【授業の目的】
反応器は化学およびバイオ産業の中心に位置する装置の一つであり,これを効率的に運用するためには反応そのものを知ることとそれに基づいた反応器設計が必要です。本講義では,反応器設計の基礎から均一系の反応器の設計と操作,そして異相系の反応器設計について学び,反応器設計のための基礎力を養うことを目的とします。
【授業の到達目標】
(a) 素反応および非素反応についての速度式を導出し,これを用いて計算できる。 (b) 反応率を基に関係する成分の量的関係(量論関係)を計算できる。 (c) 反応器の型式に応じて適用すべき設計式が選択でき,合理的に計算できる。 (d) 各種反応器を用いて得られた反応データから設計式中のパラメータを決定できる。 (e) 反応器を組み合わせたシステムについて合理的な計算ができる。
【授業概要(キーワード)】
素反応,非素反応,定常状態近似法,律速段階近似法,量論関係,回分反応器,連続反応器,連続槽型反応器(CSTR),管型反応器(PFR),設計方程式
【科目の位置付け】
この科目は、化学・バイオ工学科のディプロマポリシーのうち, ・論理的な思考力と記述力,およびコミュニケーション力を身につけている。 ・応用化学,化学工学及びバイオ工学の基礎知識と,それらを応用する能力を身に着けている。 ・科学技術に関する知識・情報を的確に把握する能力と,生涯にわたって自発的かつ継続的に学習できる能力を身に着けている。 に対応しています。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
講義を主体とし,復習を兼ねて演習問題をレポートとして数回課します。
・日程
概ね次のような順で講義を14回行い,15回目に試験を行う。
第 1回 化学反応の分類,反応器 第 2回 反応速度の定義 第 3回 反応速度式と反応次数 第 4回 反応速度式の導出 第 5回 酵素反応 第 6回 微生物反応 第 7回 化学量論関係 第 8回 反応器の設計,回分反応器の設計方程式 第 9回 連続槽型反応器および管型反応器の設計方程式 第10回 連続槽型反応器と管型反応器の性能比較 第11回 反応速度の解析 第12回 流通反応器の流体混合 第13回 気固触媒反応 第14回 問題演習 第15回 期末試験と解説
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義資料は事前にダウンロード・印刷しておくなどして,講義中に自由に参照できるようにしておくことを勧めます。ノートPCやタブレットPCの活用も勧めます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
レポート課題が自力で解けなかった場合は,解答例に示された手順をたどって自力で解けるように努めてください。学生同士で情報交換したり一緒に課題を解いたりすることも有効です。 数値計算のためにExcelを使うことがあります。使用環境を用意してください。
【成績の評価】
・基準
化学反応速度式の導出や,それをもとにした反応器の設計に関する基本的な問題に解答できるようになれば合格です。
・方法
レポート30点および期末試験70点で総合的に判断し,成績評価を行います。
【テキスト・参考書】
■テキスト:「反応工学」橋本健治 著,培風館 ■参考書:「化学系学生のための化学工学」森秀樹・加藤格 共編著,培風館
【その他】
・学生へのメッセージ
授業はテキストに沿って進めます。テキストには「なぜこのような式が導かれるのか」,「この式にはどのような物理的な意味があるのか」等について十分な説明がない場合もあります。講義を聴いてしっかりノートをとることが重要です。テキストや講義資料に直接書き込んでもいいでしょう。
・オフィス・アワー
毎週月曜日16:00~17:00(樋口)3号館3-4101号室 不在の場合もあります。確実に面談したい場合は事前にメール等で連絡を下さい。 メールでの相談は随時受け付けます。
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