化学工学Ⅱ
 Chemical Engineering II
 担当教員:門叶 秀樹(TOKANAI Hideki)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)物質化学工学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):石油精製販売企業の運転部門および運転管理部門で勤務経験があり,運転部門では流体輸送を伴う各種装置の運転を,また運転管理部門ではプラントの工程管理や最適運転条件の検討などを経験した。その経験を活かして,流体輸送に関する基礎事項と管路系の輸送現象の計算法を講義する。
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:化学・バイオ工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業の目的】
化学工学は化学工業の装置・機械、プラントの設計・建設・運転に関する学問として出発したが今ではエネルギー、資源、環境、食品、生物関連、セラミックス等広い分野にその手法が広がっている。

ここでは化学工学の重要な項目で、化学工学の他の多くの諸項目の基礎ともなっている運動量移動すなわち流体工学について説明する。

【授業の到達目標】
学生は,流体輸送に関するテクニカルタームを理解できる。実際に与えられた数値情報を使って,流体静力学に基づいた圧力の計算ができる。流動の基礎方程式が理解できる。流体の輸送の際に生じる圧力損失を理解し,計算できる。管路による流体の輸送に必要な動力の計算ができる。

【授業概要(キーワード)】
流動,運動量移動,管摩擦係数,圧力損失,ベルヌーイの式

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この講義は,化学工学の基礎となる移動現象論の中の運動量移動に関する科目で,流体の流れについて運動量移動の観点から論理的に考察し,流動現象の論理的把握力を身に付けるものである(工学部化学・バイオ工学科のカリキュラムポリシー)。

【授業計画】
・授業の方法
対面での講義を主体とし,各回の最後に演習を行って数値の取り扱いに慣れていただく。
・日程
授業計画
第1回:ガイダンス,化学工学について
第2回:流体の種類と粘性
第3回:流体静力学の基礎(1)圧力
第4回:流体静力学の基礎(2)浮力,表面張力
第5回:流動の基礎 流れの状態
第6回:流動の基礎方程式(2)連続の式
第7回:流動の基礎方程式(3)運動方程式
第8回:流動の基礎方程式(4)ベルヌーイの式
第9回:流動の基礎方程式(5)流体工学の次元解析
第10回:管内の流れ(1)流量と流速の計測
第11回:管内の流れ(2)速度分布と圧力損失
第12回:管内の流れ(3)管摩擦係数
第13回:管路の急拡大・急縮小・接手などによる圧力損失
第14回:管路系の圧力損失と輸送現象
第15回:試験および解説

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、受講を遠慮していただく。
講義資料をしっかり読み,内容を咀嚼して理解し,各回の最後に行う演習問題を必ず解いて提出すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本講義は特に予習を必要としないが、講義内容に関係する参考書や読み物を紹介するので、是非積極的に読まれたし。
本講義では復習を重視する。受講生にとって全く新しい学問であるとともに、知識の積み上げ方式なので、前回の内容を理解していないと次回の内容が全く分からなくなることもあり得る。十分復習し、不明な点は質問すること。

【成績の評価】
・基準
試験では下記の項目が評価される。
・講義中に行う演習課題の評価 30点
・流体輸送に関する計算が順序立てて成され,求めるべき値が最後まで求められているか 60点
・講義に出てくる専門用語の英語が和訳できるか 10点
・計 100点

この講義の合格ラインは60点とする。
・方法
講義中の演習問題と期末試験で成績を決定する。
流体の計算問題では,部分点を積極的に採用し,途中の計算過程における理解度もしっかりと評価するので,途中の計算結果をしっかりと解答すること。

【テキスト・参考書】
教科書:「図解によるわかりやすい流体力学」中林功一・山口健二共著 森北出版 2200円+税
適宜,補足プリントを配布します。

【その他】
・学生へのメッセージ
粘り強く、継続的に学習して下さい。
知識の積み上げ方式なので,毎回出席すること。
・オフィス・アワー
水曜日 16:00~17:00 工学部3号館2108号室
(上記の時間帯以外でも、随時質問は受け付けます)

51000596-2025-05-52222