【授業の目的】
有機化学は暗記の学問のように考えられがちだが、各反応がなぜ進行するのかには明確な理由がある。すなわち、何故結合が切れて、新しい結合が出来るのか、何故有機分子は新しい分子へと変化するのかを理解する学問であり、有機化学IIIはこの理解に適している。 有機化学IIIは、カルボニル化合物およびアミンの合成と反応を通して、有機化学において、何故結合が切れて、新しい結合が出来るのか、何故有機分子が新しい分子へと変化するのかを、講義と演習により習得することを目的とする。
【授業の到達目標】
1) カルボニル化合物およびアミンの基礎的な知識と合成法を説明できるようになる。【知識・理解】 2) カルボニル化合物およびアミンの反応を電子の動きを示しながら記述できるようになる。【知識・理解】 3)カルボニル化合物およびアミンに関する合成ルートを考えることが出来るようになる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
アルデヒド、ケトン、カルボン酸、ニトリル、求核アシル置換反応、カルボニルのα-置換反応、カルボニル縮合反応、アミン
【科目の位置付け】
この科目は、以下のディプロマポリシーに対応する。 (4) 論理的な思考力と記述力、およびコミュニケーション力を身につけている。 (5) 豊かな発想力をもって、計画的に仕事を進め、課題を解決に導く能力を身につけている。 (7) 応用化学、化学工学及びバイオ工学の基礎知識と、それらを応用する能力を身につけている。 (8) 科学技術に関する知識・情報を的確に把握する能力と、生涯にわたって自発的かつ継続的に学習できる能力を身につけている。 他に有機化学I,IIを学習して、官能基別に基礎をすべて学んだことになります。すべての履修が望ましい。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
09.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
初回に授業の概要、進め方を伝える。教科書中の問題を適宜レポートとして課すことがある。
・日程
第1週~第3週 19章 アルデヒドとケトン:求核付加反応 第4週~第5週 20章 カルボン酸 第6週~第7週 21章 カルボン酸誘導体と求核アシル置換反応 第8週 中間試験と解説 第9週~第10週 22章 カルボニルのα置換反応 第11週~第12週 23章 カルボニル縮合反応 第13週~第14週 24章 アミン 第15週 期末試験と解説
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
予習をして授業に臨んで欲しい。教科書は必ず持参して授業を受けること。授業中は私語などの受講生の迷惑となる行為は厳禁。(暑い日もあるので、飲み物は持参してください)
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教科書を読んで、予め概要をつかんでおくと理解が早い。 授業で習ったところを見直し、練習問題を解くことによって、さらに理解が深まります。
【成績の評価】
・基準
中間試験、期末試験を各50点で行います。合計点100点のうち60点以上を合格とする。 90点以上:カルボニル化合物およびその誘導体、アミン化合物とその誘導体に関する理解と知識が特に優れており、これらの有機分子の特性、合成法や反応について、しっかりと説明ができる。80-89点:カルボニル化合物およびその誘導体、アミン化合物とその誘導体に関する理解と知識が優れており、これらの有機分子の特性、合成法や反応について、おおよそ説明ができる。 評価70-79点:カルボン酸とアミン化合物及びその誘導体について、その構造と命名法について理解している。また、これらの有機分子の特性や反応について理解している。 評価 60-69点:カルボン酸とアミン化合物及びその誘導体について、その構造と命名法、さらに、これらの有機分子の特性についておおよそ理解している。
・方法
中間試験と期末試験の成績を合わせて評価します(配点は上述)。
【テキスト・参考書】
テキスト J.マクマリー有機化学 第9版、中、下 / JOHN McMUARRY 著/ 伊藤・児玉・荻野・深澤・通 訳
参考書 東京化学同人(2009) ボルハルト・ショア- 現代有機化学(上下巻) ブルース 有機化学(上下巻) モリソン・ボイド 有機化学(上中下巻)
【その他】
・学生へのメッセージ
有機化学の多様さに気が付いて面白いと思うか、学ぶことの多さに投げ出したくなるかは、大きな分かれ道である。有機化学は実証の学問であり、実験で確かめることのでき、最先端の話題へと繋がるる広い世界が待っています。有機化学の面白さがわかるよう頑張って欲しい。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を設けています。 月曜日16:00~17:00
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