【授業の目的】
化学反応を適切に進行させるには,反応場を適切な温度にコントロールすることが必要である。また,化学反応は発熱や吸熱を伴うので,反応を適切に進行させるには反応熱の除去または補給が必要となる。さらに,蒸発,蒸留,乾燥などの操作にも熱移動が絶対必要である。 熱の移動は伝導,対流,放射の3つの機構に分けられるので,各々について説明を加え,移動熱量の計算を行う。 ・熱移動の機構とその法則を理解すること。 ・熱の流出入の収支計算ができること。
【授業の到達目標】
伝熱に関するテクニカルタームが理解できる。 熱の移動形態が理解できる。 実際に数値を使って,簡単な熱の収支計算ができる。 伝導伝熱,対流伝熱およびその組み合わせの熱移動量の計算ができる。 簡単な伝熱設計の計算ができる。
【授業概要(キーワード)】
伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この科目は,化学工学の基礎となる移動現象論の中の熱移動に関する科目で,3つの熱の移動形態の基礎を論理的に理解し,それらを応用して熱移動現象の論理的思考力を身に付けるものである。(工学部化学・バイオ工学科のカリキュラムポリシー)
【授業計画】
・授業の方法
講義を主体とするが,講義の終わりに演習問題を解いて提出してもらい,評価の対象とします。
・日程
第1週 序論 熱とは 第2週 温度と温度計,熱移動の基礎 第3週 熱移動の3形態 第4週 熱伝導とは 第5週 1次元定常熱伝導 第6週 積層平板の熱伝導 第7週 非定常熱伝導問題 第8週 流体の流れと熱伝達 第9週 境界層と熱伝達 第10週 強制対流熱伝達 第11週 無次元数と伝熱相関式 第12週 自然対流熱伝達 第13週 自然対流熱伝達の伝熱相関式 第14週 熱放射,熱交換 第15週 総まとめ および 期末テスト
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
私語,飲食,喫煙など他の受講生に迷惑となる行為は厳禁です。該当者は受講を遠慮していただく。 講義ノートをしっかりと取り,講義時間内で行う演習問題を積極的に解くこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本講義では特に予習は必要としないが,講義内容に関連する書籍を紹介するので積極的に読まれたし。 本講義は受講生にとって全く新しい学問であるとともに,化学工学的に大変重要な基礎科目であるので,復習をしっかりするように。特に,知識の積み上げとなる科目なので,前回の内容を理解しておかないと次の内容が理解できないこともあり得る。十分復習し,不明な点は質問すること。
【成績の評価】
・基準
試験では以下の項目に重点を置き評価する。 1.講義中に行う演習問題の評価 30~40点 2.伝熱計算が順序立てて成され,求めるべき値が最後まで求められているか+講義中に示した専門用語の英語が和訳できるか 60~70点 計 100点
・方法
上記「成績の評価(基準)に従い」、最終筆記試験で成績を決定する。
【テキスト・参考書】
教科書:平田哲夫ら 共著,例題でわかる伝熱工学,森北出版,2160円 参考書:日本機械学会,JSMEテキストシリーズ 「伝熱工学」,丸善,1886円+税
補足プリントを適宜配布する
【その他】
・学生へのメッセージ
何事も面倒がらずに根気良く続けましょう。それが必ず力になります。 「移動現象I」を履修すること。 学科就職担当教員として就職情報(インターンシップや業界研究セミナー,求人情報など)も紹介します。
・オフィス・アワー
毎週水曜日16:00~17:00,3号館2108号室 (上記以外でも,空き時間であれば対応します。)
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