機械工作法
 Machining Processes
 担当教員:久米 裕二 (Kume Yuji)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業の目的】
「ものづくり」の原点でもある機械工作に必要な基礎的な知識と考え方を学びます。そして,高精度・微細・高速・省人という高度化する要求を実現するための最適で環境にやさしい加工法を提案できる機械技術者になることを目的とし,〔CP2〕に対応します。

【授業の到達目標】
この授業は〔DP4,8,9〕に対応し,到達目標は以下の4つです。
(1)鋳造、溶接、塑性加工、切削加工、研削加工、特殊加工の特徴と簡単な理論が説明できる。〔DP4,9〕【知識・理解】
(2)部品形状に対して適切な材料と工作法を選択できる。〔DP8〕【知識・理解】
(3)既存の工作法に対し,合理的で新しい工作法を提案できる。〔DP8,9〕【技能】
(4)機械加工に関連した問題解決能力を身につけ議論できる。〔DP4〕【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
工作法,加工法,工作機械,加工機械,工業材料,鋳造,溶接,塑性加工,切削加工,研削加工,特殊加工,微細加工

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
機械工作実習で体験した各種工作法に対して,幅広い機械工作に関する知識と理解から〔CP2〕,〔DP4,8,9〕を目標とする科目です。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任

【授業計画】
・授業の方法
1回90分の講義の中で,穴埋め形式のスライド資料を用いて学習をします。また,WebClassの小テストを行い,理解を深めます。
・日程
第1週 ガイダンスと機械工作法概論
[予習] テキストの第1章を読む。また,機械工作実習行ったことを復習する。
[復習] 授業内容の確認・理解を行い,小テストに取り組む。

第2週 機械材料と鋼材の熱処理
[予習] 鋼材の熱処理について調べる。
[復習]鉄鋼材料,非鉄金属,プラスチックの特徴を理解し,小テストに取り組む。

第3週 鋳造
[予習] テキストの第2章を読み,鋳造について調べる。
[復習] 各種鋳造法の特徴を理解し,小テストに取り組む。

第4週 切削加工
[予習] テキストの第3章を読み,切削加工について調べる。
[復習] 各種切削加工法の特徴や二次元切削モデルについて理解し,小テストに取り組む。

第5週 研削加工
[予習] テキストの第4章を読み,研削加工について調べる。
[復習] 研削加工や砥石について理解し,小テストに取り組む。

第6週 精密加工と表面荒さ
[予習] テキストの第5章を読み,精密加工と表面荒さについて調べる。
[復習] 表面荒さの求め方を理解し,小テストに取り組む。

第7週 特殊加工
[予習] テキストの第6章を読み,特殊加工について調べる。
[復習] 各種特殊加工の特徴を理解し,小テストに取り組む。

第8週 中間テスト
第1週から第7週までの課題を復習し,中間テストに取り組む。

第9週 溶接
[予習] テキストの第7章を読み,溶接について調べる。
[復習] 各種溶接法の特徴を理解し,小テストに取り組む。

第10週 塑性加工Ⅰ
[予習] テキストの第8章を読み,塑性加工について調べる。
[復習] 圧延,引抜き,押出から作られる形状について理解し,小テストに取り組む。

第11週 塑性加工Ⅱ
[予習] 第9週で習ったことを復習しておく。
[復習] 鍛造と板成形から作られる形状について理解し,小テストに取り組む。

第12週 プラスチック成形・造形加工
[予習] テキストの第9章を読み,プラスチック成形について調べる.
[復習] 樹脂の射出成形や押出などを理解し,小テストに取り組む.

第13週 粉末冶金と積層造形
[予習] テキストの第9章を読み,粉末冶金について調べる.
[復習] 粉末冶金の圧縮成形や焼結,積層造形について理解し,小テストに取り組む.

第14週 微細加工
[予習] テキストの第10章を読み,微細加工について調べる.
[復習] 露光プロセスの原理と種類,微細パターン形成技術の各論を理解し,課題に取り組む.

第15週 期末試験
第9週から第14週までの課題を復習し,期末試験に取り組む.

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
テキストをよく読み,機械工作に関連した用語を知りましょう。また,講義の穴埋めスライドと小テストを通じて,機械工作法を深く理解しましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
シラバスを参考に予習・復習に努めましょう。また,関連した動画なども紹介するので積極的に視聴しましょう。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した項目のうち,
(1)各種工作法の特徴と簡単な理論が説明できること
(2)部品形状に対して適切な材料と工作法を選択できること。
(3)新しい工作法を提案できること。
が合格基準となります。
・方法
中間テスト:30%,期末テスト:30%,毎回の小テストの合計:40%の3項目の総計100%に対して,60%以上を合格とします。

【テキスト・参考書】
講義テキスト
よくわかる機械加工,小山真司,鈴木孝明,荘司郁夫,小林竜也,森北出版,定価2640円

参考書
機械工作1,機械工作2,松澤和夫,吉田政弘 ほか7名,実教出版
などの機械工作に関連した教科書など

【その他】
・学生へのメッセージ
機械工作法は,まず知っているかどうかの知識で差がつきます。クイズを答えるように知識を吸収し,体験に従って答えを導けるように心がけましょう。
・オフィス・アワー
毎週水曜日16:00から17:00
工学部6号館3階3-316室

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