【授業の目的】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔CP3〕に対応しています. 制御工学は制御対象が目標通りに動作するようにシステムを改善する技術である.システム制御の知識を得ることを目的とする.伝達関数による制御対象のモデル化からはじまり,ボード線図やナイキスト線図による特性解析,PID制御などによる設計法を学習する.
【授業の到達目標】
この科目は,学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔DP5〕に対応しています.
機械システムにおける簡単な要素を伝達関数でモデル化でき、フィードバック制御系の特性解析と古典的な制御系設計ができることを目標にする。 (1)フィードバック制御の考え方をブロック線図を用いて説明でき、基本的な要素の伝達関数を求めることができる。 (2)ベクトル軌跡、ボード線図の見方がわかり、ラウスの方法、ナイキストの方法により制御系の安定判別ができる。 (3)制御系設計の古典的手法(PID制御,位相遅れ・位相進み補償)の考え方を説明できる。
【授業概要(キーワード)】
伝達関数,フィードバック制御,ラプラス変換,特性方程式,周波数応答,ナイキスト線図,PID制御,メカトロニクス
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この科目は,機械システム工学科の学習・教育到達目標(C)機械工学の応用力〔CP3〕〔DP5〕を養成するための科目である.
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
90分15回の講義で,解説を聴くとともにおよび基本的な例題に取り組みながら学ぶ.
・日程
1.動的システムのモデリングとフィードバック制御. 2.ラプラス変換と伝達関数.ブロック線図と伝達関数. 3.1次系,2次系の過渡応答. 4.極と零点.システムの安定性.安定判別法. 5.周波数応答関数. 6,ボード線図の読み方. 7.ボード線図の書き方. 8.ベクトル軌跡. 9.フィードバック制御系の安定性 10.ナイキストの安定判別法. 11.ゲイン余裕と位相余裕,感度関数. 12.制御系の定常特性・過渡特性. 13.コントローラの構成要素,PID制御. 14.位相進み遅れ補償,制御系設計. 15.期末試験とまとめ.
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業に遅れないこと.計算式を追うだけでなく,物理現象についてイメージを持ちながら興味をもって聞いて欲しい.毎回予習と復習をして授業に臨むこと.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
制御理論は抽象的な説明がなされており,独学で習得するのは難しい.授業において具体例を見たり簡単な例題を解くことにより理解を深めてほしい.
【成績の評価】
・基準
伝達関数で表されるシステムの特性をボード線図や特性方程式から読み取ることができ,制御系設計ができることが基準である. (1)フィードバック制御の構成をブロック線図で説明できる. (2)微分要素,積分要素,1次系,2次系の例をあげることができる. (3)基本的な伝達関数で表されるシステムのステップ応答を求めることができる. (4)ブロック線図の見方がわかり,簡単な等価変換ができる. (5)基本的な伝達関数のボード線図を作図できる. (6)ボード線図を見てシステムの周波数応答を推定できる. (7)システムの安定性を判別できる. (8)PID制御,位相遅れ・位相進み補償の考え方を説明できる.
・方法
授業内容に対する到達度を,演習と期末レポートの点数で評価する.演習20点満点,期末レポート80点満点とし,これらの合計(100点満点)で60点以上を合格とする.
【テキスト・参考書】
教科書は、「制御工学入門」,村松鋭一著,養賢堂.を使用する。
【その他】
・学生へのメッセージ
制御工学は機械系の制御だけでなく,電気回路,化学プラントなどを対象とする一般的な学問です.伝達関数,安定性などの概念が抽象的なので,機械系の学生にとってイメージしにくいかも知れません.このような分野を習得するためには,簡単な例題を繰り返し演習することが大切です.理解が深まれば,機械分野をはじめ自然現象や社会現象のなかに入力・出力のフィードバック関係,安定性,周波数特性で説明できるものが多くあることに気づきます.
・オフィス・アワー
質問等がある場合は、水曜日 16:00~17:00に9号館710号室にて。
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