生体の力学Ⅱ
 生体の力学Ⅱ
 担当教員:馮 忠剛(FENG Zhonggang)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)応用生命システム工学分野
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:第2ターム  単位数:1単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分:選択、教職科目 
【授業の目的】
人体や生物への理解を深めるため、生体組織の構造や機能の知識を得た上で、力学的な視点から生体の仕組みの見方や考え方を身につけることを目的とする。さらに生体の力学における代表的な分析方法やモデルの計算を行なうことで、生体と機械システム工学を融合した学際的分野に関する知識と素養を得ることを目的とする。

【授業の到達目標】
(1) 学際的分野に関する知識と素養を得る目的とし、生体の階層構造や構成要素の構造や機能を説明できる、(2) 機械工学の基礎力を活用する目的とし、生体運動のモデルを理解および解析できる、(3) 自主的・継続的な学習能力の向上を目的とし、生体力学の生体現象への適用や応用を考察できる。

【授業概要(キーワード)】
骨格・筋肉システム、心臓・血管システム、生体運動の数理モデル

【科目の位置付け】
本講義は本学科の専門科目の選択科目に位置付け、これまでの材料、流体、ロボティクス系科目の知識を踏まえ、生体における代表的な運動のモデル計算を行なうことで、生体と工学が融合した分野で習得した知識を生かして、新たな応用領域を開ける。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
生体の仕組みを組織・臓器レベルで解析・講義する。骨格・筋肉システムや心臓・血管システムなどについて工学的角度から生体システムを理解する上で必要な力学的な分析方法を学ぶ。
・日程
第1回:Introductionおよび骨格・筋肉システム
第2回:骨格筋の収縮とHillの方程式
第3回:骨格・筋肉システムの解析:静的問題
第4回:骨格・筋肉システムの解析:動的問題
第5回:心臓・血管システムの概説および心臓のポンプ機能
第6回:心臓・血管システムの定常流モデル
第7回:血管システムの動態モデル
第8回:期末演習

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
テキストを指定しませんが、講義内容を詳細に聞き取り、必ずノートに記載することが必須である。分らないことは先延ばしにしないで、授業中あるいは講義後積極的に質問する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習:参考書について、予告された講義内容をあらかじめ確認し、授業内容の概要を理解しておくことが必要である。
復習:授業内容を整理し、自分が把握した知識を如何に授業の内容の理解を最大限に利用することを常に考える。

【成績の評価】
・基準
生体組織について、専門用語や仕組みを理解しているかどうか、そしてまた生体システムを工学や力学の観点からを正しく理解し考察できるかどうかを評価する。
・方法
各授業における課題(Assignment)の完成度(平常点:50点)
期末演習(オープンブック)の評価(50点)
上記の合計100点満点中、60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
参考書: バイオメカニクス―生体力学の原理と応用 by ナイハット・オズカヤ and マルガレータ・ノルディン | Jun 1, 2001、NTS
参考書:Nihat Özkaya, Margareta Nordin. Fundamentals of Biomechanics: Equilibrium, Motion, and Deformation. 1999 Springer-Verlag New York, Inc.
参考書: YC Fung. Biomechanics: Motion, Flow, Stress, and Growth. 1990 Springer-Verlag New York, Inc.

【その他】
・学生へのメッセージ
無断欠席をしないこと。授業を通して視野をひろげ、柔軟なものの見方・思考を身に付けてほしい。
・オフィス・アワー
特に設けないが、アポイントを取ればいつでも対応する。

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