分子集合体化学
 Organic Physical Chemistry
 担当教員:笹部 久宏 (SASABE Hisahiro)
 担当教員の所属:工学部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:高分子・有機材料工学科  科目区分:専門教育科目・選択必修(合成化学、光・電子材料)、選択(物性工学) 
【授業の目的】
分子は、真空中での孤立した1分子ではなく、集合状態において様々な性質を発現する。したがって、様々な有機分子材料を合成するときには、その集合状態を意識した分子設計が必須となる。また、異種分子との相互作用により機能発現する例がほとんどであり、その理解は欠かせない。例えば、医薬品は生体分子との特異的な相互作用である。ここでは、有機材料の性質の基礎を物理化学の立場から理解する。最先端の研究における活用例も紹介する。

【授業の到達目標】
1. 有機材料の性質の基礎を物理化学の立場から理解する。
2. 分子間相互作用の基礎を習得する。
3. 分子の化学構造の違いと発現する機能との関係を説明できる。
4. 超分子化学の基礎を習得する。
5. 最先端の研究における活用例を理解する。

【授業概要(キーワード)】
物理化学、有機化学、超分子化学、分子間相互作用

【科目の位置付け】
高分子合成、光・電子材料、医薬品などの開発において、必須の基礎科目

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
講義は原則として全て対面でパワーポイントを用いて行います。質問がある場合、メールや WebClass を通じて連絡して下さい。
・日程
第1回 ガイダンス、分子集合体の特異機能
第2回 物質の階層と弱い化学結合①
第3回 弱い化学結合②
第4回 多重極子と相互作用
第5回 事前組織化、アミノ酸とタンパク質
第6回 核酸
第7回 脂質、細胞膜
第8回 単分子膜とLB膜
第9回 表面張力と毛管現象
第10回 吸着とクロマトグラフィー
第11回 結晶とX線散乱
第12回 液晶
第13回 超分子
第14回 総復習
第15回 まとめと期末試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義の際の解説、板書内容、配布する資料を参考に理解を深めて下さい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
不明なところは、参考図書を呼んだり、メールや WebClass を通じての質問、オフィスアワーに尋ねるなどして解決するようにして下さい。

【成績の評価】
・基準
成績評価は以下の通り行う。
各授業で課された課題 40点
期末試験(あるいは期末レポート)60点
・方法
各授業で課された課題(授業参加点)、期末試験(あるいは期末レポート)により評価する。5回以上の欠席、もしくは、期末試験の 欠席(または期末レポート未提出)の場合は単位を取得することが出来ない。

【テキスト・参考書】
事前のテキスト・参考書として個別に指定するものはありませんが、必要な資料やプリントを授業ごとに配布します。また、下記の参考書は、学習の助けとなるでしょう。

アトキンス物理化学要論、東京化学同人、2016
マクマリー有機化学(下)、東京化学同人、2017
結晶の話、伊藤正時、斎藤善彦共著、培風館、1984
コロイドの話、北原文雄著、培風館、1984
超分子化学、木原伸浩著、共立出版、2017
マテリアルサイエンス有機化学、伊与田正彦他、共著、2007
有機機能材料、松浦和則他、共著、講談社、2014
有機機能材料、荒木孝二他、共著、東京化学同人、2006
界面化学、近澤正敏、田嶋和夫共著、丸善、2001

【その他】
・学生へのメッセージ
高分子合成、光・電子材料、医薬品などの開発において、必須の基礎科目です。
選択必修ですが、履修を強く勧めます。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は研究室(工学部10号館5階504)において、原則、月曜日 14:00-16:00 としますが、これに限らず在室している時は随時対応します。
会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。連絡先は、初回の授業でお知らせします。

51000181-2025-05-53161