先端高分子工学
 Advanced Polymer Materials Engineering
 担当教員:横山 大輔 (YOKOYAMA Daisuke)
 担当教員の所属:工学部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:1単位  開講形態:集中講義
 開講対象:高分子・有機材料工学科  科目区分:専門教育科目・選択必修 
【授業の目的】
分子の主鎖に沿ったπ電子共役系を有する高分子は、光や電気に関係する様々な機能を発現する電子材料である。本講義では、このような主鎖共役系高分子の代表的な分子構造、薄膜の光・電子物性について基礎的な知識を得るとともに、半導体層にこの材料を用いた有機デバイスの作製方法とその応用例について理解することを目的とする。また、関連する内容として、溶液からの塗布法や印刷法で薄膜を作製する方法についても理解する。

【授業の到達目標】
本講義を受講することで、主鎖共役系高分子の薄膜内の分子配列、光・電子物性に加えて、有機デバイスの構造と動作原理が説明できる専門性を身につける。また、有機材料を学ぶ学生として、有機に限らず材料に関わる幅広い議論にも対応できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
有機材料、主鎖共役系高分子、薄膜、π電子、電子伝導、有機トランジスタ、有機EL、有機センサ

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
一般的な高分子は飽和結合からなる不活性な高分子(絶縁性)であるが、それとは異なる部類の高分子について学び、材料の専門性の枠を広げる。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを使うことに加えて黒板に板書し講義を進めるが、必要に応じて印刷物を配布する。
・日程
1)主鎖共役系高分子の基礎
・代表的な化学構造と合成方法
・化学構造と電子状態の関係
2)主鎖共役系高分子薄膜の物性
・薄膜の作製とその膜構造評価と解析
・薄膜の光学的特性
・薄膜の電子伝導性
3)有機デバイスへの応用
・有機トランジスタの作製と特性評価
・有機EL材料とデバイス特性
・有機温度センサと圧力センサ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
パワーポイントで示された、あるいは板書された講義内容をノートに記録し、その内容の理解に努める。不明あるいは疑問な点は積極的に質問する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本講義で習った専門用語(キーワード)を書籍やインターネット検索で調べて、さらに理解を深めてもらいたい。

【成績の評価】
・基準
主鎖共役系高分子の化学構造とその基本物性および応用例に関する専門知識が身についていることを合格の基準とする。
・方法
講義の出席率とレポート内容(5課題)の採点結果から成績を総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
例として、有機エレクトロニクス(筒井哲夫他、日刊工業新聞社)を挙げる。

【その他】
・学生へのメッセージ
講義内容に興味を持ち、材料に関する幅広い専門性を身につけてもらいたい。
・オフィス・アワー
講義後など随時質問等を受け付ける。

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