高分子合成化学Ⅱ
 Polymer Synthetic Chemistry II
 担当教員:東原 知哉 (HIGASHIHARA Tomoya); 高田健司 (TAKADA Kenji)

 担当教員の所属:大学院有機材料システム研究科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:高分子・有機材料工学科  科目区分:専門教育科目・選択必修(合成化学)、選択(光・電子材料・物性工学) 
【授業の目的】
重合性の低分子化合物(モノマー)から高分子を合成する反応(重合)のうち、開環重合及び逐次重合についての基本的事項を理解する。また、これらの重合法により得られる高分子の合成法・性質・応用についても理解する。

【授業の到達目標】
開環重合及び逐次重合について、以下の能力獲得を目標とする。
1) 重合条件と重合結果(重合度)の関係が理解できる。
2) 重合結果の予測ができる。
3) 得られる高分子の化学的性質及び物理的性質について説明ができる。
4) 各高分子の特徴とその使用用途について説明ができる。

【授業概要(キーワード)】
高分子合成、開環重合、逐次重合、重縮合、重付加、付加縮合

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本科目は、高分子・有機材料分野の基礎知識・技能の習熟に加え、多様な学際的知識を関連させて示すことで、生涯を通じて主体的に学び続ける意欲と能力を身に付けさせるために設置されている(工学部高分子・有機材料工学科のカリキュラム・ポリシー 2.教育方法(1))。
なお、本講義では、「合成化学概論」の内容の一部について詳述する。概論の残りについては、「高分子合成化学I」の講義で詳述されるので、これらの講義をセットで履修すること。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任

【授業計画】
・授業の方法
前半は逐次重合と開環重合の一般的な特徴や重合反応に関する理論について講義する。後半は逐次重合により合成される代表的なポリマーについて具体的な合成法、特徴、及び用途について講義する。対面講義を原則とするが、オンデマンド動画等への講義形式の変更があった場合は、WebClass上で事前に周知する。
・日程
第1~12回,第14~15回 (担当:東原)
第13回(担当:高田) 

第1回 初回ガイダンス、連鎖重合と逐次重合、重合方法の分類 ①
第2回 連鎖重合と逐次重合、重合方法の分類 ②
第3回 逐次重合概論(重合度、反応速度論)①
第4回 逐次重合概論(重合度、反応速度論)②(オンデマンド型動画視聴)
第5回 開環重合①
第6回 開環重合②
第7回 開環メタセシス重合
第8回 中間レポートとまとめ(WebClassにて提出)
第9回 ポリエーテル・ポリエーテルケトン・ポリエーテルスルホン
第10回 ポリエステル・ポリカーボネート
第11回 ポリアミド
第12回 ポリアミドの精密重合法・ポリイミド・ポリウレタン
第13回 ポリイミドの基礎と応用
第14回 フェノール樹脂及び関連する高分子
第15回 期末試験とまとめ(対面にて実施)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
有機化学(全般)及び物理化学(速度論、平衡論)の知識を必要とする。講義中、雑談をする等、他の学生の迷惑になる行為や、飲食(薬等は除く)、講義と関係のないスマートフォン・PC等の使用、寝る等の行為は、受講態度として認められない。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義資料(毎回、WebClass上にアップロードする)及び高分子合成化学に関する参考書を活用して予習・復習を行い、理解を深めること。

【成績の評価】
・基準
下記基準に基づき、講義への取り組み、期末試験における理解度を総合して評価する。100点満点中60点で合格基準を満たす。
1) 重合条件と重合結果(重合度)の関係が理解できる。
2) 重合結果の予測ができる。
3) 得られる高分子の化学的性質及び物理的性質について説明ができる。
4) 各高分子の特徴とその使用用途について説明ができる。
・方法
中間レポート(40点満点)及び期末試験(60点満点)の合計点をもって評点とする。100点満点中60点以上の獲得により合格とする。病欠・公欠の場合は欠席届の写しをWebClassメールに添付して提出すること。なお、出席は前提とし、遅刻・欠席状況により減点または不合格になる場合が有る。

【テキスト・参考書】
テキスト:
高分子化学第5編、村橋俊介、小高忠男、蒲池幹治、則末尚志編、共立出版(3900円)(2・4章)
*講義で使用するため、初回までに準備すること。

参考書:
高分子合成化学(改訂版)、井上祥平著、裳華房(2800円)(2、3、8、11章)
高分子化学(合成)、伊藤浩一・上田充ら、宣協社[1800円](5章以降)
高分子化学 合成編 中條善樹ら、丸善[3400円](1,2,3,8章)

【その他】
・学生へのメッセージ
本講義で扱う「逐次重合」の一部では、特に有機エレクトロニクス材料を合成するために良く用いられる「重縮合法」について解説しています。本学を代表する有機エレクトロニクス材料研究を支える「縁の下の力持ち」的な基礎知識を修得できます。
・オフィス・アワー
講義終了後に受け付ける。その他、不明な点はWebClassのメールにて受け付ける。
対面での質問は、メールで事前にアポイントメントを取ること。
居室は10号館4階404。

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