
レポート点80点、平常点(授業の取組)20点とする。 レポート点には、成績の評価(基準)の他、予習や実験ノートの評価も含める。
【テキスト・参考書】
専用の実験テキストを使用する。必要な参考書については実験テキスト内に記載。またテーマに沿った参考資料をウェブクラスを通じて公開する。
【その他】
・学生へのメッセージ
本科目用の実験ノートを必ず用意すること。実験ノートの作成状況を時間中にチェックすることがある。実験によっては白衣、実験用保護眼鏡の着用が必要な場合がある。関数電卓、筆記具も必ず持参すること。
・オフィス・アワー
ウェブクラスに担当者の一覧を載せるので、質問等がある場合は、各テーマの担当教員に各自で連絡を取って確認すること。科目全体に関する質問はガイダンスを実施する取りまとめ教員に確認すること。
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