機械システム設計及び製図Ⅱ
 Mechanical System Design and Drawing II
 担当教員:妻木 勇一(TSUMAKI Yuichi)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)機械システム工学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):企業にて設計業務を2年間行った.
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:1.5単位  開講形態:講義(WebClassを利用)
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・必修 
【授業の目的】
この科目は,学習・教育到達目標(B)機械工学の基礎,および(D)デザイン能力および開発・設計・生産技術〔CP2〕〔CP4〕に対応しています.
設計・製図は,与えられた仕様を満足する新しい機械や装置を製作するために,それらの構成部品の形状,寸法,強度,材質等をJIS規則に準拠して適切に決定して,構想図,部品図等の図面を描くことである.本授業では,機械設計の基本を含む簡単な装置の一つである「歯車ポンプ」を題材に取り上げ,設計・製図をグループに分かれて行い,機械設計・製図の一連の手法を学習する.

【授業の到達目標】
この科目は,学習・教育到達目標(B)機械工学の基礎,および(D)デザイン能力および開発・設計・生産技術〔DP4〕〔DP6〕〔DP7〕に対応しています.
(1)実践的機械工学
(ア) JIS規格に則した投影法や図法,材質や熱処理,表面粗さなどの意味が理解できる.
(2)開発・設計・生産技術およびデザイン能力
(ア) 設計書にしたがって,歯車ポンプの図面を描くことができる.
(イ) はめあい,寸法公差,加工法および工程を理解し,組立図や部品図を完成させることができる.
(3)創造力,自主的行動力およびコミュニケーション能力
(ア) 自分が作成した設計書の内容を要領よく説明できる.
(イ) 質問に対して適切に応答できる.
(ウ) 教員や同じ作業グループの人と議論しながら課題を仕上げることができる.

【授業概要(キーワード)】
設計と生産・管理(設計法,製図法と規則,加工法,機械設計,製図,規格/標準/基準/法規,展開図法,表面加工,組立)、実験の計画・遂行能力と結果の考察能力の養成

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
この科目は,機械システム工学科の学習・教育到達目標(B)機械工学の基礎,および(D)デザイン能力および開発・設計・生産技術〔CP2〕〔CP4〕および〔DP4〕〔DP6〕〔DP7〕を養成する科目である.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任

【授業計画】
・授業の方法
授業は,機械システム設計及び製図Iにおいて作成した設計書に基づき,「歯車ポンプ」の構想図・部品図を作成する.機械設計・製図は確実な知識と技術に基づく実践力を訓練する科目である.歯車ポンプの構想図・部品図が現場に通用するレベルに達することを目指して,不備な点の訂正を繰り返し行う.
90分×15回分の内容を実施する.
・日程
90分15回の講義および製図に取り組みながら授業を進める.
第1回 受講上の注意,シラバスと授業計画,「歯車ポンプ」構想図の製図
機械システム設計及び製図Iで仕上げた設計書に基づき,A3方眼紙に構想図を製図する.
(予習) 設計書を見直しておくこと.
(復習) 配布プリントを熟読すること.
第2回 歯車ポンプ構想図の製図
(予習) 設計書を見直しておくこと.
(復習) 配布プリントを熟読すること.
第3~6回 構成部品間のはめあいの選択,加工法、面の肌の指定,「歯車ポンプ」の構想図の製図
(予習) 教科書4章「機械要素の製図」を熟読しておくこと
(復習) 配布プリントおよび教科書の関連部分を理解すること
第7回 構想図の検図 1回目
(予習) 期限までに構想図を仕上げること
(復習) 検図で指摘を受けた点を理解し修正すること
第8回 構想図の検図 2回目
(予習) 期限までに構想図を完全に仕上げること
(復習) 検図で指摘を受けた点を理解し修正すること
第9~12回 部品図の図面作成
(予習) 教科書を熟読し,規格にあった寸法を確認しておくこと
(復習) 設計書及び構想図と部品図の整合性が取れていることをチェックすること.
第13回 部品図の検図 1回目
(予習) 期限までに部品図を仕上げること
(復習) 検図で指摘を受けた点を理解し,設計書,構想図,部品図に反映させること.
第14回 部品図の検図 2回目
(予習) 期限までに部品図を完全に仕上げること
(復習) 検図で指摘を受けた点を理解し,設計書,構想図,部品図に反映させること.
第15回 最終訂正締め切り

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教科書,WebClass上の資料を熟読し,わからない点は質問すること.課題の提出期限を守ること.
※製図Iで作成した設計書の原本を必ず持ってくること(最後に提出してもらいます).設計書がない場合は書き直してもらいます.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
WebClassの資料および教科書を丹念に通読して機械製図に関する基礎的事項を体得しておくこと.授業中の課題の遅れは次回までに取り戻しておくこと.
※授業時間と同等の準備学習が最低でも必要になります.

【成績の評価】
・基準
はめあい,寸法公差,加工法および工程を理解し,JIS規格に則し,設計書にしたがって歯車ポンプの組立図や部品図を完成できることを基準とする.
・方法
原則3分の2以上講義に出席したものを評価の対象とする。
設計書,構想図,部品図を提出し採点する.60点以上を合格とする.
構想図,部品図が提出されていない場合は不合格とする.

【テキスト・参考書】
林 洋次 監修,機械製図,実教出版,1,745円(2000)

【その他】
・学生へのメッセージ
機械システム設計及び製図Iで作成する設計書が必須のため,必ず履修しておくこと.JIS規格に基づいて機械製作図を作成する基本的な能力が必要であるので,「基礎製図」を履修していることが望ましい.また,機械の製図という性格からして,機械を構成する個々の部品の機械設計学はもちろんのこと,機械工作,工業材料,生産管理等に関する知識も必要である.
機械部品のスケッチ,電卓を使用した数値計算を行うので,電卓,方眼紙,定規、コンパス等を常時携帯すること.
機械システム設計及び製図IIは開発・設計技術者としての能力向上のための科目である.シンプルでバランスの取れた図面の機械や装置は,一般には機械的特性も優れている.設計・製図は個人のセンスによるところが大きいため,バランス感覚を磨いて欲しい.満足いくまで設計計算を行い,満足いくまで図面を訂正すること.努力無くして向上無し.
・オフィス・アワー
いつでもWebClassのメッセージを利用して質問して良い.

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