【授業の目的】
大学の研究者あるいは企業で研究開発を行う者として必要な、産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)についての基礎的な知識を得ることを目的とする。 また、著作権、不正競争についても基本的な考え方を身につけることを目的とする。
【授業の到達目標】
(1)特許等の知的財産制度の概要を説明できる。【知識・理解】 (2)目的の特許情報を検索により抽出することができる。【技能】 (3)自身の研究成果、発明を如何に保護するかについて、法的な視点から検討することができる。【技能】 (4)世の中の出来事を、知的財産の側面から考察することができる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
特許、発明、実用新案、意匠、商標、不正競争、著作権、著作物
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、知的財産制度に関する知識を習得し、その知識を社会生活や職業生活の場で実践的に活かす力を身につけるものである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
08.働きがいも経済成長も 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
(1)主に、スライドにより解説する。 (2)特許調査等に関する講義では、ネットに接続し、実際に検索を行いながら説明する。 (3)裁判例や実際の事件も多数紹介し、知的財産の諸問題を具体的にイメージできるようにする。 (4)最近の法改正の内容も解説する。
・日程
主要なテーマと順序は次のとおりです。 第1回目 法の諸原則、法律の用語、条文読解法、知的財産制度の概要・現状(各種統計を紹介) 第2回目 特許法の目的、発明の定義・種類 第3回目 特許を受ける権利、出願後の流れ(出願から登録まで) 第4回目 手続(拒絶理由通知への対応、等)、各種審判 第5回目 特許要件(新規性、進歩性等)、新規性喪失の例外(1) 第6回目 特許要件(新規性、進歩性等)、新規性喪失の例外(2) 第7回目 出願書類の構成、記載要件 第8回目 特許権侵害 第9回目 特許権侵害の続き、特許調査 第10回目 職務発明、ライセンス、パテントプール等 第11回目 パリ条約、特許協力条約、TRIPS協定、諸外国の特許制度 第12回目 実用新案制度の概要、意匠制度の概要 第13回目 商標制度の概要 第14回目 不正競争防止法(不正競争行為の類型、裁判例・実例紹介) 第15回目 著作権制度(著作物、著作権、著作者人格権、権利制限規定、AIと著作権)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
(1)スライドとともに話す講義内容をノートに筆記して内容の理解に努めること。 (2)テキストを購入しても良いが、ネットで入手できる省庁等からの無料の情報も数多い。それらの情報を適宜参照し、知識の定着に努めること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(1)回を重ねるごとに知識の連携が必要になるので、空いた時間に復習をし、次回の授業に備えて下さい。 (2)授業で習った内容に関連することを自らインターネット等で調べて、理解を深めることが必要です。
【成績の評価】
・基準
知的財産制度の基礎的な事項について適切に説明できることを合格の基準とします。
・方法
期末テストの結果のみで評価します(100点分)。 毎回の出席はとりませんが、期末テストは授業で話したことから出題しますので、なるべく出席するようにしてください。
【テキスト・参考書】
・「2024年度知的財産権制度入門テキスト」特許庁(https://www.jpo.go.jp/news/shinchaku/event/seminer/text/2024_nyumon.html) ・不正競争防止法テキスト、経済産業省(chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/pdf/unfaircompetition_textbook.pdf) ・「令和6年度著作権テキスト」文化庁(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/textbook/index.html) ・大石玄、佐藤豊「18歳からはじめる知的財産法」法律文化社
【その他】
・学生へのメッセージ
個々の制度を理解するに当たっては、常に、知的財産制度全体におけるその制度の位置づけ(目的、他の制度との差異点)を意識することが重要です。 知的財産の専門家である弁理士として、実例を示しながら、わかりやすい講義を心がけます。専門の勉強や実験で忙しい工学系の学生にとって、法制度を学ぶ機会は貴重だと思います。是非活用して下さい。
・オフィス・アワー
質問等がある場合は、授業の合間又は終了後に受け付けます。 また、月~木は米沢キャンパス15号館(旧 国際事業化研究センター)2階事務室におりますので、質問等があればおいで下さい。
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