【授業の目的】
有機化学実験とエネルギー化学実験を通して,器具や薬品の取り扱いや化学実験の基本操作およびレポート作成方法などを学び,各実験テーマに対 する理解を深める。実験を通して,講義で学習した内容に対する理解を深め,実験器具や単位操作や測定方法等の基本的技術を習得する。実験操作 や観察結果を正しく記述し,得られたデータの解析と適切な考察をレポートにまとめる力を身につける。
【授業の到達目標】
自ら実験を行うことで,化学実験の器具や薬品の取り扱い, および化学実験の基本操作を身につける。実験レポートを作成することによって講義で 学んだ知識の理解を深め, 化学的考察ができるようになる。実験テーマごとの目標はテキストに示されている。
【授業概要(キーワード)】
電気化学, 酸塩基反応,酸化還元反応,錯形成反応,溶液,イオン,沈殿,結晶,界面,機器分析,有機化合物の合成,分離,精製,分析,同定、 生体、情報
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
化学・バイオ工学科の学習・教育目標「(C)データ収集と解析および問題解決能力」に主に対応する。 なお、本授業を受講する前に、有機化学、無機化学、情報処理概論を受講しておくことが望ましい。また、この科目と同時開講のエネルギー化学を 受講しておくことが望ましい。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
初回のガイダンスで具体的な日程や場所について説明し安全講習を行う。レポートの書き方を学び, 2回目以降必要な実験操作を学んだ後, 実験を行う(計12回)。詳細はその都度web classから連絡する。
・日程
1.有機実験の基礎操作 2.天然物の抽出実験 3.有機化合物の分離・精製実験 4.有機化合物の合成実験 5.電流・電位・電気量の測定とファラデーの法則 6.電池起電力(平衡論)と分解電圧(速度論) 7.工業化学への応用(電池,アノード酸化,エッチング,ディスプレイ) 具体的な実習の日程,集合場所については開講時のガイダンスにて説明する。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
原則として実験中は実験室から出ることを原則禁ずる。遅刻は厳禁。飲食喫煙など他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は,受講を遠慮いただ き欠席扱いとする。初めに指導教員からその日行う実験についての解説,注意事項があるので早めに実験室に入ること。廃液はティーチングアシス タント(TA)の指導のもとに指定の廃液容器に回収すること。怪我や気分が悪くなった場合, また周りにそのような人を見かけた場合は速やかに指 導教員またはTAに知らせること。高校の化学および物理の内容を習得していることが望ましい。 ※白衣,保護めがね,名札,タオル,上履き, テスターを必ず持参すること。 【エネルギー化学実験】 実験をするにあたり, 高校の副読本・情報処理概論の教科書・エネルギー化学の教科書・テスターなどの教材の準備を忘れて実験ができないケース が増えています。教科書(副読本、参考書)や教材などは事前に準備しておいてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
次に行う実験項目について,テキストの実験方法を必ず読んで,当日は速やかに作業に取り掛かれるようにすること。必ず実験ノートに反応式や用 いる試薬の特性などをメモして実験に臨む。 ※実験テーマによっては,各自で事前に準備して実験当日に持参してくることが求められている場合があるので十分注意すること。 当日行った実験について,実験ノートをまとめる。実験ノートをもとにレポート作成を行う。取り扱う化合物の性質など,分からないところはテキ スト・参考書,図書館等で調べ,知識・理解を深める。レポートは,テーマごとの指示に従って作成し提出すること。
【成績の評価】
・基準
出席および実験終了後のレポート評価によって成績を決定する。器具や薬品の取り扱い, および化学実験の基本操作を身につけることを目標とするため, 原則として欠席は認めない。各実験レポートを提出しない場合, 実験への理解度・考察が不十分だと判断するため, 必ず各実験のレポートを提出すること。やむを得ない事情が生じた場合, 必ず指導教員に申し出ること。
・方法
1.出席とレポート提出を全てクリアすること。 2.実験に対する安全措置を理解し安全に実験が行えること。 3.有機化学実験をよく理解し安全に行えること。 4.エネルギー化学実験をよく理解し安全に行えること。
以上の4点を満たすことが単位取得の最低基準である。さらなる評価は実施後のレポート内容と設問への取り組みによって判断する。
【テキスト・参考書】
化学・バイオ工学科で準備するテキストを使用する 実験・実習における安全の手引,山形大学編 佐野博敏,総合図説化学,第一学習社,810円。またはこれに類する高校生用副読本。 現代の電気化学,小沢昭弥,丸善(2012)。※電子書籍 東京法令出版編集出版部,ビジュアル理科,東京法令出版(2004)。 改訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録,数研出版編集部,数研出版(2013)または、これに類する高校生用副読本。 改訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス物理図録,数研出版編集部,数研出版(2017)または、これに類する高校生用副読本。 アトキンス物理化学要論,P. W. Atkins [著]/千原秀昭,稲葉章訳,東京化学同人(1998)。 電気化学測定法,藤嶋昭,相澤益男,井上徹著,技報堂出版(1984)。 物理学実験,吉田卯三郎,武居文助共著,三省堂(1958)。 工業技術基礎,山下省蔵,実教出版(2015)。 その他,実験テキストに記載の参考文献。
【その他】
・学生へのメッセージ
予習をしっかり行い,あらかじめ実験手順を理解してから実験を行うこと。実験室には早めに来て,実験は自ら積極的に行い,安全な実験手法を身につけること。実験はレポートを作成することによって理解を深めることができる。 白衣, 保護めがねはあらかじめ購入しておくこと。実験室では上履き,名札付きの白衣を着用し薬品取り扱い中は保護めがねをかけること。原則として欠席は認めない。やむを得ず欠席しなければならない場合は,必ず担当教員まで申し出ること。遅刻者には実験をさせないことがある。レポートの提出期限を守ること。 課題提出や諸連絡に山形大学で採用しているe-learingシステムの WebClass を使う。 学術情報基盤センター が発行したアカウントとパスワードを確認し, 忘れた場合は再発行手続きをして, WebClassを利用できるスマホ, タブレット, PCを持参して授業に臨むこと。
・オフィス・アワー
担当教員のオフィスアワーを参照し直接該当教員の研究室をたずねること。
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